表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気がついたらラミアに(なろう改訂版)  作者: 並矢 美樹
ラミアの捕虜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/104

58. ラミアの弓

 友たちの食事作りも、まだ同じ様なモノを毎日作っている訳で、ナーリアたちもやるべき事を覚え、すぐにテキパキと物事をこなす様になってくれた。

 そんな訳で少しすることに余裕もでき、ここのところ突発的出来事ばかりで忙しかったので、ゆっくりすることとなった。


 こんな日もないとね。 ま、食事は作ったけど。


 僕はサーブに疑問に思っていた事を聞いてみた。

 「ねぇ、いつも外に行く時には弓を背負って行くけど、使ったところを見たことないんだけど」


 「ああ、弓は・・・・。

  ま、もう今更だな。 アレクに何をしゃべってももう何も言われないだろう」


 盛大な失敗をしたサーブは一応気にしたらしい。


 「ラミアは弓矢は実はほとんど使わないんだ。

  使うのは、ゴブとの戦いの時に威嚇に使うくらいかもしれない。

  だいたい矢は作るのに手間がかかるのに、使い捨てだからな。 割に合わないだろ」


 「ま、使い捨てで割に合わないと言えば、そうだけど」


 弓矢が主要武器である人間としては、なんとなく納得できない様な。


 「矢を見せてもらってもいい?」


 サーブは矢筒から矢を一本引き抜き、僕に貸してくれた。


 えっ、ちゃちい。

 矢は木を整形し、石の鏃がつき、羽は一枚を挟んで留めただけのモノだ。

 それに長さも短い。


 矢を返し、弓も見せてもらう。


 こっちも、しなりに強い木をただ整形して、弦を張っただけのモノだ。

 うーん、これで実用の役に立つのかな。


 まあ、最も原始的に近い弓矢ってこういうものだよね。


 話の勢いで

 「弓を射るのを見せてよ。 せっかくだから見てみたい」


 「それはダメだ。 射ったら、矢を一本ダメにしちゃうから、面倒すぎる」


 「ダメにならなければ、良いの?

  それにさ、もう少しマシな矢を僕が作ってやるよ」


 「アレクは矢が作れるのか?」


 「僕のことなんだと思っているんだよ。 狩人だぜ。

  人間の狩人は弓矢が使えないと成れないんだよ」


 「そんなものなのか」


 僕は家の作業場に戻ると、まだまだたくさんある藁で、一抱えほどの太い束を作った。

 そして木の棒を縄でくくり簡単な台を作って、その上に藁束を乗せた。


 「ほら、サーブ、これが的なら、矢はダメにならないだろ」


 「本当に大丈夫か?」

 サーブはすぐ近くから、恐る恐る軽く射ってみた。

 「本当だ。 ダメになっていない」


 サーブは徐々に離れては射ってみている。

 それを見たみんながやって来て、「私もやる」と言って次々と順番に射って遊び出した。


 「これ、良い。 弓の練習がずっとできる」

 レンスが評価してくれた。


 「で、アレク、もう少しまともな矢を作ってくれるっていうのは、どうなるんだ?」

 サーブが聞いてきた。


 「うん、ちょっと疑問なんだけど、なんでみんな木で作った矢なの。

  そこら中にちょうど良い矢竹があるじゃん」


 「竹はダメだろう。 どうしても反りがあるから、矢がマトモに飛ばないだろ」


 「いや、火で炙って反りを直せば、木よりずっと簡単に良い矢が出来るだろ。

  あ、そうか、火で炙って反りを直すということがなかったから、ないのか」


 「何それ、興味ある」

 セカンが食いついてきた。


 「他にももう少し良くなるところがあるけど、今は羽がないから、矢は作れないな」


 「鳥を狩に行こう」

 セカン、随分積極的だなぁ。


 「そこらへんは他との兼ね合いがあるよね、ナーリア」


 「そうね、でも私も興味あるから、なるべく早く鳥を獲りに行きましょう」

 あ、ナーリアも興味あるのね。

 みんなも、うなづいている。



 「ところで、みんななんでそういう射方なの?

  それじゃ、距離が出ないんじゃない」


 僕はラミアの弓の射方が変に思えた。

 弦を弓を持つ腕の付け根までしか引かないのだ。


 「なんでって、弓ってこうして射るものでしょ」と、ディフィー。


 え、そうなの。


 僕は横に居たセカンに「ちょっと貸して」と言って、弓を借り、自分が弓を撃つ形をして見せようとした。


 「僕はここまで引いて、矢を射るよ」

 何も考えずに、ついっと弦を引いた。


 バキッ、セカンの弓が折れた。


 その瞬間、沈黙が支配した。


 「セカン、ごめん。 僕が弓を作るから許して」


 「良い物。 折ったこれより良い物を作って」


 「任せろ。 弓の作り方は学校で習ったし、研究もした。

  これよりずっと良い物を作れる自信がある。

  絶対喜んでもらえる物作るから」


 「分かった。 出来るのを待ってるから」


 良かった。 とりあえず許してもらえた。

 セカンさん、ちょっとマジ怒りみたいで、かなり怖かったです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ