第十六話 声
イツ・キはあたりに気を巡らせた。
『場』の中心を見つけなければならない。
どんどん奥へ入って行った。
分かれ道があるが、迷うことなく進んでいく。
「あった」
イツ・キは開けた場所に出た。
そこには『気』の塊がある。
『負の力』そのものが。
見上げるほど大きく、近くに居るだけで体が汚染されてしまいそうだ。
イツ・キは自身に結界を張り、その影響は受けていない。
一瞬後ろを見た。
『闇』の相手をするのは隊の人間は初めてだ。
だから少し、そう、少しだけ心配なのだ。
振り切るように首を振ると、目の前の『場』のみに意識を集中した。
『闇』には『光』、『場』にもまた『光』。
イツ・キは力の込めた飾りを崩し、『気』の塊の周りに配置していった。
「『光よここに闇を留めん』」
力を込めた言葉を紡いだ。
辺りは光で満たされた。
眩しい程ではない。
だが、今まで全く光が差すことが無かった空間にやさしい光が満ちたのだ。
この光によって簡単だが結界が出来た。
たとえ『闇』が戻ってきたとしても、簡単に手は出せないし『場』もこの場所に固定される。
これで『闇』を気にすることなく『気』に集中できる。
イツ・キは『気』の中に入って行った。
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「『光』よ」
『闇』の動きはある程度制限できているとはいえ、かなり手ごわい相手だ。
『光』の『気』を放てば効果はあるが、『暗』の『気』を使ってしまうと吸収され、『闇』の力が強まってしまう。
一度やってしまうと、それは学習するので『暗』の力はその一度でみんなが封印した。
「核がどこかに見えるはずだ!探せ!」
学校で学んだ『闇』への知識を総動員し戦っている。
「見えました。本体前方」
一人が見つけた。
その声で集中して見ると、確かにある。
今まで見えていなかった『闇』の核が。
「よし、一点集中!」
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イツ・キは『場』の中に入ると、周りに結界を張り力を込めた言葉を紡ぎ続けた。
『場』に攻撃能力は無い。
ただ、守りが強いだけ。
その守りは強固だ。
しかし、中に入ってしまえば守りは外側より弱くなる。
中に入ることも、もちろん難しい。
しかし、イツ・キは何度も『場』『闇』に出会ったことがある。
その経験がイツ・キを助けてくれる。
イツ・キは再び言葉を紡ぎ始めた。
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『闇』の守りは強固だ。
それを破り『核』を壊すには、タイミングと力のバランスが取れなくてはならない。
その知識を知ってはいるが、実際にやるとなると分からないのだ。
だから、集中して攻撃をするしかない。
「いくぞ」
攻撃は続けられていた。
しかし、決定打がまだだ。
みんな、焦り始めていた。
『合わせて』
「え…」
声が頭の中に響いた。
「イツ・キ様…」
『全員無事のようね』
イツ・キの声が全員の頭の中で聞こえた。
「なぜ…」
『あなた達全員に会ったとき、『術』を施した。有事の時繋がるように』
最初イツ・キは全員と会った。
本来なら、そこのまとめ役に会うだけでいい。
しかし、イツ・キは全員と会った。
それは、もしもの時のために…。
『『場』と『闇』の核を同時に壊します。タイミングを合わせて』
「それで…」
『力のバランスは私がとります』
タイミングとは、攻撃が『核』に届く瞬間。
バランスとは、攻撃の強さ。
つまり、同時に同等の強さの力で『核』を壊さなければ『闇』も『場』も消すことは出来ない。
「はい」
『では、『核』に狙いを定めて』
イツ・キの声に反応して、それぞれが狙いを定めた。
その間にも、『闇』の攻撃は続いている。
それを何とかかわしつつ、攻撃態勢を整えた。
『はじめます』
「はい」
『闇』を取り囲み、先ほどまで何度もやっていた『核』への攻撃を皆が同時に放った。
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イツ・キは『核』の中で言葉を紡ぎ続けていた。
(準備は整った)
イツ・キは顔を上げた。
言葉の紡ぎは終わり、後は最終段階にいくだけ。
しかし、それはイツ・キ一人では出来ない。
だから、イツ・キは口を使わない心の声を出した。
『合わせて』
なんだかグダッテきました・・・
すいません。でも、お話は終わらせます。。。お付き合い下さい。




