表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気がついたらラミアに(なろう改訂版)  作者: 並矢 美樹
ラミアの捕虜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/104

42. 豆と大鍋と

 「さて、今日の午後はどうするの?」


 残ったミーリア様が聞いてくるが、まだ何の方針もない。


 「ミーリア様、荷車はどこで貸してもらえるのですか?」

 僕はとりあえず、さっきの失敗を繰り返さないために努力しようとした。


 「荷車はイクス様に話を通せばすぐに手配してくれるでしょう。

  それでは私が、今日の報告もかねてイクス様の元に行き、手配してもらいましょう。

  少し後で取りに来るように。

  その間に今日どうするかを考えておきなさい」


 さすがミーリア様である、僕たちの空気をしっかり読んでの対応です。


 苦笑した顔をしてサーブが言う、

 「で、これからどうする?

  人間用の食材を求めて、また森に入るか?」


 「荷車を手配してもらえたなら、一度家に戻らないとならないわよね。

  それなら夕の食べ物ももらっておいた方がいいんじゃないかしら」

 ディフィーが提案した。


 「そう言えば、食べ物って、どこでもらうの?

  いつももらってくる物以外にも、ラミア独特の物とかあるのかな」


 「いつものカウンターの部屋の、違う方のカウンター。

  食べ物はアレクが食べれそうなものを選んでいたから、他にもある。

  でもこの時期は果物が豊富だから、それが主なのは変わらない」

 セカンが答えてくれた。


 へー、カウンターもう一つ有ったんだ。

 イクス様の居るところばかり気になっていたから、全く目に入ってなかったよ。

 関係なかったというのもあるけど、誰か居たことあったかな。 そっちのカウンターが使われる時間に行ってないだけかもしれないけど。


 「それじゃあ、荷車もらうついでに食べ物も見せてもらおうかな。

  もしかすると、ここでは大きな声では言えないけど、火を使えば人間も食べれるモノがあるかもしれない。

  そして家に戻ってから、もう一度考えよう」

 それで良いかな、という感じでナーリアを見た。


 「うん、とりあえずはそれで。

  ミーリア様も何か考えがあるのかもしれないし」

 ナーリアがそう言って話をまとめて、僕たちはカウンターの部屋に向かった。


 カウンターの部屋にはイクス様とミーリア様しかいなかった。

 何か話していたみたいだが、こだわることなく僕らに対した。


 「あら、意外に早かったじゃない。 これからすること決まった? 」


 「いえ、アレクがラミアの食べ物で使えるものがないか知りたいというので、先に夕食を貰いがてらと思ったのですが」


 「あら、ごめんなさい。

  そっちのカウンターの()に、荷車持ってくるの頼んじゃったのよ。

  私が食べ物も見てあげるわ」


 イクス様はカウンターを移動して、食べ物用のカウンターに来て、食べ物を後ろの棚やら、奥の部屋からやら、カウンターの上に並べてくれた。


 「今の時期は果物が主で、あまり変わったものはないわねぇ」


 僕はその中からまだ少し小さい豆の鞘を見つけた。

 「豆もあるんですね」


 「ああ、それは採りなれない若い娘がまだ早いのに採って来ちゃったのね」


 「これ、もっとありますか?」


 「ごめんなさい。元々大した量ではなかったし、採って来た娘たちが責任感じてほとんど自分で消費するって持ってっちゃたの」


 うーん、残念、思い浮かんだのに。

 「あ、でも、これのちゃんと実ったヤツの乾いているのなら結構あるよ。

  ラミアではダメだけど、人間ならどうにかなるんじゃない。

  本来は植え付け用だったんだけど、忘れられちゃった物なんだけど」


 「それください」 僕は少し勢い込んで言った。


 「殻ついたままだけど、大丈夫?」


 「はい、構いません、大丈夫です」


 イクス様は奥から大きな袋を抱えて来てくれた。

 よし、ラッキーと思って、気がついた、鍋がない。

 僕がリュックに入れていたのは、本当に小さな物、とても人数分の調理に使えるものではない。 どうしよう。


 「イクス様、大きな鍋なんて無いですよね」


 イクス様はちょっと考え込まれたが、

 「たぶんあるよ。 でも探さないといけないから、ここに人がいなくなるのは・・・・。

  あ、戻って来たね。

  それじゃあ、ちょっとここであなたたちは待っていてね。

  ミーリア様、ちょっと私に付き合って、手伝ってちょうだい」


 「私ですか?」

 急に声を掛けられたミーリア様が驚きながらイクス様に付いて部屋を出て行った。


 荷車を持って来たこの食べ物カウンターの本来の係は、イクス様のあとを追っていくミーリア様を見て、不思議そうな顔をしていた。


 「どうもありがとうございます。 その荷車、私たちが使わせてもらうんです」

 ナーリアが係に声を掛けた。


 「それで今、食べ物を見せていただいて、この大きな袋と、あと今日の夕食と明日の朝用に食べ物をいただいていきますね」


 ナーリアが適当に選ぶのを、みんなで荷車に積んでいく、僕は大きな袋を積み込む。

 僕が興味を示したからか、さっきの少し小さい豆の鞘もちゃっかり積まれている。

 サーブがさっき使った大きな鉢も積んでいる。


 「カウンターを散らかしちゃって、すみません。

  私たちミーリア様に言われて、まだ待っていないといけないので、片付けお手伝いしましょうか」


 「いえ、それが私の仕事ですから、大丈夫。

  気遣いありがとう」

 食べ物担当のカウンターの係は機嫌良く対応してくれた。


 すごいなあ、ナーリアって社交がちゃんとできるんだ、と苦手な僕は思った。


 そんなに待たず、イクス様とミーリア様はそれぞれに大きな鍋を抱えて戻って来た。


 「どう、アレクくん、これでいいでしょ」

 「はい、十分です。」


 どことなく埃が積もっていて、古い感じの鍋だが大きさは十分だった。


 「はい、それじゃあ、まずはこの鍋を荷車に積んで、持って行くわよ」

 ミーリア様が食べ物の係の目を気にしてか、威厳を見せる感じで僕たちに命令した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ