人生と云う名の物語の始まり
「貴方の二度目の人生に幸多からんことを祈ります。神ではなく、貴方に、自身に。」
女神様の言葉を聞きながら俺は光に包まれ・・・・・・
この世界に産み落とされた。
こんにちは。とうごうりょうとあらため、リューシオン=ウル=バルトです。ろくさいです!
ちちうえがははうえのくににいくようにいったのでははうえのくににいくと、とちゅうでならずものにおそわれました。
ごえいのへいはかんぜんぶそうのきへいでひゃっきいじょういるのにならずものはごじゅうにんくらいできました。
がいゆういっしょくにけちらすとおもっていたけどなぜかぼくのごえいのへいがぼくにけんをむけてならずものといっしょにおそってきます。
・・・勘弁してくれ。六歳でこのての波乱は要らんよ。
今日は。東郷涼斗改めリューシオン=ウル=バルトだ。
俺はリューシオン王国の王太子の三男坊として転生した。
このリューシオン王国は半世紀前の世界大戦で武勲を挙げた爺さんと婆さんが建国した。
爺さんの実家であるケイロン帝国と婆さんの実家であるクデュール王国が後ろ楯となっており、両国の緩衝地帯であり、魔物の領域と死魔の領域の目の前に建国された。
氾濫の盾にするために。
魔物の氾濫も死の行進も共通するのは発生すれば人間の多い場所に集まる性質を持つ事だ。
この性質を利用して魔物の領域や死魔の領域の近くに城塞都市が多く造られた。
其所に住まう住人は軍人だったり罪人だったりする。もっとも、税の減免や軍人達相手の商売を見込んで住まう商人や武勲を立て名声を得て一国一城の主と成るのを夢見た冒険者や傭兵といった物好きも住んでいるが。
溢れ出した魔物の氾濫や死の行進をこの城塞都市に惹き付け、その後周辺の都市から精鋭を出して殲滅するというのがセオリーなのだがこれを国レベルでやらされる事になったのが我が故郷、リューシオン王国だ。
当時、ケイロン帝国で武勇を誇っていた爺さん(皇帝の十一男だったらしい)を疎んじた皇太子を中心にケイロン帝国、クデュール王国の両国に働きかけ、クデュール王国も剣姫と呼ばれて人気絶頂の婆さん(俺が女神様から貰った剣姫の武技と経験はこの婆さんのものだったりする)を恐れた王太子によって承認された。
こうして爺さんと婆さんは結婚しリューシオンという都市国家を造る事になった。しかし人望が厚い二人を慕う人々が集った結果、人口を都市国家の規模に納めきれずケイロン、クデュール両国の緩衝地帯全域を領土とするリューシオン王国が出来上がった。
緩衝地帯全域を奪われ、流石にケイロン帝国もクデュール王国も気に入らなかったが、リューシオン王国を攻めると魔物の氾濫や死の行進の被害をモロに受けるし、何より自分達が建国させた国を攻めると国際的な信用を喪う。
まごまごとしているうちにリューシオン建国後、初めての魔物の氾濫が起こり爺さんと婆さんはこれを一蹴した。
これが決め手となりリューシオン王国は国際的に認められた。
その後、爺さんと婆さんは二人の男児をもうける。
俺の父デュオニュソスと、叔父のバッカスだ。
・・・酒の神の名前だよな?
まあいいか。その後、父デュオニュソスが王太子になりケイロン帝国の皇族(爺さんの従兄弟の子だから親父の又従兄弟になる)から第一正妃のルシアを嫁に貰う。ちなみに叔父は都市国家ルードから王族の娘を貰った。
それから少しして又、魔物の氾濫が起こり爺さんと婆さんは迎撃に出るが、親父と叔父貴は援軍として出撃するはずだったが臆病風に吹かれて引きこもり出撃せず、
爺さんと婆さんは援軍無しで孤軍奮闘し何とか魔物の氾濫を切り抜けたが、この戦いで婆さんが亡くなる。
爺さんが親父達に援軍に来なかった理由を糾弾したが、親父達は妻の妊娠を理由とし、ケイロン帝国とクデュール王国、都市国家ルードも親父達を庇った事からこの一件は取り敢えず置いて置かれる。
独立国となったとはいえ、周辺国の支援無くして魔物の氾濫や死の行進は対処出来ないからだ。
そんなこんなで婆さんの国葬がされるなか、親父と叔父貴の妻達が産気づくがかなり悲惨な事になった。
まず叔父貴の妻レイアの赤子が死産。
親父の妻ルシアが双子の男児を出産。
国葬の中、初めての我が子に我を忘れた親父が、
「母上が亡くなったのは残念ですが男児が二人も産まれました。これで我が国も安泰です。案外母上の生まれ代わりかもしれませんな。」
等と国葬の場でいい放ち、参列者から顰蹙を買った。
その後、リューシオン王国を中心とした地域で大凶作が起こり、人々は神の怒りだとか婆さんの怒りだとかのバチが当たったと噂した。
親父と叔父貴は言い訳出来んかも知れんが兄貴達二人はとんだとばっちりである。
こうして俺の兄達、
シリウス=バルトとアルス=バルトは産まれた。
殆どの人々に祝福されることなく、人々に疎まれながら。
リューシオン王国を中心とした大凶作を静め、大地を活性化させるためにリューシオン王国に救世の三女神の神官が派遣される。
その内絆の乙女に仕える女神官のフランチェスカが親父の目に止まる。
俺の母親である。
まあ、その後はなんというか・・・親父がフランチェスカを押し倒し強姦。
非難したいがこの結果、俺が産まれるからなんというか・・・
俺を妊娠したことを知った親父がフランチェスカに堕胎を迫るがシンシアは拒否。
産まれてくる子供に罪はないと、親の罪に対して子に罰を与えてはならない。と、逆に諭したらしい。
が、クソ親父に通じる筈もなく逆上した親父に暴行を加えられたそうな。
国土の地力回復の為に頭を下げて来て貰った女神官(妊婦)を頭を下げて招いた側の国の王太子が暴行を加える図。
当然騒ぎになる。
騒ぎを聞きつけやって来た爺さんの行動は迅速だった。
親父を殴り倒し、シンシアに土下座。しかも臣下や一部の市民が居るなかで。
爺さんの行動に親父は吠えた。
「一国の王が臣民の前で土下座とは!!父上は御病気である!早くお連れしろ!!」
親父の戯言など聞く奴は当然居らず、逆に親父が引き摺られて連れて行かれた。
その後、事情を聞いた爺さんは再びフランチェスカに土下座し息子の非道を詫びた。
そしてフランチェスカが出産するまでの万全のサポートを約束する。
その上で爺さんはフランチェスカにとあるお願いをしたそうだが・・・俺は約束の内容を知らない。
そんな理由で俺が産まれたが、母のフランチェスカ曰く、出産の際に女神様が降臨し、俺を産湯に入れて祝福の言葉を掛けてくれたらしい。
俺は覚えてない。出生直後の事など認識できるはずない。・・・残念だ。
そして女神の降臨に狼狽える関係者・・・産婆さんや手伝いの女官達・・・に、俺に婆さんの英霊がついていると言い残し、フランチェスカに俺を手渡して消えていったそうな。
これに大喜びしたのは爺さん達で、出産の前後に神が降臨するのは聖者や英雄の産まれてくる前兆とされており、尚且つ自分のつれあい・・・婆さん・・・が孫を守護している。
真の世継ぎが産まれたと喜び、一旬節後の洗礼の際に救世の三女神の祝福と三女の絆の乙女の守護がついている事が分かり狂喜乱舞した。
極めつけに俺が産まれた年がここ何年間か続いた大凶作が嘘の様に大豊作となり神に祝福されし御子と俺は呼ばれた。
この様な流れで爺さんが俺に付けた名・・・親父は俺を自分の子と認めなかった・・・が、爺さんの名であり国名となったリューシオンと婆さんの名のウルをとり、
リューシオン=ウル=バルト
と、した。これが俺が第三子にも係わらずリューシオンの名を持つ理由である。
「後半へ続く。」
「貴様!なにを言っている!?」




