257. 子供とイクス様も家に
ティッティアの2度目の脱皮は予想していたとおりに10日後に起こった。
また倍くらい大きくなった感じだけど、それでも上半身は生まれたばかりの人間と比べると随分とまだ小さいらしい。
僕はそんな小さい赤ん坊と接した経験がないのでわからないのだが、弱かった母親の代わりにメリーを、まだ子供ではあったけど、ほとんど自分が育てるような感じだったらしいアンがそういうのだから、きっとそうなのだろう。
でも、ラミアは尻尾もある訳で、尻尾も含めると体長は長いらしい。
イクス様はメリーとの約束通り、すぐに僕たちの家の方で暮らすようになった。
僕たちは流石に藁床の部屋で全員一緒に寝るのは無理なので、 半分は食堂になっている元作業場の方で寝ることにした。
本当はそっちにも藁床を作れば良いのだけど、もう使える藁が残っていなくて、部屋の一角に毛皮を重ねて寝ることにした。
「なんだか久しぶりな感触だなぁ。 里のナーリアたちの部屋で暮らし始めた時がこんな感じだったよな」
「違う、あの部屋ではこんなに毛皮を重ねてないから、もっと下は硬かった」
「なんか、それから比べると贅沢になってしまったんだな。
あそこで暮らしていた時はあれが普通だったのに、今ではこんな風に毛皮を重ねていても、硬いとか思ってしまうのだから」
セカンの訂正に、サーブがしみじみとした感じで振り返ったが、うん、全くだな。
イクス様は、家で暮らすようになって、温泉に入れるのをとても喜んだ。
子供が生まれてから今までは、子供から離れられない、子供を外に連れ出すのが怖いということもあり、部屋でお湯で体を拭く程度のことしか出来ていなかったのだ。
ティッティアが2回脱皮して、ある程度体が大きくなったから、もう肌に密着させて風を当てないように気をつければ、外に出れるだろうと判断したのだが、それでも念を入れて、奥の共同住宅から僕らの家までは、一番暖かい昼間に馬車に乗って移動した。
「考えてみたら、体温が下がらないアレクくんが抱いて移動するのが一番安全だったかしら。
でも、アレクくんでは、胸の間で包み込むような感じには出来ないわね。 やっぱり私で良かったのかしら」
もう移動したのだから、どうでも良い話なのだが、イクス様が真面目に考え込むような顔をした。
僕はそれなら、アンに頼めば人間だし女だから胸はあるし一番良かったかな、と思って視線をアンに向けたら、レンスが
「アンとディフィーは胸が小ぶり過ぎて、対象にならない」
と、冷静な意見を言った。
「レンスだって、この前の脱皮前は小さかったじゃない。 私はまだこれから大きくなる予定よ」
ディフィーがすぐそう反論すると、アンも
「私も、まだこれから成長予定だから、第一みんなの姉妹のエーレアたちは、私より小さいわよ。 だから話に聞いたところによると、みんなが脱皮が一回多くて、特別に大きくなったのよ。
人間は脱皮しないから、そんなに急には変わらないけど、私もまだこれからよ。
私のお母さんは大きかったから、私にも望みはあるわ」
「あら、そうなの。 それじゃあ、アンはもしかすると胸はこれから大きくなるかもしれないわね。
ディフィーは、その意味では望み薄かもしれないけど」
「ええっ、イクス様、そうなんですか」
「うん、あくまであなたのお母さんは、という話だけど、ディフィーたちの母親は体も小さかったし、胸も小さかったわね」
ディフィーがそれを聞いて、とてもショックを受けた顔をしているので、イクス様は少し付け足した。
「でもまあ、ディフィーは髪の色や目の色や肌の色は完全に母親似だけど、体の大きさはもう母親を超えちゃっているから、体の大きさは父親似なのかもしれないわね。
だとしたら、もしかすると遺伝的には胸も大きくなる可能性もあるわね。
だいたいにおいて、ラミアは胸は小さい方が少ないのだから、そっちの可能性も大きいわ」
「そうですよね。 体の大きさを超えられたなら、胸の大きさも父親の方の遺伝で大きくなる可能性も高いはず」
ディフィーは希望を見出した顔をしたが、父親の方の遺伝が体は大きくとも胸が大きいとは限らないのだけど、と僕は冷静に思ったのだが、それは言わないことにした。
それでも結局、イクス様がティッティアを抱いていられない時、つまり温泉に入っている時などは、レンスとナーリアとサーブのうちの誰かがティッティアを抱いていることになった。
セカンは3人と比べると、ディフィーやアン程ではないけど、ちょっと小ぶりなのだった。
3人は最初ティッティアを包んだ袋ごと渡されると、恐る恐るという感じで、落とすことが無いようにという紐を首の後ろで結んでいた。
その後は動けないという感じで固まっていたのだが、すぐに慣れてイクス様のようにティッティアを抱きながらも普通に話したり、少しのことなら物事もできるようになった。
それを見たイクス様は、温泉以外の時も3人に抱かせて、自分は違うことをしたりもするようになった。
ティッティアを抱いていると、特別何かしていることが無い限り、メリーが側に寄って行くので、ティッティアを抱いているとメリーと話したり遊んだりすることにもなっている。
ティッティアをイクス様が誰かに預けて抱いてもらう時は、もう1つ重要なシチュエーションがある。
ティッティアにお乳をあげているイクス様は、いつもよりエネルギーを必要とするということで順番が考慮されて、母乳をあげている間は二日に一度夜に僕の精を得ることに優遇されている。
最初は朝か晩か決まっていなかったのだけど、メリーも居て朝というのはなかなか難しいということが分かって、晩に固定された。
何しろ僕が朝目覚めるかどうかという時間に、上手くティッティアの授乳が終わった時間になるとは限らない。
ほぼ2時間毎の授乳だから、大体の時間はわかるのだけど、その時間と起きる時間の関係が上手く無い。 ティッティアがお乳を欲しがって泣くと、その朝の時間にはそれでメリーまで目覚めてしまうのだ。
そうするとイクス様も、朝、僕から精を得るという訳にはいかなくなってしまうからだ。
で、一日おきに夜はイクス様に出すことになっているのだが、夜メリーが寝て、ティッティアにお乳をあげると、3人のうちの誰か順番に当たっている者に即座に預け、急いで僕の精を得流ということになるのだ。
「アレクくんもおっぱい飲む? 今、ティッティアが飲んだ方じゃなければ、出るわよ」
一度、ラミアの母乳というのはどういう味がするのだろうかと思って、イクス様の胸を吸わせてもらったのだけど、それ以来ずっとイクス様は僕をそう言ってからかう。
「今、イクス様の胸はティッティアのモノですから、僕は別のことで我慢します」
僕は、もう流石にかなり上達したテクニックで刺激していると、ここのところイクス様の反応は素晴らしい。
「ああ、アレクくん、もう早く挿れて、ガンガン動いて、我慢できないわ」
イクス様がそう僕に注文をつけると、横から声が掛かった。
「なんか、お母さん、最近少し淫乱になったんじゃないの。 早く挿れてとか、ガンガン動いてとか、前はアレクにそんなこと言わなかったのに」
今日の順番はレンスだったので、ティッティアを抱きながら寝転んで僕らを見ていて、そんなことを言った。
「仕方ないじゃない。 ティッティアを預けられなかった時には、そんな訳にはいかなかったんだから。
エネルギーが得られたということでは満足するのだけど、毎回なるべく静かに動かないでというのは、レンスも分かるでしょ、女としての部分の欲求不満が余計に溜まるのよ」
「うん、それは理解できる。 というか動く訳にいかなかった時は、これはちょっと辛いなぁ、と思っていた。 でも、それだけ?」
「うーん、その反動かな。 少し激しく動くと、特にアレクくんに激しく動いてもらうと凄く感じるようになっちゃった。
もう、とにかく話は後、後。 アレクくん、どんどん動いて。」
言われるまでもなく、僕は腰を動かしてイクス様を攻める。
イクス様はティッティアとメリーを起こしてしまってはいけないので、声を出さないように我慢しているようだが、凄く感じているのはまる分かりだ。
僕は気持ち良く、精を放出することになったが、イクス様も満足してくれたようだ。
「ほら、やっぱり、お母さん前より淫乱になったというか、激しくいくようになったんじゃない。 そんなに激しくいって、また卵への道開いたりしないでよ」
「それは大丈夫だけど、確かになんだか凄く感じるようになっちゃったわ」
「私を産んだ時もそうだったの?」
うっ、そういう話は僕的には聞きたくないような。
ラミアはこういうところは明け透けで、なんていうかデリカシーに欠けるところがあるんだよな。
ま、それで言えば、もう当たり前になってしまって何も感じてないけれど、娘の前で母親としていたり、母親の前で娘としていたりだから、もう何を言わんやなのだけど。
「うーん、正直に言えば分からないわね。
レンスのお父さんは体の弱い人だったから、週に一度でも出してもらえたら良い方だったから。
それに、あの頃は今と違って食料事情も悪かったから、私もレンスにおっぱいあげていて、こんな風に思いっきり楽しめるだけのエネルギーの余裕がなかったし。
だから私も、子供を産んでその後、こんなに感じるようになるなんて知らなかったわ。
いや、違うわね。 今とても感じるのが、子供を産んだ後だからかどうなのかも分からないわ」
「ふーん、そうなのね」
「ただ、レンスの時にも思ったのだけど、今、余計に思うのは、ナーリア、サーブ、セカン、ディフィーの母親たちのことよ。
今回こうして十分にアレクから精をもらって子育てしてみて、なおのこと思うわ。
ああ、これは無理だ、やっぱり彼女たちは死んでしまって当然だった、と」
そう言って、イクス様は涙をポロポロっと零した。
ナーリアたちの母親は、イクス様と同時にラーリアだった訳で、イクス様は年齢が飛び抜けて下だったらしいが、それでもきっと親密だったのだろう。
「レンスの時と比べると、今回は私は身体的にはずっと楽で、負担なんてない感じだわ。
それであの時の彼女たちを考えると、無理に体内に6個も7個も、ディフィーの母親は体が小さかったから4個で目一杯だったけど、そんな無理をして体内に卵を抱えたから、子供が生まれてた後には体が戻らなくて尻尾が動かせなくて、その上、人間の男から精ももらえず、食料も足りないエネルギーが枯渇した状態で、それだけの人数の子供に乳を与え続けたのよ。
エネルギーが尽きて死んでしまうのは、当然すぎるくらい、当然だわ。
解っていたことだけど、それでもやっぱり、今の自分の幸せな子育てと比べちゃって、どうしてもちょっと思い出しちゃうのよね。
その時のみんなのそれぞれの子供に、今の自分の子供を世話してもらっているんだと、ふと思ったりしちゃうのよ」
僕とレンスだけでなく、アンも神妙な顔をして、イクス様の言葉を聞いていた。
アンもずっと部屋の中に居たのだが、慣れてきたとはいえ、人間の普通の感覚からするとなんて言って良いか分からない会話や状態だったので、自分から話には加わらず、聞いているだけになっていた。
今の様な話は知らなかったのか、イクス様の言葉に衝撃を受けたようだった。
「もう、レンスが変なこと言い出して、話がなんだかおかしな方向に進んじゃったじゃない。
さあ、もう少しすると、ティッティアがおっぱいを欲しがって起きるわ。
アレクくんは、もう向こうに行ってあげなさい。 きっとみんな寝ないで待っているわ」
僕は朝の都合もあり、イクス様との後はこの部屋には留まらず、元作業場現食堂の一角に集まって待っているみんなのところに行って眠るのだ。
下は硬いけど、僕にくっついて眠れるからと、そっちの方が人数が多い。




