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The、スター。  作者: caem
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12/14

ゴドバ。


 惑星『ゴドバ』。

 惑星『ルノウ』。

 惑星『ゼアル』。


 その三惑星の代表が集っていた。

 何年かに、一度開催されていた。


「楽しみですなあ」 「ワクワクしますね」



「今年こそは我がチームが!」


 それは、銀河最強を決めるレースだった。

 今年は、惑星『ゼアル』で開催されていた。

 さまざまな宇宙船が、そこに並んでいた。


「うわはははは! 今回は負けないぜ!!」


 昨年は、準優勝だったチーム『グラナド』。

 そのリーダー、月兎族のラビッツ(・・・・)は張り切っていた。

 いつにもなく、愛嬌を振り撒いていた。


「いやいや、グラナドなんて気にするなよ?」


 チューンナップは完璧だった。

 いままでは、三位に甘んじていたが。

 確実に、トップをとれる。

 海亀族のリーダー、バダルは仲間にそう言った。


「まあ、負けても、ちょっとはもらえるかもね」


 エントリーは自由だった。

 初参加のチーム。『スターズ』は素人ばかりで。

 ただ、参加することに意義があった。


「さあ、もうすぐ始まります……」


 5、4、3、2、1、0。

 盛大なファンファーレが鳴り響くなか。

 レースか始まりを告げた。


「さあ、まずは……」


 スタートには自信があった。

 チーム『赤兎馬』。

 改良を重ねた宇宙船は、加速していく。

 馬人で構成されていた宇宙船は、差を開いて。

 先頭にたっていた。



「このまま逃げ切ってやるぜ!」

 


 そんなに甘くはなかった。

 レースには、罠が仕掛けられていた。

 馬にとって、美味しそうなエサがあった。

 ニンジン──、最高級のニンジンがあった。


「あ~っと、ここで『赤兎馬』が止まりました!」



「とりあえず、抜けたぜ」


 『グラナド』は一歩前進した。

 『赤兎馬』を引き離した。

 ただ、まだ油断は出来なかった。

 あとは、独走するだけだったのに。

 なぜか『スターズ』が食らいついていた。


「えっほ、えっほ、えっほ、えっほ、えっほ」



 今年こそは優勝できると思っていたのに。

 チーム『グラナド』の全員が焦っていた。

 亀が兎に勝てるはずはない。

 そう──、『スターズ』は亀族(タートルズ)だったのだ。


「さあ、今年もやりますか」



 それはいわゆる、凡庸な宇宙船だった。

 じつは、毎年エントリーしていた。

 ただ、ブービー賞さえもらえなかった。

 だが、見事に罠を回避していく。


「くらえっ!」


 ガナナという果実の皮は、じつに厄介だった。

 当たれば即座に、麻痺してしまう。


「あらよっと」


 それを容易く、『スターズ』は飛び越えていった。

 


「なら、つぎは……」


 そのレースは、ルールが甘かった。

 ガナナという果実の皮より、爆弾が放たれた。

 その威力は、スタート地点に戻るという。


「あらよっと」


 それすら、『スターズ』は気軽に躱していた。

 

「ああ~っと! ここで順位は変わりました!!」


 観客は、騒いでいる。

 まさかの、大判狂わせに。

 『スターズ』に賭けた貧乏人たちは。


「いけー! そのままいけー!!」


 そして、『グラナド』は負けた。

 来年こそは、奴らに勝ちたい。

 ただ、『スターズ』は全員がスターだった。


 負けない勝負は絶対にしない。

 来年は、参加しないかもしれない。

 それほど、勝てないギャンブルはしない。


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