35. 溜まってた
ミーリア様は僕たちに伝えることだけ話したら、すぐに目立たないように静かに部屋から出て行ってしまった。
もう部屋の中は暗くなり始めている。灯りのないラミアの生活では、真っ暗になるのももうすぐだ。
とりあえず夕食をディフィーとレンスが取ってきて食べたのだが、皆あまり食欲がないようだった。
今日の気疲れもあるのだが、明日も何か続きそうな気配で、僕は食生活が改善されそうだし、火も使える目処が立って嬉しい気持ちもあるのだけど、ナーリアたちにはそれはあまり関係ないから、生活が変わること、それ以上にミーリア様に告げられた明日に対しての不安が先に立つようだった。
ラーリア様直々なんて言ってたもんな、そりゃ、どういうことだろうかと不安にもなっちゃうよなぁ。
そう考えると、僕の嬉しさも萎んでしまう気がした。
「今晩はできそうね。 昨晩も今朝もとてもそういう雰囲気ではなかったから」
順番からいくとディフィーの番だからか、そろそろ真っ暗になる頃そう言い出した。
「それに私は今の雰囲気を変えたいわ。 この雰囲気だけで疲れちゃう。
という訳で、順番を譲るから、まずサーブ出してもらいなさいよ」
「え、私。
順番はディフィーだし、私はみんなに迷惑をかけたから、今度の番は辞退しようかと思ってた」
「あなたのその普段の調子とは全く違って、妙に真面目というか、一人で抱え込むところというか、落ち込んでいるところが、一番今のこの雰囲気を作っているのよ」
他の三人も「その通りだ」という顔をしている。
「そんなことを言われても、これは性格だから仕方ない」
サーブのウジウジとした様子は変わらない。
「全くこれだから。
いいからアレクからエネルギーを貰いなさい。 そうして身体も元気になれば、少しは落ち込んだ気分も良くなるかも知れないでしょ。
えーい、面倒だわ。 みんなで押さえつけて飲ませちゃおう」
ディフィーはみんなに指示しながら、サーブに突進した。
「私はこっちの手を確保する。 レンスはもう一方を。
ナーリアとセカンは腰から尻尾を押さえて」
サーブは仰向けに押さえつけられた。
「アレク、何をしているの。
早くこっちに来て、飲ませちゃって。 準備できているでしょ」
ディフィーは、僕の下半身が反応して、準備万端になっているのに気付かれていたようだ。
僕は一瞬、なんでこんなに自分の下半身が元気なのだろうと疑った。 やっぱりラミアの媚薬的な何かがあるのだろうか、と。 いや、自分は若い男なんだから、普通かなとも考え直した。
でも、それは本当に一瞬チラッと頭の中を通り過ぎただけで、身体はディフィー言葉の勢いに押されて、他のみんなと同じようにその指示に従っていた。
恥ずかしいのだけど、ここ数日は毎日朝と晩にきちんと定期的に放出させられていたからだろうか、1日それが無かっただけで、僕はすぐにディフィーの指示通りにサーブに放出してしまった。 それも大量に。
サーブは、身体を4人がかりで押さえられて、自由を奪われることには抵抗していたけど、4対1では敵う訳もなく、ちょっと諦めの気配を見せた。 そして僕が放出の気配を見せると、完全に諦めたのか、それともラミアの本能が何よりも勝って僕の精のエネルギーを受けないのは勿体無いと思ったのか、ちゃんと全部受け止めた。
僕が出し尽くし、サーブから離れると、他のみんなもサーブを解放し離れていった。
サーブは横になり、しばらく前と同じように体をピクピクさせて荒い息をしていたが、
「アレク、急にあんなに大量に放出したら、びっくりするじゃないか。
いや、それが嫌なんじゃないぞ、むしろ嬉しいんだが。
次の時は手は自由にさせておいてくれれば、私もアレクに抱きつけるし」
なんて僕に抗議してるのか、独り言なのか分からないことを言っていたかと思うと寝息を立て始めた。
「疲れてたのね」
「昨晩は眠れてなかったみたいだし」
ナーリアの言葉にセカンが答えた。
落ち込んで、暗い雰囲気をずっと垂れ流していたサーブが、ともかく眠りに落ちたことに、なんとなく良かったという安心感が漂った。
なんとなく雰囲気が落ち着いたかなと思ったら、すぐに思いっきり壊された。
「でもアレクは今晩はもう一回出せるんじゃない?
昨晩と今朝出してないんだから」
いつのまにか、ディフィーが横に来て僕に身体を密着させながら言った。
そんな風にされたら、僕はサーブに大放出したばかりなのに反応してしまった。
この状態で嘘はつけない。
「そう簡単に数字で考えられるものではないけど、確かに今は出来るかな」
「それじゃ今度は私の番。
私はゆっくり楽しみたいから、今度はアレクが仰向けに寝てて、自分からは何もしないでね。 いや、少しはしても良いわ」
僕が言われた通りに寝転ぶと、ディフィーはキスをしてきたり、僕の下半身を触ったりして遊んでいる。
下半身は、女性型しかいないラミアには珍しいからか、精を放出する器官というだけでなく、ラミアたちには人気で、触れたがるんだよな。 気をつけて、それを上手くブロックしないと、いつでも反応しそうで不味いんだよ。
「私は独り占めして楽しむ気はないわ。
みんなも来て楽しんでいいわよ」
その言葉に、残りの3人も、それじゃあ遠慮なくという感じで、僕の手足に身体を絡みつけてきた。
僕はもうラミアに精というエネルギーを搾取されているという意識ではなくて、可愛い女の子たちに愛されているという意識になってしまっていて、そんな風にされていることが嬉しかったり楽しかったりしてる。 正直すごく幸せな気分になってしまっている。
でもラミアたちはどうなんだろうか?
やっぱりエネルギーを得ることが目的だから、食事の一種のような感覚だけなのだろうか。 そうだと、ちょっと嫌だな。
「私、精を得るだけでなく、こうやって色々して感じるのも、遊んでいるのも大好きだわ」
「同感、触るのも、触られるのもとっても良い」
「くっついているだけでも暖かいしね」
「人間、精出すだけじゃない。 特にアレクは」
三人ともそんな話をしながら、より積極的に僕に触ったり、僕に触れさせようとしてくる。
僕もそんな言葉を聞けば、もっと頑張って触れてあげようという気持ちになってしまう。 良かった、嬉しい。
気持ちが盛り上がって、僕はまた放出してしまいそうになったのだけど、その雰囲気を敏感に感じ取ったのだろうか、順番の特権として、僕の下半身を独占して触れて遊んでいたディフィーが、その動きを止めて言った。
「まだ出しちゃ駄目。 長く楽しむって言ったでしょ」
「うん、アレクは放出すると時々即座に眠ってしまう。
そうすると私たちもくっついて寝るしかなくなってしまう」
「私ももっと触るだけじゃなくて、触っても欲しい」
「ディフィー、アレクに放出させないように気をつけて楽しんで。
もう少し、私も楽しんでいたい」
「ん、了解。
でも今は私の番なんだから、私が放出させたくなったらさせるからね」
「うん、それは仕方ない」
うーん、嬉しいような、辛いような、苦しいような。
一日何もできない日があったら、溜まってたのは僕だけじゃなくて、ラミアたちもなのかな。 それとも明日のことなんかの現実逃避なのだろうか。
僕は暴発しないように、そんなことを考えた。
「それにしても明朝は全員しっかり身体を拭かなくては、きっとすごい匂いだわ」
「そうね、絶対ね」
うん、それは絶対忘れちゃ駄目だ。
この前みたいに恥ずかしい思いは、僕も嫌だ。




