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気がついたらラミアに(なろう改訂版)  作者: 並矢 美樹
ラミアの捕虜

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39. 移った夜

 ラーリア様とミーリア様の2人と別れた後、僕たちは慌しい午後を過ごした。

 もともとラミアたちは個人の持ち物というのは少なくて、必要があればその場その場で支給されるという生活が基本らしい。

 それでも僕は別にして、彼女たちには私物もあるし、今までの部屋に敷いていた毛皮なんかも新たな家に運ばねばならない。

 それだけで、今までの部屋と新たな家を何往復かする事になった。


 その後、とりあえず必要となるだろう物をイクス様が用意しておいてくれているということで取りに行ってみると、今度の家の部屋は今までより広いので不足する床に敷く毛皮や、水を汲み置きする為の桶、木の皿や鉢、コップ、その他諸々の生活用品に加え、僕の持っていたリュックまであった。


 「アレクくん、そのリュックが君ので合っていると思うけど大丈夫?

  リュックの名前を確かめたから間違ってないと思うけど。

  それから悪いけど中身は一応問題ないか調べさせてもらったわ」


 「はい、合ってます。

  って、イクス様、文字読めるんですか」


 「アレクくん、声大きい。

  そのイクス様っていうの、ここでは大きな声で言わないで欲しいのだけど」


 「すみません。

  僕は今までラミアが字を使っているところを見ていなかったので、ラミアの文化に文字はないのかと思っていたので」


 「やーねぇ、文字くらい普通に読めるわよ、私は。

  でもまあ、ラミアでは少ない方ね。

  ま、これからナーリアちゃんたちも、しっかり覚え込まされると思うけど」


 急に自分たちに話の矛先がきて、ナーリアたちは「え、どういうこと。」と不審そうな顔をしたが、

「とにかく大急ぎで運んじゃいなさい」

とのイクス様の言葉で、そのまま運搬作業となってしまった。


 ここでも用意された物を運ぶのに2往復することとなった。


 「パッと思いつく物を用意したけど、まだ足りないものがあると思うから、遠慮せずに気付いたら言ってきてね。

  私もたまには見に行くわ」

とイクス様は嬉しい様な、怖い様な言葉で僕たちを送り出してくれた。


 結局、物運びだけで時間は過ぎ、新たな家の部屋に毛皮を敷き詰め、とりあえずの収納をしたら暗くなってきてしまった。

 新たな家にはすぐ前に小さいながらも専用の水浴び場まであったので、僕たちは少し急いで水浴びをする。


 「何だか私たち専用の水場なんて、豪華というか申し訳ない気分だな」

 サーブがそういうと、

 「役得よ、役得。 誰かが損する訳じゃないんだから良いじゃない」

とディフィーが答えた。


 ま、それもそうか、と皆思った様だった。


 ここは僕たち以外誰もいないので、僕もみんなと同じ様に裸のままで水場から家に戻る。

 だってどうせ家に入れば脱がされちゃうから。


 夜の食事は結局今日はいつもと同じになってしまった。

 ま、忙しかったので仕方ない。明日以降に期待だ。


 部屋の中は今は暑い時期で窓も開け放たれているから、夜になってもかなり明るい。

 夜でも明るいというのは変なのだが、今まで居た部屋は地中だから夜となれば完全な闇に沈んでいた。

 だんだんそれが普通な様な気になっていたから、灯りを点けなくとも外の月明かりや星明かりがある夜を明るく感じてしまうのだ。


 ナーリアがリーダーらしく提案した。

 「今日のことや、明日からどうするかの話をしない?」


 「そうだな行動の大幅な自由を与えられたが、逆に何をすれば良いか自分たちで考えなければならないな」

 サーブが賛成した。


 「私も話をするのは賛成。 だけど話をしている最中、私、アレクに触れて遊んでいてもいい?」


 「ま、遊ぶのに夢中になって話に参加できないのはダメだが、そうでなければ構わないんじゃないか、セカン、お前の番だし」


 セカンの言葉にサーブがそのまま許可を出した。 みんなそれで構わないらしい。


 「でも僕あまりベタベタされるとそっちが気になっちゃって、話に参加できなくなっちゃうのが心配なんだけど」


 「大丈夫、そんなに激しくしない。 触れて軽く遊んでいるだけ」


 「それでいいの? 僕、話しながらだと、何もしてあげられないよ」


 「ん、構わない。 してもらうのも好きだけど、単純に遊んでいるのも好きだから、全然構わない」


 「ならいいけど」


 セカンがスルスルと僕に近寄り、僕の左太ももを枕にする格好で横になり、遊び始めた。


 そのままなし崩し的に話が始まった。

 「それにしても、アレク以外の人間があそこまで弱っているとは思わなかったな」


 「ほんと、昨日水浴びしているところを見た時にも、覇気がないというか、弱々しいと思ったけど、あれ程とは思わなかったわ」


 「ほとんど自分で食べれないで、食べさしてもらっている人もいた」

 サーブの言葉にディフィー、レンスが続いた。


 僕は自分が何もしないのも、と思ってセカンを少しだけ触りながら話を聞いていた。 そのくらいはできる。


 「深刻な問題だということが、良くわかった。

  そして私たちに、というかアレクに色々な対処を急いだ訳が理解できた」

 セカンがちょっと僕を触って遊ぶのを止め、そう言った。


 「ああ、上の人があまりに変化を早く求めると私も感じていたんだ。

  その理由がこれだったんだな。」

 サーブが重々しく言うと、皆うなづいている。


 「で、アレクは今の状態を良くすることができると思う?」

 ナーリアがとても真剣な顔で聞いてきた。


 「正直、分からない。 自信がない。

  僕もあれ程弱っているとは思わなかった。 想像の範囲を超えてた。

  でも何とか助けてやりたい」


 「で、具体的にどうするんだ。

  少なくとも明日の午前中どうするかを考えねばならない。

  この件に関してはアレクの考えに従うしかないからな」

 サーブの言う通りだろう。 ラミアたちがどうすれば良いか思いつくわけがない。 僕が考えなければならない。

 先ずは明日の昼食の一品を考えねばならない。


 「明日は朝から山芋を取りに行くよ。

  狩をしても、今の状態だと肉焼いても食べれそうにないし。

  ついでに獣取りの簡単な罠でも仕掛けてくる」


 「山芋って、あの蔓の根っこの太くなったヤツよね。

  あれを掘ってくれば良いわけね」

 ディフィーが聞いてきた。


 「そう、手伝ってくれるの?」


 「それが新しい役目」 レンス。


 「みんなで探して掘ればすぐに終わる」 セカン。


 「その後、手を加えなくちゃいけないのよね」 ナーリア。


 「それじゃあ、掘ってくるのはなるべく早い時間にしないとな」 サーブ。


 「みんな、ありがとう。」


 僕がそう言った時、セカンが急に強く刺激してきた。

 僕は話に集中していたはずなのだけど、油断していたからか、つい放出してしまった。


 「あ、ごめん、セカン、出ちゃった。 遊びたいって言ってたのに」

 僕はちょっとバツが悪くて、セカンに謝った。


 「ん、大丈夫、こういうのも嬉しい。」と言った。


 「丁度良いじゃない。 明日はなるべく早起きで山芋掘りなんだから、もう寝ましょ。」


 ディフィーがそう言うと、セカンが

 「うん、そのつもりだった。」と答えた。


 えっ、そうなの、何だか僕、情けない気分。 セカンに意のままに操られてしまったということだよね。


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