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気がついたらラミアに(なろう改訂版)  作者: 並矢 美樹
ラミアの捕虜

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57. 食事作りの日常

 僕らはそれから3日間、同じ山芋のスープを徐々に濃度を上げながら作った。

 雨が一日あったが、その日も作りラーリア様たちに届けた。


 今日になってやっと僕が美味しいと感じる、一番最初に作ってナーリアと味見したスープになった。

 友たちは、ほんの少しだけ元気になり、ラミア二人に抱えられる様にして出てきていたのが、一人に肩を貸してもらってヨロヨロ歩いて出てくるまでになった。

 でもまだ先は長いだろう。


 流石に山芋のスープは飽きてきただろうと思い、次のメニューを作ることにする。

 命の実の殻を剥いたモノを木鉢に入れて、棒で突く。

 もちろん面倒な作業なので、ナーリアたちにも順番でやってもらう。

 一人でやるのは大変過ぎるからね。


 その作業を一人がしつつ、もちろん別のこともする。


 この3日間にも色々なことをした。


  僕は一つ思いついたことがあった。

 寝るのに使ったりしている部屋なのだが、竃があるからその床より一段上がっているのは普通だと思うのだが、周りが全部縁になっていて、ほんの少し段をつけてあるのだ。

 なんて言えばわかりやすいのか、周りに縁取りがあってそこがちょっと高くなっているというか、中側が凹んでいるというのか。

 僕は、大量に残っている藁で、その縁の段差の高さになるように束を作った。

 それを部屋に敷き詰めていき、平らにするため、束にしていない藁もその上に重ねて、そうして毛皮を敷いてみた。

 実に快適な床の部屋になった。


 「何これ、最高。 気持ちいい」

 「命の実の茎にこんな使い方があるんだな」

 「もう他のところには行けない」


 ナーリアたち大絶賛でした。

 石の板をモルタルで繋げた様な床だったからさ、毛皮敷いていてもやっぱり堅かったんだよね。


 藁が大量にまだあるから、藁縄作りも教えた。

 藁を叩いて柔らかくして、それを撚って紐を作る。 それを何本か撚り纏めて縄にする。

 薪を集めるのに使うことにした。 ツタよりずっと使い勝手が良い。

 もちろん藁は焚き付けにも使う。


 他の物も作った。

 編むことに突出したサーブに竹でちり取りの大きいものを作ってもらった。

 僕は竹を極薄く切ったモノを骨組みで支えるという団扇を作ってみたのだが、これは改善の余地ありだ。

 これならサーブに団扇の形も編んでもらった方が良い気がする。

 でもまあ、これらを使えば、口で吹いてる選り分けるより、余程効率がいい。


 他の四人にも竹での工作を頼む。

 平らな、隙間がスカスカのザルの様なモノを作ってもらう。

 採ってきた火種草をそれで挟んで干すのだ。 石を置くより余程効率が良い。

 乾き切らなければ、それごと夜や日の出ない時は屋根のあるところに入れれば良い。 少なくなってきた火種草の補充が楽になった。


 まあ、だいたいこんな感じだ。

 今のことに戻ろう。 僕はみんなにその棒で突いたり、他の細々としたことを任せて、真剣に命の実がこぼれない程度の隙間のザルを作っていた。


 命の実を棒で突いて何の意味があるの、という感じで面倒臭そうにその作業をしてたナーリアたちだが、鉢の底に粉や、薄い皮の様な物のが溜まる様になって、目的を理解した様だ。


 「命の実って、まだ薄い皮があったのね」


 「うん、それを取ってやった方が、体が弱っている人間には良いんだ」


 「へーっ、なかなか大変ね」

 ディフィーが興味を示した。


 僕は鉢の中身を掬って作ったザルに入れ、ザルを揺すった。

 ザルから粉や薄皮は零れ、ザルの中には薄皮と少し身も削られたきれいな実が残った。


 「なるほど、それで目の少し荒いザルを作っていたのね」


 僕はザルに残った中身を鍋に入れて、多めの水に浸しておいた。

 粉と薄皮も捨てずに集めているのをディフィーが見ていたが、僕は

 「これも使うけど、使い方はちょっと内緒。」と誤魔化した。


 夕方になって自分の分の命の実を煮る時に、大鍋も火にかけた。

 今度はセカンが声をかけてきた。

 「その大鍋は明日の為のモノじゃないの。 何で今から煮てるの?」


 「うん、明日の為なんだけど、これは長く煮て、柔らかくしたいんだよ」

 僕はそう言って、自分の鍋が煮えると、燃えている薪の多くは灰に入れて消し、残った少しの火種に、大量の命の実の殻を積み上げた。


 セカンが何をしているのかと目で問うので説明した。

 「こうしとくと、殻がジワジワと燃えて、小さな火が長く着いていることになって、鍋が長い時間弱い火で煮えることになるんだ」


 「殻はこういう使い方もあるのね」


 朝見てみると、竃の中の殻は真っ白の灰になっていたが、竃はまだほんのりと暖かかった。

 鍋の中身はトロトロに煮えていた。

 その日の昼はそれに塩で薄く味をつけて出した。


 それからは、身体に良いという薬草を加えたり、香草を加えたり、肉のスープを加えたり、濃度を変えていったりと、手を変え品を変え、毎日の食事を作った。

 10日近くそんなことをしていたら、そのうちに徐々に友たちの体調も上がってきて、ボブ以外も僕に話かける様になってきた。

 まだラミアの肩を借りて外に出てくるから、まだまだだけどね。


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