俺と女神の事情と誕生
「と、言う事情があったんですよ。」
目の前女性が話を締めくくる。
彼女は救世の三女神の一人、絆の乙女。名前は・・・教えちゃならないがまあいいか?此処だけの話だし。
彼女の名はルルーシュ。救世の三女神の三女にあたる。
そして俺の身元保証神として俺を庇護してくれる神だ。
「大体の事は話終えたかしら?」
彼女が首を傾げると薄いブラウンの髪がさらりと流れる。
くるぶしまである長い髪を無造作に背中に流している。髪が軽くウェーブしているからピンと伸ばすと身長より長そうだな。
「何か質問とか有りますか?」
ルルーシュ様が俺を上目遣いに見ながら聞いてくる。
どうして女神は美人しか居ないんだろ?
醜女がいる日本がおかしいのか?
「度量法と通貨が知りたいです。」
チュートリアルの続きだ。
度量法は地球と変わらず。
センチメートル、グラム、方式だ。
単位も地球と変わらない。
通貨は、王貨、白金貨、金貨、銀貨、大銅貨、銅貨の六種類で単位は、王貨、白金貨、金貨がゴールド。
銀貨、大銅貨、銅貨がシルバーとなる。
通貨百枚毎に一つ上の通貨に切り替わる。
銅貨百枚で大銅貨が一枚。銀貨百枚で金貨が一枚。
と、いった感じだ。
ちなみに日本円にすると、
銅貨が一円、大銅貨が百円、銀貨が一万円、金貨が百万円、白金貨が一億円、王貨が百億円となる。
庶民はシルバー、王族や貴族、商人はゴールドを使う。
そうそう、神様について話してなかった事があった。
この世界の神々は、主神を除いて一から十の階級で分けられる。
一級神が最高位で十級神が最下位となる。
但し主神は除く。
神々は持っている力や活躍の度合いと依って級位を主神から付けられる。
生まれながらの三級神も居れば、先の異界の神々の侵攻で活躍し三級神となった神々も居る。
救世の三女神の三神は皆、八級神だったりする。
まあ百数十年前に新しく創造された神々の一神(三神)だから級位はそれなりか?
そんな彼女が俺に与えてくれる庇護は『守護』だったりする。彼女曰く、
「私達三神の中では私が一番暇だし、何か君の事が気に入っちゃたから。」
らしい。因みに姉神の大地の乙女、アルテミシア様と戦の乙女、メイガス様は揃って『祝福』だったりする。普通はこれ位が妥当なんだそうな。
「・・・と、言う事なんですが何か質問とか有りますか?」
「・・・はい、先生。」
「はい。涼斗君。」
「・・・どうして女教師のコスプレ何ですか?後、いつ着替えたんですか?」
「TPOを弁えただけです。後、私、女神様だから。」
答えにならない答えを答える女神様。
もういいや。神々の行動に合理性と常識を求めても無駄なのは日本神で学んだハズだ。気にしたら負けだ。何に負けるかは知らないが。
「はい。理解不能です。女神様だからですね。」
「流石はあちらの世界の方だけあって飲み込みが速いですね。
こちらの子達は私達の行動に自分達の常識を当てて測ろうとするんですよ?
私達の行動を人間が測る事なんて出来ないのに。」
「まあ、神様の茶目っ気と遊び心を理解するのは難しいですからね。
自分も全てを理解できるかと言えばそうでもないですし。
人は自分の認識出来ないものは理解出来ませんからね。」
俺の言葉とポカンとした・・・どちらかと言えば、ぽぇ。と、した・・・表情を見せる女神様。
間の抜けた顔も美人だな。女神みたいな・・・・・・女神か。女神だな。威厳や荘厳さよりも隙の多い行動や言動が目立つからついつい忘れそうになる。
この女神が神でないなら俺の人生の中で一緒に居たいな。
好きに生きてもいいと言われたがこの女神と、共に生きることが出来ないのはちょっと納得出来ないな。
「あのっえっと、女神を口説くなんていけない人ですね!」
顔を真っ赤にしてぽかぽかと俺を殴る女神様。
どうやらこちらの考えは筒抜けになっているらしい。
「不意討ちです!ちょっと油断しました。」
気がすんだのか俺を殴るのをやめてまだ少し赤い表情で見上げてくる女神様。
だからその顔はダメだって。
「小さな子供に言われた位にしか今まで感じなかったのに・・・・・・何だかドキドキします。」
近所の悪餓鬼が近所のお姉さんに告白した感じか?そりゃハイハイ大きくなったときまだお姉さんの事が好きだったら考えるよって事かな。
・・・ん?ドキドキするって事は脈はあるのか?
「少しです!」
少しはあるのか。
こほん、と、咳払いをすると女神様は仕切り直しとばかりに大声を出す。
「とにかく!こちらの説明は終わりです!何もなければ私達から贈呈を送って転生となります!」
「私からは魔法の適正があるみたいですから初級から中級位迄、魔法を使える様に刷り込み(インストール)します。
「姉様からはかつて剣姫と呼ばれた勇者の武技を、姉様からは従者を送るそうです。」
なかなか実用的な贈呈だがこんなにもらって良いのだろうか?
只でさえ彼方でチートを沢山もらったのに。
「良いんです。主神様のご指示ですから。ただ姉様の従者は調整があるので合流の時期は未定だそうです。」
未定か。まあ、産まれて直ぐに「従者です」とか来られても困るしいいか?
「だいたい五、六歳位迄に合流するようにするそうです。」
だいたい解った。最後に一つだけ。
「何ですか?」
「俺が人生を終えてまた貴女の前に姿を表したときに一度だけ貴女に告白しても良いですか?」
「ええ!?女神を口説くなんて度胸がありますね?」
「そうですね。二度目の人生、好きに生きると決めたので。
初めは緩そうな女神様だなぁと思っていたんです。」
「・・・知ってます。」
「はい。でも貴女の事を知ると貴女が欲しくなりました。」
「神を欲しがるなんて傲慢ですね。」
「はい。これは自分の初恋なんです。貴女を押し倒したいとかそういうのじゃなくて、貴女の隣に居たい、貴女と一緒に居たいと思えて来たんです。」
「私もこんなこと言われるの初めてですよ?」
「光栄です。だから一度だけ貴女を口説く機会を下さい。答えはその時まで要りません。自分に相応しくないと感じた時は切り捨ててくれて結構です。」
「・・・・・・」
「今。ではなく未来。を。チートをもらって生きる自分でなく、自らの力を持って貴女の前に姿を表したとき。
告白させて下さい。」
「・・・わかりました。でも、振るかも知れませんよ?」
「振り向かせて魅せましょう。」
「自意識過剰ですね?」
「今は。」
そう。今は只のチート野郎だ。しかし未来においてはその限りではない。
俺にとって大きな目的ができた。彼女の為なら“神にだって成ってやる”
「約束しましょう。絆の乙女、ルルーシュの名の元に。」
「結びましょう。貴方との絆を。」
女神様は続ける。
「認めましょう。貴方の愛を。」
「だからちゃんと私の元にかえって来なさい。その時に貴方の想いに答えましょう。」
そして小さく、
「・・・チョロインなんて言わないで下さいよ?私だってこんなにストレートに告白されたの初めて何です。
女神だって女の子なんです。真正面から口説かれて心が動かないなんてことないんですから!
絶対にかえって来なさいね?絶対よ?」
「はい。」
俺達の周りに光が溢れる。転生のお時間だ。約束もした。さて、行きますかね?
「涼斗。」
「貴方の二度目の人生に幸多からんことを祈ります。神ではなく、貴方に自身に。」
序章はこれで終わりです。
女神を口説いた事でハーレムフラグが折れました。




