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気がついたらラミアに(なろう改訂版)  作者: 並矢 美樹
間の日々

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254/365

254. 目覚め

 ぐ〜っ。

 自分のお腹が鳴った音で目覚めたような気がした。

 あたりはもうしっかりと明るいので、多分昼頃だろう。

 帰ってきて、何も食べた覚えがないので、僕はとてもお腹が減っているのを自覚した。

 周りを見てみると、近くでセカンがまだ寝ていた。

 きっととても疲れているのだろうと思って、僕はそっとそのままにして、音を立てないようにその場を離れた。


 僕が部屋から出て行くと、すぐにアンに見つかった。

 「あ、アレクも起きたの。

  お腹減っているでしょ。 ご飯出来てるよ。

  今、持って行ってあげるから、テーブルで待っていて」


 僕がテーブルに行くと、ナーリアとディフィーがすでに食事を始めていた。

 「なんかもう昼みたいだけど、まあいいや。 おはよう」

 「うん、アレク、おはよう。 私たちも起きたばかり」


 「セカンはまだ起きない?」

 「うん、まだ良く寝てたから、そのままにしておいた」


 アンがウサギの肉入りのスープと、炊いたご飯の昼食を持ってきてくれた。

 「ああ、アン、ありがとう。

  寝たのが明け方近くだったから、起きるの昼になっちゃったな」


 僕は空腹からガツガツとアンが用意してくれた食事を食べながらそういうと、アンが

 「アレク、何を言っているの。 もう次の日のお昼よ。

  アレクだけじゃなくて、ナーリアもディフィーもだけど、丸一日以上目を覚まさなかったの。

  余程みんな疲れていたのね」


 まあ、確かに疲れていた気がする。

 ナーリアも人間まで指揮して、現場の指揮官として全体を仕切るなんてことまでした、疲れていて当然だ。

 ディフィーもセカンも、今回の全作戦を二人で担っていて、ここのところずっと緊張の中で過ごしていた、こっちも当然だ。

 でもまあ、事が上手くいって良かった。

 同盟の最初の行動としては出来過ぎなくらいだ。

 ナーリアは人間からも指揮官と認められたし。

 あ、でもこれからミーリア様に怒られるな。


 僕は頭の中で時間経過を追って、振り返っていて、帰ってきてのことを思い出した。

 ちょっと血の気が引いた気がした。

 「アン、イクス様はどこに行った?」


 血相を変えて言った僕の言葉に、一瞬ナーリアとディフィーは驚いた顔をしたが、そのすぐ後で、あっ、という顔をして言った。

 「そうよ。 アレクの子供はどうなったの?」

 「私、産まれて安心したところで記憶が途切れちゃっている」


 「みんな安心して、落ち着いて。

  イクス様も子供も大丈夫だから」


 どうやら僕をはじめとして、みんなも赤ん坊が生まれるまでは起きていたのだが、無事に産まれたことを確認すると次々と意識を失っていったらしい。

 ほぼ一番最初に僕とナーリアとディフィーが意識を失い、僕たち3人を仕方ないので、ミーリア様とサーブとレンスが移動してくれたのだという。

 そのうちにレンスまでが意識を失って、サーブだけが残った状態で、レンスもミーリア様とサーブで移動したようだ。


 可哀想だったのがセカンで、セカンはミーリド様に手伝いを命じられて、ラミアのお産について教えられていて、疲れていてもなんとか意識を保っていたようだ。

 セカンは、ミーレナさんと共に他を圧倒して器用な事が知られているし、どんなことも一度見ると出来てしまう技能の持ち主であることから、ミーリド様が教える相手に選んだようだ。


サーブも流石にレンスを運んだ時点で、

「ミーリア様、すみませんが私もちょっと限界みたいで」

と言うとレンスの横で寝てしまっていた。


 セカンは、イクス様が後産を終わり、その確認までさせられるまで意識を保っていたのだが、ミーリド様が

 「セカン、今回のイクス様のお産が、ラミアの最も健全なお産よ。

  理解できたわね」

との言葉に、

 「はい、ミーリド様」

と答えた瞬間に、張り詰めていた糸が切れたのか、パタッと意識を失った。


 そのセカンをミーリア様とミーリド様、それにアンが手伝って移動した。

 アンとメリーはその間、細々と色々と動いていたのだが、流石にメリーは途中で寝てしまい、ま、何て言うか、死屍累々という感じになってしまっている。


 「イクス様、流石にこの状態では、まともに休むこともできないですね。

  奥の方に参りましょう」

 「そうね。 みんな完全に力尽きちゃったわね」


 「それじゃあ、私、馬車の用意をします」

 「アン、大丈夫よ。 もう私は普通に動けるわ。

  それじゃあ、ここはアンに任せちゃうけど、よろしくね」


 「アン、それでは後でエーレアたちをここに手伝いに来させるから」

 「はい、ミーリア様、わかりました」


 そうして、イクス様はミーリア様とミーリド様に守られるようにして、奥に戻って行かれたとのことだ。


 というのが昨日の朝までのことで、アンはそれからとにかく馬の世話をしなければと一人で頑張ってくれていたらしいところにエーレアたちがやって来て、まだ馬の世話は恐る恐るだけど手伝い、その他のことはかなりテキパキと色々してくれたみたいだ。

 メリーは午前中のうちに目を覚まして、イクス様のところに行きたがったが、アンがまだダメと止めたらしい。


 サーブが夕方くらいに目を覚まし、レンスも完全に暗くなる前に目を覚ましたのだけど、

 「アン、今日はもう夕方だし、まだみんな目を覚まさないから、早寝をしよう」

 「流石にこの状態では、アレクに何かする訳にも行かないから、そうしよう。 私はまだ寝足りない」

 サーブとレンスは食事だけ取ると、そう言って、またすぐに寝ようとするので、アンとメリーも昨日は早寝をしたのだという。


 「それで今、サーブとレンスとメリーは何をしているの?」

 姿の見えない3人のことをナーリアがアンに聞いた。


 「メリーが行きたがってしょうがなかったんだけど、そうしたらレンスが『私もとりあえず一度見てこようと思うから、メリーも一緒に行こう』って連れていってくれたの。

  『それじゃあ、私も』って、サーブもついていっちゃったわ」

 アンはちょっと笑い顔で答えた。


 「えーと、それじゃあ、流石に僕も気になるので、一度奥まで行ってくるよ」



 僕が奥に行くと、奥の共同住宅では一階の炉のある部屋に、みんな出て来ていた。

 ラーリナ様とミーレナさんも来ていたが、人間はデイヴとキースがいるだけのようだ。

 メリーが入り口から入って来た僕を見つけて、即座に走ってきて飛びついてきた。

 「お兄ちゃん、目が覚めた?」

 「うん、メリー、おはよう」

 「赤ちゃん可愛いよ。 おっぱい飲む時以外は、まだ動かないけど」


 僕は赤ん坊を見に、イクス様の方に向かった。

 僕が近づくとイクス様はにっこり笑って、自分の胸を指差して言った。

 「アレクくん、ここよ」


 イクス様の胸には、首に回された紐に吊るされて落ちないようにされた小さな袋が、半分胸の谷間に隠されるような感じで乗っかっていた。 よく見ると袋の口の部分からまだ目鼻立もはっきりしなくて、少しのぺっとして、口の大きさだけが目立つ小さな顔を覗いていた。


 「まだ小さ過ぎて体温が自分では上がらないから、こうやって肌に触れている形にして体温を保ってあげているのよ。

  卵で産んでしまわねばならない状態だと、なかなかこんな風に体温を保ってあげられるようには出来なくて、それが生存率の極端な悪化につながっちゃうのよ」

 イクス様はレンスの時と合わせて二度目だからか、落ち着いた調子でそんなことも教えてくれるのだが、僕はほとんど耳には入ってなくて、そのとても小さな顔を見ていた。


 僕が飽きずに眺めていると、子供が「ふにゃっ、ふにゃっ」というようなとても小さな声で泣いて、少し手と尻尾を動かしたようだ。

 「あら、起きたわね。

  それじゃあ、今度はこっち側のおっぱいを飲んでね。

  こうやって交互に左右のおっぱいをあげるのよ。

  片方だけあげ続けちゃうと、それが癖になって反対側を飲まなくなってしまうことがあるの。

  そうするとその癖を直すのはなかなか大変だから、必ず交互にあげるようにするのよ」

 そう言いながら、イクス様は袋の口を大きく開いて、子供を袋から出して乳首に吸い付かせた。

 最初の言葉以外は、ラーリア様をはじめとする他の卵を抱えているラミアに対するレクチャーみたいだ。


 イクス様はおっぱいを吸わせつつ、袋の中に手を入れて何か確かめている。

 「うーん、いくらか濡れているかな。

  レンス、新しい綺麗な布を頂戴」


 イクス様は袋の中から布を取り出すと、レンスに用意してもらった新しい布を袋の中に注意深く入れた。

 僕はイクス様に布を渡す前にレンスが布を少し炉にかざして温めていたのも見ていた。

 「私はそれを洗って干してくる。

  それから手拭きの布も一緒に持っていって、洗って絞ってくる」


 イクス様は子供におっぱいを含ませる時に、乳首とその周りを濡れた布で拭いていた。

 また、袋の中の布を取り替えた時も、濡れた布で手を拭いていた。

 その布も常に洗って綺麗にしている必要があるらしい。


 子供は十分におっぱいを飲んで、また袋の中に入れられて落ち着いた。

 サーブが声をかけてきた。

 「それで、アレク以外ももう起きたのか?」

 「ああ、セカン以外は起きてるぞ。

  そういえば、なんでお前たち二人だけなんだ?」

 僕はデイヴとキースに視線を向けて、そう言った。


 「俺たちは今朝目が覚めたのだけど、俺たち以外は昨日の昼過ぎには目を覚ましていたみたいなんだ。

 それでみんなはそれぞれに普段のことを、というか色々時期的にはしなければならないことがあるらしい、特にヤーレンが」

 ま、確かにそろそろ春が近いから、農作業の準備などにかからなければいけない時期がきている。


 「しかし、何ていうか、アレクが最初になったけど、俺たちも親になるんだな」

 キースがしみじみとそんなことを言って、不意に。


 「あ、最初に言うことを忘れていた。 アレク、おめでとう」

 「おお、そうだった。 アレク、おめでとう」


 キースの言葉にデイヴも慌ててそう言うと、ラーリア様が

 「そう言えば、赤ん坊ばかりに関心が向いていて、アレクに子供が生まれたお祝いを言うのを忘れていたな。

  アレク、おめでとう」

 共同住宅にいたみんなに祝いの言葉を言われて、なんというか照れ臭かった。


 「ま、これからはどんどん生まれそうだな。 私もだが、早くイクス様のように子供におっぱいを飲ませてみたいものだ」

 ラーリア様がそう言うと他のラーリア様たちはみんな卵のあたりを手で撫でている。

 人間が大きなお腹を撫でるのと同じことなのだけど、ラミアの場合は尻尾の足の様に分かれている部分がまた一緒になった部分のすぐ下のあたりで、人間なら脛の部分あたりを撫でていることになるから、人間の僕たちにはちょっと違和感があるのだけどね。


 「今、子供は落ち着いて寝ているから、私たちは一度戻ろう」

 レンスがそう言うと、サーブが

 「そうだな、ナーリアたちも起きたのなら、交代しないと機嫌が悪くなるな」


 「メリーはまだここで赤ちゃん見ていたい」

 「メリー、一度戻らないと、アンが怒る。

  今度はアンも来るだろうから、見ていたければ、またアンとも一緒に来れば良い」

 「うん、レンお姉ちゃん。 分かった」

 3人は家に戻って行った。



 僕はイクス様に促されて、一度イクス様の部屋に向かった。

 「アレクくん、アレクくんには早急にしてもらわなければならないことが2つあるの。 分かっているわね」


 1つはイクス様のしていることを見ていれば、すぐにわかる。

 イクス様は下半身と言って良いのかラミアの場合分からないが、腰から下の部分の服を脱いだからだ。

 「胸の上に子供を乗せているから、今日は私が上で静かにさせてもらうわ。

  それに下に出してもらう方がエネルギー吸収が良いから、二重の意味でその方が良いわ」

 イクス様は僕も手早く脱がすと、上に乗ってきた。


 僕の下半身は脱がされている時から元気一杯だ。

 「ちゃんとエネルギーの補給をさせてくれる気満々ね」


 「はい、と言うかいいえというか、もちろん前に教わってますから、その気持ちも十分あるのですけど、今に関して言えば、それだけじゃなくて単純に一昨日からずっと慌ただしかったから」

 「あら、今朝も誰もなし?」

 「はい。 起きて食事だけしてすぐにこっちに来ましたから」


 「そうなの。 それは嬉しいわ。

  二重の意味で」


 イクス様はそんなことを話しながらも、上半身はほとんど動かさないで僕を刺激していたのだけど、僕は全く我慢ができず、すぐに一回出してしまった。

 イクス様はちょっと震えた。


 「ああ、本当にすごく濃いのが沢山出たわね。

  これだけエネルギーもらえると、おっぱいあげていても三日くらい何もしなくても大丈夫そうよ。

  逆にエネルギーに満ちている感じだわ」


 「あのイクス様、このままもう一回良いですか。

  僕、なんだかまだ収まらなくて」

 「もちろん良いわよ。 嬉しいわ。

  それじゃあ、今度はもう1つの話をしながらゆっくり楽しみましょう」


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