16.Linux Mintをインストールしよう
先日公開されたubuntu 26.04がハードウェア仕様&セキュリティが大幅に厳格化されまして初心者には勧めにくいプロユースのディストリビューションに変わりました。そこで、使いやすいお勧めのLinux Mintから軽量版のMint Xfceのインストール&運用方法について解説をさせていただきます。
2026年4月22日、Ubuntu26.04LTSが公開されましたが、収益化に舵を取り、(企業、政府機関等の)プロユース、あるいは機器向けの業務用途にシステム要件が厳しく、セキュリティ強化が重視されるように方向転換されました。アプリの互換性問題もあり初心者や個人ユーザー、古いPCの再利用、または低性能のノートPCなどにはおすすめできなくなりました。
Ubuntuをお勧めしていたのは、Ubuntuでできれば他のディストリビューションでもできるから、というシンプルな理由ですが、現在はUbuntuは一般ユーザー向けではなくなったということです。
Linux MintはUbuntuのこの方向転換には追従せず、ベースをDebianに移行しつつありますので、世界的なUbuntu離れもあって個人ユースではトップシェアを誇ります。メニュー構成や画面がWindowsに似せていますのでWindowsからの移行でも比較的違和感の少ないディストリビューションです。
初めてLinuxに触れる方、古いPCの再利用を目的として軽量版であるLinux mint xfceをこの回以降は使用していきましょう。
※なおMacにもLinux MintやZorinOSをインストールすることができますが、Macキーボードを使う場合日本語入力のON/OFFは英数・かなキーではできませんので、英数キーボード同様ctll+Spaceか、またはcapsキーで切り替えてください。最新Ubuntuでは「8.MacにLinuxをインストールしてみよう」で英数・かなキーを使うことができます。
インストールには消しても良い4GB以上のUSBメモリが必要です。DVDドライブを装備しているならDVD一枚に収まるサイズですからDVD-Rに焼いてもいいです。
インストールで、プロダクトIDだのメールアドレスだの、提供しなければならない個人情報は一つも無いです。入力するのはログイン名とパスワードだけ、です!
1.MintのISOイメージをダウンロードする。
現在使用している、あるいは家族や友人知人のWindowsパソコンからブラウザに「Linux mint ISO」と打ち込んで検索してください。
Linux Mint 公式ページを表示させたら、Xfce Editionをダウンロードしてください。
ダウンロードフォルダにおよそ3GBの「linuxmint-22.3-xfce-64bit.iso」というファイルができていたら成功です。
2.インストールメディアを作る
・ダウンロードしたファイルはISOフォーマットですので、このままDVD-Rに焼けばインストールディスクになります。
または用意していた4GBのUSBメモリーにこの内容を実行可能なファイルとしてディスクイメージを書き込みます。そのためには、ISOファイルをUSBメモリーに書き込むソフトが必要です。
・ブラウザに「rufus」と打ち込んで検索をしてください。
・「Rufus―起動可能なUSBドライブを簡単に作成できます」と検索結果が出たらクリックし、Rufusのサイトから下にスクロールして「ダウンロード」の下にある「rufus-×.××.exe」をダウンロードします。
RufusはOSなどのISOファイルをUSBメモリーに書き込むフリーソフトです。インストールしなくても単体でクリックするだけで動くEXEファイルです。
・ダウンロードフォルダに「rufus-*.**.exe」というファイルができていますのでクリックします。
「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか」と表示されますので「はい」をクリック。
・Rufusが起動しますので、パソコンに4GB以上の容量のUSBメモリーを差し込みます。
「デバイス」をクリックして今差し込んだUSBメモリーを選びます。
「ブートの種類」を左の「選択」をクリックしてダウンロードフォルダから先ほどダウンロードした
「linuxmint-22.3-xfce-64bit.iso」を選択します。
その他の設定はそのままで、一番下の「状態」で「準備完了」と出ていたら「スタート」をクリックします。
「書き込む際に使用するモードを選択してください」と表示されたら、「DDイメージモードで書きこむ」を選択してOKを押します。
「デバイスのデータは消去されます」と表示されるので「OK」を押します。
・イメージの書き込みが始まりますので終了するまで待ちます。十数分かかることがあります。
「100%」から「準備完了」に戻りましたら終了です。USBメモリーをパソコンのUSBドライブの「取り外し」を選択してから抜いてください。
もう使いませんのでダウンロードフォルダのrufusとlinuxmint-22.3-xfce-64bit.isoのファイルは後で消しても良いです。
3.インストールの準備をする
最初はインストールしなくてもいいです。お試しするだけならUSBやDVDだけで動きますから、本体のドライブが書き換えられたりすることは何もありません。
・パソコンのUSBソケットに先ほど作成したUbuntuの起動USBを差し込んで、F2、またはF1キーを押しながら電源を入れ、BIOSを起動します。BIOSの呼び出し方はPCにより異なります。
※BIOSではできれば「セキュアブートの無効化」「レガシーモードの有効化」を選択してください。
セキュアブートというセキュリティシステムがもっぱらWindows使用を前提にセットアップされている場合が多く、PCによってはLinuxを受け付けない場合があります。
パソコンごとに違うのですが、ブートメニューを探し出し、その中から最初に「USBメモリから起動する」順番に変更してセーブをしてから起動します。F12キーを押しながら起動するとどのドライブから起動するか選べるパソコンもあります。
DVDを使用する場合はブートメニューで光学ドライブを最初に起動する設定にします。
・メニュー画面になります。一番上の「Start Linux Mint 22.3 Xfce 64-bit」を選択します。待っていても自動で始まりませんのでEnterを押します。
・他のディストリビューションと違っていきなりお試し画面になります。
注意なのは、この時点ではまだインストールされていませんのでデスクトップやメニューが英語のままなことです。インストールが終了すれば、表記はすべて日本語に変わります。
左下にある丸mマークがWindowsで言うスタートメニューになります。WindowsのようなアンダーバーはMintでは「パネル」と呼ばれています。
クリックするとメインのメニューが表示され、最初にインストールされるアプリケーションが表示されます。オフィスのようなワープロや表計算、画像、音楽、動画を再生するマルチメディア、設定、ユーティリティその他があらかじめインストールされるのが分かりますね。
・「ファイル操作をする」
パネルから「File Manager」を選択すると、Windowsで言うエクスプローラーと同じファイル操作画面になります。ここでデスクトップ、ドキュメント、ダウンロード、ミュージック、ピクチャ、ビデオといったWindowsやMacと同じフォルダが表示されて、ファイル操作ができることが分かります。
・「ブラウザを起動する」
パネルから「Firefox」をクリックします。ブラウザのFirefoxが起動します。MicrosoftのEdgeやGoogleのchromeなどのメジャータイトルもLinux版を公開していますので、後でインストールできます。
普通に操作すればアマゾンやユーチューブにもアクセスできるのが分かりますね。
・「LibreOffice Writer を起動する」
メニューから「Office」>「LibreOffice Writer」をクリックします。
要するにMS-officeのWordですね。Wordのファイルを読み込んだり、書きこんだりすることができますので互換性はほぼ確保されていて、使いやすさや機能にも大きな差はありません。
プロとして出版社と原稿をやり取りしている人にはMS-Wordが必要ですが、横書きで小説家になろうに投稿しているうちはこれで十分すぎると思います。
・「電源を切る」
メニュー右上に小さく電源マークがあります。クリックするとShut Downがありますのでクリックすると電源を切ることができます。
電源を切ったら、あとはUSBメモリやDVDを抜けば、なにもインストールされずに以前の通りのWindowsパソコンとして使い続けることができます。
このままHDDを消してUbuntuのインストールをする場合は、右上上にある「install Linux Mint」のアイコンをダブルクリックするとインストール画面になります。
5.Mintのインストールをする。
「install Linux Mint」をダブルクリックすると、インストール画面になります。
「Welcom」画面でまず言語を日本語に設定します。サイドメニューを下にスクロールすると一番下に日本語がありますので、それを選択すると表示が日本語になりますから「続ける」をクリックします。
キーボードは日本語キーボードを使うならそのまま何も変更せずに「続ける」をクリック。
次にネットワークの選択になりますから、有線LANを接続するか、Wi-Fiの設定をして無線LANの接続をしてください。設定できたら「続ける」をクリックします。
新しめのPCでセキュアブート設定されている場合はセキュアブートのパスワードの入力画面になりますので設定しておく必要があります。Windowsは自動でやっていますが、Linuxの場合はシステムに触れるアプリケーションのインストールにこの許可が必要になる場合があるのです。ログインパスワードとは別ですので、適当な8桁パスワードを作成してメモしておきましょう。アプリをインストールするときに聞かれることがあるパスワードです。ハードウェアやBIOSが書き換えられることが無いMintのシステム内だけで使われるパスワードです。
マルチメディアコーデックをインストールにもチェックを入れておきます。
※後にVirtualBox、wineなどのようにハードウェアに直接触るアプリを使うような実験的な使い方をする人は、BIOSでセキュアブートを無効にしレガシーモードを有効にしておくのが無難です。セキュアブートのパスワードを設定していても、そのパスワードの入力が無く拒否されるアプリもありますから。
・先にHDDにWindowsがインストールされていたり、他のLinuxディストリビューションがインストールされているとここで、前のOSを残すか聞かれます。
「ディスクを削除してLinux Mintをインストールする」を選択するとPCはMint専用機になります。選択して「次」をクリックします。
「ディスクに変更を書き込みます」を「続ける」にするとインストールが始まります。
・「どこに住んでいますか?」で自動的にTokyoが選ばれていると思いますので、「続ける」をクリック。
・「あなたの名前」を入力します。起動したときにログインするユーザーを選ぶ時の表示がこれになります。そこだけにしか使われませんので「ジュピタースタジオ」でも「メトロン星人」でもなんでもいいです。他のアプリと関連付けられたり外部で参照されたりあとで困ることにはなりません。
・「コンピューターの名前」
ネットワークで他のPCと共有フォルダを作るときのデバイス名がこれになります。長くなると非常に面倒ですので、「mint01」とか「PC02」とか、どのコンピューターか自分でわかる程度の短い名前にしておきます。※ネットワーク共有設定で後で使います。
・「ユーザー名の入力」
システムフォルダの下にできるユーザーのフォルダ名がこれになります。この下にダウンロードやドキュメント、ムービー、ミュージックのフォルダができますので短い英数半角名にしておきます。
Windowsで言うUserフォルダの下にできる自分のフォルダ名ということです。
※ネットワーク共有設定で後で使います。
・「パスワードの入力」
重要なポイントです。4ケタなど短いパスワードにできるのはこの場面だけです。
後に新たなユーザーを追加したり、パスワードを変更するときは8ケタ以上英数記号交じりの強力なパスワード以外受け付けられなくなります。Pinみたいに短いパスワードを使いたければここだけでしか短いパスワードの設定チャンスはありません。
今後、アプリケーションのインストールの許可、管理者権限の設定、システムに触れるアプリの起動など何度も入力することになるパスワードですので確実に記録してください。
もう一度入力、でパスワードを再入力します。
後に「ホームフォルダの暗号化」を選ぶ場合はこのログインパスワードが暗号化キーを兼ねることになりますので、「安全」とされるまで凝ったパスワードにしてください。
・「ログイン時にパスワードを要求する」
ここで自動的にログインにすると起動時にパスワードが求められませんが、そのかわりブラウザなどログインが必要なアプリでいちいちパスワード入力を求められるようになりますので、ここは「☑ログイン時にパスワードを要求する」にチェックを入れておきます。サーバー用途とか機械に接続とか、無人で動かす用途のための選択項目ですね。
・「ホームフォルダを暗号化」
ノートPCなどPCごと盗まれる恐れがある場合は暗号化をチェックしておきます。ログインパスワードを使って暗号化されますので、分解してドライブを取り出してもデータ抽出することが不可能になります。
・既にインストールは始まっていて、そのまま続行されます。電源を切らずネットワークはそのままでインストールが終わるのを待ちます。
・「インストールが完了しました」と表示されたらインストールは終わりです。「今すぐ再起動する」をクリックしてください。画面が黒くなり、ここで「Please remove the installation medium、then press ENTER」と表示されますので、差し込んでいたインストールUSBメモリを抜いて、ENTERキーを押します。
・最初の起動時だけ「continue boot」と表示されますのでEnterを押します。Mintのログイン画面になります。パスワード入力したら、「Linux Mintにようこそ!」 の画面になりますので「始めましょう」をクリックします。
「始めましょう」で最初にやっておくのは「アップデートマネージャー」です。起動すると新しいマネージャーにアップデートされ、その後、システム全体のアップデート画面になります。アップデートにはログイン時のパスワードが求められます。終了して再起動が求められたら再起動します。
システムのスナップショットは要するに外付けドライブへのシステムバックアップですからこれも最初のセットアップでは不要です。ドライバマネージャーもありますが、必要なデバイスドライバのインストールはアップデートマネージャーがやってくれますから後回しで構いません。
アップデートが終了したら、「ファイアウォール」の「status」をONにしておきましょう。
これでまっさらなデスクトップ画面ができました。ここからLinux Mintを使っていくことになります。
電源を切りたいときはメニューアイコンから右上の電源マークをクリックしてから「シャットダウン」を選びます。お疲れさまでした。
次回「17.Linux Mintで最初にやっておく設定」




