101話 終戦
あまりにも一瞬のことだったので、リズは拍子抜けしてしまった。
しかし次の瞬間、リズはハッとすると、パームたち神獣の元に駆け寄って、何が合ったのか聞くことにした。
「パーム!一体何が起きたの?」
「パム〜。」
パームはリズの質問に答えるよりも早く、リズの胸元に飛び込んできた。
声からして、魔力を使い切って疲れたのだろう。
自分達を守るためにも力を使ってくれたため、自分の質問に答えなかったことだけを責めることもできない。
リズは困ったような顔をしながら笑い、まるで子供でもあやすかのようにパームをなで始めた。
パームは安心しきったような、緩んだ笑顔を浮かべ、もっとなでてと言わんばかりにリズの手に自身の頭を押し付けてきた。
「おや?パームはこんなに甘えん坊だったっけ?」
「こんなもんじゃろ。昔から此奴は甘え上手だったと思うぞ?」
サイネリアとラタムがパームを茶化すが、パームはそんな言葉一ミリも聞こえていないようで、2人のことを見ようともしない。
神獣というより、普通の子犬のように見える。まあ、こんなことを本人に言ったらプンスコ怒ってくるのだろうが。
「しばらくの間無効化したとはいえ、いつかは敵も目覚めるんだから、今のうちに捕縛するよ。」
「はぁ、ちょっと疲れちゃった。」
「ボクこの後の仕事はパスで〜。」
「私も疲れたわ。あぁもう!せめて事前連絡くらい入れてほしい者だわ!……流石に今回の場合は許したげるけど。」
「誰も聞いてないのかい?!」
ニックが声がけをするも、まだサイネリアとラタムはパームを茶化すし、パームはパームでリズに甘えているし、ルフィナ、ライサ、ベルは疲れた疲れたと、動こうとしない。
そんな彼ら彼女らに対し、ニックはいつものように困った顔をするのだ。
「ほら行くよ!」
「えぇ〜?だからボクはパスだって〜。これ以上動けないよ〜!」
「あぁ〜妾まで引きずられてるではないか。ほれライサ、汝がニックの言葉を聞かんからじゃぞ。」
「うーん。引きずられるのも嫌だし、行こうか。」
「こらライサ!君、そのままニックに連れてって貰う気でしょ!」
「私まで行くの?あぁ!ニック!こっちを睨まないでちょうだい!行けばいいんでしょ?!」
神獣たちはいつの間にか人間の姿に変身しており、ニックはラタムとライサを引きずりながら、気絶したものが大量にいる場所に向かっていく。
それを見た残りの者たちが愚痴を言いながらも歩いて行った。
リズたちはそんな彼らの背中を見ながら、変身する時にも魔力は消費するとか行っていたような……大丈夫かな?と、ちょっと的外れな心配をしていた。




