ゴドバ。
惑星『ゴドバ』。
惑星『ルノウ』。
惑星『ゼアル』。
その三惑星の代表が集っていた。
何年かに、一度開催されていた。
「楽しみですなあ」 「ワクワクしますね」
「今年こそは我がチームが!」
それは、銀河最強を決めるレースだった。
今年は、惑星『ゼアル』で開催されていた。
さまざまな宇宙船が、そこに並んでいた。
「うわはははは! 今回は負けないぜ!!」
昨年は、準優勝だったチーム『グラナド』。
そのリーダー、月兎族のラビッツは張り切っていた。
いつにもなく、愛嬌を振り撒いていた。
「いやいや、グラナドなんて気にするなよ?」
チューンナップは完璧だった。
いままでは、三位に甘んじていたが。
確実に、トップをとれる。
海亀族のリーダー、バダルは仲間にそう言った。
「まあ、負けても、ちょっとはもらえるかもね」
エントリーは自由だった。
初参加のチーム。『スターズ』は素人ばかりで。
ただ、参加することに意義があった。
「さあ、もうすぐ始まります……」
5、4、3、2、1、0。
盛大なファンファーレが鳴り響くなか。
レースか始まりを告げた。
「さあ、まずは……」
スタートには自信があった。
チーム『赤兎馬』。
改良を重ねた宇宙船は、加速していく。
馬人で構成されていた宇宙船は、差を開いて。
先頭にたっていた。
「このまま逃げ切ってやるぜ!」
そんなに甘くはなかった。
レースには、罠が仕掛けられていた。
馬にとって、美味しそうなエサがあった。
ニンジン──、最高級のニンジンがあった。
「あ~っと、ここで『赤兎馬』が止まりました!」
「とりあえず、抜けたぜ」
『グラナド』は一歩前進した。
『赤兎馬』を引き離した。
ただ、まだ油断は出来なかった。
あとは、独走するだけだったのに。
なぜか『スターズ』が食らいついていた。
「えっほ、えっほ、えっほ、えっほ、えっほ」
今年こそは優勝できると思っていたのに。
チーム『グラナド』の全員が焦っていた。
亀が兎に勝てるはずはない。
そう──、『スターズ』は亀族だったのだ。
「さあ、今年もやりますか」
それはいわゆる、凡庸な宇宙船だった。
じつは、毎年エントリーしていた。
ただ、ブービー賞さえもらえなかった。
だが、見事に罠を回避していく。
「くらえっ!」
ガナナという果実の皮は、じつに厄介だった。
当たれば即座に、麻痺してしまう。
「あらよっと」
それを容易く、『スターズ』は飛び越えていった。
「なら、つぎは……」
そのレースは、ルールが甘かった。
ガナナという果実の皮より、爆弾が放たれた。
その威力は、スタート地点に戻るという。
「あらよっと」
それすら、『スターズ』は気軽に躱していた。
「ああ~っと! ここで順位は変わりました!!」
観客は、騒いでいる。
まさかの、大判狂わせに。
『スターズ』に賭けた貧乏人たちは。
「いけー! そのままいけー!!」
そして、『グラナド』は負けた。
来年こそは、奴らに勝ちたい。
ただ、『スターズ』は全員がスターだった。
負けない勝負は絶対にしない。
来年は、参加しないかもしれない。
それほど、勝てないギャンブルはしない。




