40. ラミアの芋掘りと
早く起きて、山芋を掘りに行くということだったが、起きたのは僕が一番最後だった。
それも起きたというより、起こされた。
目覚める時、下半身の違和感、いやはっきり言えば快感で意識が覚醒し始めて、完全に覚醒した瞬間にレンスに放出しちゃっていた。
家にいる時は、違うな、外で仕事をしている時以外は基本裸にされてしまうし、夜は手足それぞれに誰かが抱きついていたりするから、朝の生理現象を隠しようもないんだよ。 それに何だか朝晩の2度放出させられるのが、だんだん習慣になっきてしまったような気がする。
それにしてもレンス、何故にガッツポーズ? 昨日の朝、ナーリアも小さくしてた様な・・・。
「そのまま水場に行って、顔と身体を洗ってこい。
うん、いいなぁ、周りの目を気にしないで済むから、自由に動ける」
サーブがなんだかしみじみとしてる。
僕は裸のまま水場に行き、顔と身体を洗い、身体についたみんなの匂いを落とした。
寝る時に、手が挟まれ、足に擦り付けられ、でも膝枕はしてもらえるというのが、段々定番の寝方になってきた気がする。 つまりはみんなの匂いが僕の身体にも付着してしまうのは、もう仕方ない。
身体を拭くのに昨日自分たちで干しておいた布で拭く。
集落では身体を拭いた布は指定の場所に重ねておく。 すると係が回収し、洗濯して干して収納しておいてくれた。
ここでは当たり前だが自分たちでしなければならないので、ある意味仕事が増えた。
昨日もらってきておいた食料で簡単に朝食をとり、支度をして僕たちは芋掘りへと向かう。
今日からは僕もナイフを装備しているので、途中で適当なツタを切って、簡単な罠を作りながら、前に掘った場所を目指していく。
きっとその近くには、まだまだ山芋はあると思うからだ。
歩きながら作った罠を適当な場所に設置しながら目的地を目指す。
前に掘った場所の近くを探したら、簡単に山芋は見つかった。
とはいえ、一番簡単に掘ることができる場所は前に掘ってしまった訳だから、今日は掘るのに時間がかかることを僕は覚悟していた。
落ちている適当な木の枝で芋を掘ろうとしていると、サーブが
「これの根を傷つけない様に掘ればいいのか?」
と聞いてきた。
「そうなんだ。 掘るのがなかなか大変なんだ。」
と僕が答えていると、猛然と掘り出した。
え、ラミアって尻尾の先を使って土を掘るの?
あっという間に一本掘り上げてしまった。
「これでいいのか?」
僕はあっけにとられてしまった。
それに驚いているうちに、ディフィーが次々と山芋の蔓を見つけ、
「あそこにある。 そこにもある」
と指示を出し、芋を掘らしている。
あれよあれよという間に、かなり大きな芋が6本にもなってしまった。
「みんな止まれ。 もう大丈夫、十分必要な量は採れたから」
僕は掘った芋の蔓につながる部分を少し残して切り離し、その蔓に繋がった部分は地面に埋め戻した。
「何をしてるの?」
セカンが聞いてきた。
「こうしておくと、来年また採れるのさ。 まあ、腐ってダメになっちゃうのもあるけどね」
「ふーん、なかなか考えた行動なのね」
「それにしても、みんな掘るのが上手いんでびっくりだよ」
「あら、教えたじゃない。 小さいラミアの一番最初の仕事は窓のためのトンネル掘りと、その穴の壁塗りだって。
だからラミアはみんな土掘りはできるわ。」
ナーリアがそう教えてくれた。
それにラミアの尻尾の先はとても硬くなっているらしい。
芋掘りが僕の想定の半分の時間もかからずに終わった。
「じゃ急いで戻ろう」
これなら昼食に間に合うと僕は思った。
実は僕は今日の昼食には間に合わないだろうと心配していたのだった。
家に戻ってから、僕は二つのことをお願いした。
一つはイクス様に言って、少し大きい木鉢か無ければ木桶を2つか3つもらってくること。
もう一つは50cmくらいの適当な太さの枝を切ってきてもらうことだ。
一つ目は、レンスが行くと言うと、ディフィーが一緒についていってくれた。
もう一つは文句が出た。
「そんなことアレクが自分でやればいいじゃないか」 と、サーブ。
「いや、流石に必要な太さの枝を切るのにナイフじゃキツい。
僕はナイフ以外は持たせてもらえないことになっているから頼んでいるんだよ」
「そこに鉈があるじゃないか。 それを使えばいい」
「良いのか、使って」
「今は私たち以外いないから構わないだろ」
「私もやりたくないから、構わない。」 と、セカン。
「本当はいけないと思うけど、私たちがやるよりアレクがやる方が絶対に速いと思うから、誰も来ないうちにやっちゃって。」 と、ナーリア。
結局、僕が枝を鉈で切って、外皮を剥いて、棒を作りました。
山芋を水場で洗い、外側をナイフの刃を立てる様にして簡単に剥いた。
この作業は手伝ってくれようとした。
「助かるけど大丈夫?
山芋は触ると人によっては、というか僕もなんだけど、手が痒くなっちゃうんだ」
声をかけるのが遅かった。 もう痒くなっているという。
あーあ、どうしよう。
とりあえず、よく水で洗ってと指示する。
ふと、ちょっと思いついたことを試してみた。
「セカン、口移しの水を霧にして僕の手に吹きかけてみてくれないかな。 頼むよ」
セカンはちょっと嫌な顔をしたが、僕が催促すると吹きかけてくれた。
「やっぱりだ。 痒みが治まった。 三人ともやってみてごらん」
三人は自分の手に戸惑いながらも吹きかけている。
「本当だ。 痒くなくなった」
「セカン、飲まないなら口移しの水は本当に役に立つんだなぁ」
「そうなのね」
セカンはちょっと嬉しそうだった。
綺麗にした芋を僕はまな板(昨日イクス様が持たしてくれた)の上で、作った棒で叩いて細かく潰し始めた。
「何それ?」
「2人が戻るまでに少しは小さくしとこうかと思って」
「それ私がやる」
と言って、ナーリアが僕から棒を取り上げ、自分で芋を叩くが、力がない(?)せいか上手くいかない。
「何をやってる。 私にやらしてみろ」 サーブ参戦。
「えーっ。 アレク、ここいいから、もっと棒作ってきて」
はい、確かにセカンもやりたそう。
僕は先を見越して、あと4本棒を作った。
そうこうしているうちに2人が帰ってきた。 大きめの木鉢を3つ持ってきた。
「まな板の上である程度小さくなったら、それを木鉢に入れて、今度は棒の先で押し潰す様にして塊がなくなるまで潰してくれるかな」
ナーリアたちは面白がって作業をしている。
僕はそのうちに、山芋掘りの帰りに途中で取ってきた竹をナイフで削って、柄杓を作った。
「アレク、なんだかドロドロ、ベタベタになったわよ」
ディフィーが呼んだ。
「少し水で伸ばそうか」
僕は水で伸ばして、適当な濃さにして、塩を加えて味を付けた。
「良し、こんなものかな。 飲んでみる?」
僕が飲むのを見て、みんな興味を持ったみたいなので、試飲させてみる。
「ん、味はまずくないけど、あまりエネルギーはない」
「うん、そうだな。 味はともかく、これしかエネルギーを感じないとラミアにはな」
やはりラミアには不評でした。




