第十五話 始まり
やっとここまで書けたのでUPします。
「日が暮れたな」
男が言った。
「はい」
女はその後ろに控えるように居た。
「皆は?」
「既に、配置についています。罠の設置は終了しています」
「そうか。我々も行こう」
「はい」
二人は連れ立って歩き出した。
「『闇』の反応が!」
暗闇の中人々が警戒しているとピーと」、笛の音と声が聞こえた。
「その方面に警戒を!範囲を狭めていく。取り囲め!」
その近くに居た数人居るまとめ役の一人が反応した。
「はい」
「迂闊に手を出すな」
「承知!」
「予定の範囲で取り囲めました」
「よし!輝の網、用意!」
「準備出来ました」
「タイミングを合わせる」
「奴の触手に注意せよ」
「包囲網さらに狭めよ」
さらに、あちらこちらで作戦通りに動く人の声と気配があった。
「はい」
「放て!」
その言葉を合図に、準備していた数人が輝の網を『闇』に向って放った。
「力を込めよ。動きを封じるのだ」
「はい」
『闇』は輝が巻きついた途端、ゆっくりと移動していたのが暴れだした。
「裂かれます!」
しばらくの間、輝と『闇』の攻防が続いたが、とうとう『闇』の力が勝ってきた。
「ちっ!今の状態で網を固定せよ!」
これ以上の拘束力が望めないとわかると、輝の網をその場につなぎとめた。
数人は輝の網を、固定するためにその場から動けなくなる。
しかし、それでいい。
完全に動きを封じることは出来ないが、動きを制限することには成功した。
「網の固定は持続せよ!残った者は同時に攻撃を仕掛ける。なるべく近づけ!」
指示を出す声がどこからか聞こえた。
「『陣』を創る。『力』をだせ」
「了解」
また、数人が動いた。
数人は『闇』を中心に一定の距離を保ちながら『力』のこもっている飾りを突き立てていった。
それはたとえ輝の網が裂かれようとも、行動範囲を一定の範囲内に留めるものだ。
『闇』には『光』を彼らが使う『力』は光に満ちている。
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「始まった…」
遠い空に光が見えた。
イツ・キは悟った。
ここから出て行った『闇』が隊の人間に見つかったことを。
(仕掛けは役立った…)
イツ・キはどこかホッとした様子だ。
『闇』は自由だ。
たとえ『場』を見つけられてもどこに行くかは誰にも、恐らく『闇』自身にもわからない。
今まで『闇』が村の近くで何度も目撃されていたのは、『魔物』の毛皮をまとっていたからだろう。
最初『闇』は『魔物』に寄生していたのだろう。
『闇』に心は無い。
あるのは本能のみ。
自由に移動し、自由に人を生き物を襲いその『負の心』『生命力』を奪う。
そして、帰巣本能。
時にもっと居心地のいい場所に変更することがあるが、『闇』は一定の時間行動すると生まれた場所に帰る。
『闇』は襲う過程で気に入った『気』を持つ生き物に出会うと、寄生する。
今回の『闇』は、それだ。
寄生し、『気』と肉体までも喰ってしまったのだ。
そして、毛皮をまとった。
それにどんな意味があるのかは、解らない。
しかし、稀にある。
そして、なぜかは解らないがそういった『闇』は集落を襲う。
『闇』は『闇』。
たとえ毛皮をまとっていようとも、行動を予測することは難しい。
だから、イツ・キは仕掛けをした。
『闇』を罠のほうへ誘い込む仕掛けを。
それが役に立った。
イツ・キはその結果に満足した。
イツ・キはイツ・キの役目を果たす。
『闇』が罠にかかったので、それに集中できる。
イツ・キの役目は『場』を壊すこと。
『場』には『闇』の本体がある。
どんなに表にいる『闇』を倒しても、『場』の本体を壊さない限り何度でも蘇ってくる。
そのため『闇』は『場』に何かあると戻ってくる。
イツ・キにとって『闇』と『場』それぞれ別々ならそれほど対処に困らないが、いっぺんに来ると少し困ったことになる。
だから、隊の人間が『闇』の相手をしている間に『場』を壊す。
それが、今回イツ・キの役目だ。
イツ・キは『場』の中へ入って行った。
続きがんばります…




