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気がついたらラミアに(なろう改訂版)  作者: 並矢 美樹
ラミアの捕虜

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34. ミーリア様、また来る

 僕の友だちが水浴を終え、部屋に戻ってから、僕たちも水浴した。


 さっきかいた冷や汗を洗い流すために水場に来たはずなのだが、なんだかその冷や汗が、余計に冷えて肌にこびりついてしまった様な気分だった。

 僕はなんだか暗澹たる気分で体を洗っていたのだが、ナーリアたちも黙々と体を流していた。


 部屋に戻る途中、もう一度カウンターの部屋に寄って軽く頭を下げて行こうとしたら、僕たちを見たイクス様に呼び止められた。

 そして手招きされて近づくと、もっと近づけと、6人頭をくっつける様になるまで近づかせられた。


 「見た?」


 「アレク以外の人間たちですか? はい、見ました」

 視線で質問の意図を確認すると、ナーリアはそう答えた。


 「上の人たちが、アレクとあなたたちを注目する理由が理解できたでしょ」


 ディフィーがピンと来たという感じで尋ねた。

 「もしかして、私たちが他の人間たちと鉢合わせすることがわかっていて、私たちを水場に行かせたのですか?」


 「ま、そういうこと。 でもその目で見てみて、はっきりわかったでしょ」


 僕たちはうなづくことしかできなかった。


 「という訳で、大急ぎで色々と決まったみたい。

  まあ、あなたたちにとって悪いことではないと思うわよ。

  その決まった話をあなたたちにしに、後でミーリアがあなたたちの部屋に行くそうよ。

  そう伝えてほしいと、私に連絡が来たわ」


 「えっ、ミーリア様が来られる!!」

 サーブは完璧に苦手意識が出来てしまった様だ。

 ミーリア様が来られると聞いて、それだけで青くなっている。


 僕はイクス様が他に聞かれない小声だからか、ミーリア様をミーリアと呼んだのに気がついた。

 やっぱりミーリア様よりも、きっと立場が上なんだ。


 「私たちから、都合を聞いて、お話を伺いにまいります」

 ナーリアがそれが当然のことだろうと思い、イクス様に断りを入れて、すぐに都合を聞きに行きかけるがイクス様に止められた。


 「そう何度もあなたたちをあっちには呼べないのよ。

  ラーリアとミーリアの上は良いけど、話に参加してないそれ以下の、あそこに居る者たちは何事かと思うでしょ」


 あ、やっぱりラーリア様よりも上なんだ、一番上なのかなぁ。


 「だから、あなたたちはミーリアが来るのを部屋で待っていなさい」


 僕たちは大急ぎで部屋に戻り、床に敷き詰めている毛皮を乱れた所がない様に直したり、掃除や整理をしてミーリア様を迎える準備をした。

 ナーリアとセカンはラーリア様の部屋で飲み物を出してもらったそうで、何か飲み物を用意した方が良いのではないかと話したが、ディフィーにそんなことしたら周りの人に何かあるのかと疑われ、ミーリア様が来てくださる意味がなくなると止められた。

 サーブは持ち直していた気分がまた萎れて、小さくなっている。

 レンスが一番普通、いや態度にあまり現れないだけか。


 ミーリア様がやってきた。

 僕たちは前と同じに立って迎える。


 「私一人よ。 そんなに緊張しなくても良いわ。

  私も座るから、あなたたちも座って楽にしなさい」


 ミーリア様は、僕たちも座り、まあ楽にしている風の格好をするのを待って、話を続ける。


 「今日は一日ご苦労だったわね。

  まあ昨晩からだけど、上の立場の者と話たりばかりで、疲れたでしょう。

  そういう疲れは体を動かしての疲れとは違うから、私にだって覚えはあるわ」


 僕たちは、ミーリア様がこんな前置きをして、僕らに何を言うのだろうと、神妙にしている。

 ミーリア様はそれを見て、とっとと本題に入るしかないと思ったようだ。


 「さて、あなたたちが立ち去った後、決まったことを伝えます。

  これは代表一人に伝えれば良いという話ではなく、あなたたち全員に伝えるべき重要な話だから、私がこうして伝えに来ることになった。

  とは言っても、あなたたち、特にアレクにとっては悪い話ではないわ。

  アレクが願っていた、獣や魚を取ること、火を使うこと、これらは認められたわ。」


 えっ、こんなに簡単に認めてもらって良いの。

 嬉しい、これでやっと肉が食える。


 「ただし、当然ながら様々な条件はつく」


 そりゃそうだよねー。 当たり前だな。


 「まず、とりあえずアレクにはナイフを持つことが許された。

  ナイフが使え無くては何もできないだろうからという配慮ね。

  アレク、ナイフが使えれば、あなたは狩ができるだろうか?」


 「はい、ナイフを使わせてもらえれば、簡単な罠を作ることもできますし、私が食べるくらいの狩はできると思います」


 罠を仕掛けて獲物を獲るのは、僕の得意分野だ。

 一人だけで自立した狩人を目指していたのだから、一番力を入れて狩人学校で勉強した分野でもある。

 だから、自信もある。


 「ということだが、狩はアレクだけでなく、ナーリア全体でしてもらう」


 「監視ということですか?」

 ディフィーが尋ねた。


 「いや、監視ではないわ。 量を確保するためね」

 「量をですか?」


 「そういうこと、肉を必要とするのはアレクだけではないわ。

  あなたたちも見たなら分かったでしょ。 他の人間にもそれは必要なことだろう、と。

  そこで彼らの分も含めての量が必要となるのよ。

  つまり、これからはアレクとあなたたちナーリアに、人間の食事を用意する係をしてもらうことになったわ」


 「私たちが人間全員の食事の用意をするということですか?」

 ナーリアが確認する。


 「そういうこと。 アレクの指導の下、あなたたちに食材の調達から始まる全てをやってもらうことを予定している。

  もちろん人手が足りないなら、それはその時に考えるわ。

  初めての試みだから、その辺はどうなるか私たちにも分からない」


 僕はちょっと考えてみた、僕が友だち全員の食事を用意することを。

 ナーリアたちが手伝ってくれるなら、なんとかなるんじゃないかなぁ。 少なくとも狩猟以外の採取は出来る気がする。

 そして火が使えれば。

 友たちと、ラミアに捕まるまでは、森の中でそんな調子で、僕が中心で食事を作っていたんだ。 手伝ってくれるのがナーリアたちに替わっても、きっとどうにかなるんじゃないだろうか。


 「このことはやってみないと分からない部分が大きいと思うけど、必要な物があればイクス様に言うように。 可能な限り手配してくれることになっている。

  最初から完璧は求めないわ、出来る範囲から始めてくれれば、それで構わない。

  ああ、もちろん、あなたたちは普通の仕事のノルマは完全に免除されるから、仕事が増えると心配はしなくて良いわよ」


 ナーリアたちは微妙な表情をしている。

 人間の食事の用意がどれだけ大変か分からないから判断できないのだ。 そりゃそうだ。


 「あと、火の使用に関してとその他のことは、ラーリア様が明日直接、あなたたちに教えるとのことよ。

  だから、明朝は外に出る用意をして待っているように。 その時にラーリア様が詳しく説明してくださると思うわ」


 えっ、ラーリア様が直々・・・。


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