104話 賛成派の考え
リズたちは現在会議場に向かっていた。
会議場とは言っているが、実際はそんな大層な建物で行うのではなく、少しひらけた場所で石に座ったり、立ったままだったりとするだけなのだが。
結局、ある程度の文明を持ち、家々が立ち並んでいる場所とは違い、自然いっぱいの森のなかで話し合うとなると、先に言ったような場所でしかすることができないのだ。
改めて、自分たちが普段住んでいる場所がどれほど快適かがよくわかる。
しかしまあ、だからと言ってあーだこーだと文句しか言っていても何も始まらないので我慢するしかない状況なのだ。
「では、話し合いを始めましょう。司会は私、フローラがつとめさせていただきます。」
司会進行役に回ってくれたのは、エルフクイーンであるフローラだった。
彼女は物事を冷静に判断できるし、自身の考えが反対派だ賛成派だと言って贔屓するようなこともないと考えた結果だった。
「ではまず、それぞれの意見についてですが、解釈違いや具体的な部分など、何か訂正したい、もしくは付け足したいことなどがあれば言ってくださいな。」
ふわりと柔らかな笑みを顔に浮かべ、彼女は両の立場のものに問いかける。
どちらも一言も発さない。それは果たして、本当に何もいうことがないからなのか、それとも何を言っても誤解される、または無駄だと思ったからなんか、それを知るのは本人たちのみなわけだが。
「どちらも異論はないようですね。ならばさっそく本題に入りましょう。先行はどちらにします?」
「リズたち賛成派からでいい。」
「では賛成派代表、パーム。発言を許可します。」
会議というより裁判でもしているかのような言葉遣いをするフローラを見て、リズは『まるで裁判みたいだな。』と思った。しかし、リズは実際の現場を見たことがないため、あくまでもそう感じただけだった。
「パム。これまで市民たちが虐げられてきたことは確かに悲しいことだし、人によってはとてつもない憎悪の対象になってるかもしれないパム。しかし、彼らにだって構成のチャンスを与えてあげるべきなんじゃないかとも思うパム。生き物は誰しも1度は過ちを犯してしまうパム。それを自分たちだけ持ち上げて相手だけを責めるのは如何なものかと思うパム。」
パームの意見を聞き、会議を聞きにきた幾人かの反対派の人は「うぐっ」っと言葉を詰まらせるが、チェスやレオは納得いかない顔をしている。
とはいえ、大衆の心を掴んだ方が自分に優位な方向へと物事を進める事が出来る。
リズは反対派の人々に納得してもらうため、全力で抵抗することに決めたのだ。




