103話 その後
防衛軍として協力してくれていたものたちにも捕縛を手伝ってもらい、多少の時間をかけながらも敵全員を拘束。
わーぎゃーわーぎゃーと声を上げながら、リズたちは疲れを癒すためにもエルフの森へと向かっていった。
ーーー
「ん〜。冷たくて気持ちいい〜!」
今、リズはエルフの森の奥地にある泉に足をつけていた。
どうやらこの泉には自然治癒力向上の力があるらしく、毎日使っていれば傷もすぐに治るだろうということだった。
戦争で疲れきった人々は皆、エルフの治癒魔法を使い、体に負担をかけない程度に治療を施した。
あとは自然に治るまで待つしかないそうだ。やはり魔法にも制約が多いということを目の当たりにしたリズであった。
先の戦で捕まえた人々は、魔法や素の力を封じる手枷をはめ、食料や飲み物を交代制で運ぶこととなった。
しかし、その結論に至るまでの道は結構大変だったのだ。
まず一緒に行動していたチェスが反対した。
曰く『こんな奴は反省もしなければ後悔もしていないだろう。だから丁重に扱う義理もないんじゃないか?』
それから戦争の際、いっさい手を貸してくれなかったアルフもどこからともなく現れて『なに?首班を捕まえただと?俺にとどめを刺させろ!人間は皆俺が手にかけてやる!!』だと、その場にいた市民たち皆を怯えさせるような口調と声色で言ってきた。
まあ、アルフに関してはニックが催眠魔法を使い静かにさせてくれたため、特にこれといって暴力沙汰などが起こらなかっただけ良しとするしかなかったのだが。
他にも、救出作戦の際助けた市民の多くが、特権階級の人々を生かすことに反対していたが、そこはラタムが抑えてくれたため、どうにかなった。
なんとかなったとはいえ、やはり反対派にも色々と思うところがあるようで、このままでは仲間同士で対立してしまうかもしれないため、3日後に意見交換と称して会議を開くこととなった。
リズは捕まえた人々を生かし、しっかりと反省してもらう方の代表格として、会議に出ることが決まっていた。
対して、リズたちの意見に反対する方の代表格は、チェスが参加することとなったらしい。
いつかあった大げんかのことを思い出し、リズは気が進まないと思いながらも、きっと自分の意見に賛同してくれるはずだ。
話し合えばわかってくれるはずだと信じ、今は知り合いや自分の母親など、身内の心の傷を治すために東奔西走……とまではいかないが、比較的忙しく、その間にチェスやレオと会うことはなかった。
代わりに、オスマンやソレイユと会うことが増えた気がする。
ソレイユは心の底から安心しきったように家族と笑っているところをよく見かける。
対してオスマンはと言えば、なんだか落ち着きがない、そわそわしているというか、焦燥感に駆られているというか、まあ不安ごとがあるように見えたのだ。
リズは一度、何か辛いことがあったなら相談に乗ると言ったが、オスマンは気にしないでくれと言って引き下がらなかった。
いつかきっと彼の方から相談してくれるあろうと思い、リズはその場を後にした。
それから3日後、ついに会議の日が訪れた。




