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気がついたらラミアに(なろう改訂版)  作者: 並矢 美樹
ラミアの捕虜

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21. セカンもついに

 前日と同じ様に、僕は木の下で木ノ実を受け取ることに専念し、もう一人は順番に務めることにして、採取という仕事をした。

 前日の様にスピードを上げて沢山採取することはなく、ゆっくりと作業を行なった。 樹を飛び移ったりするのは無しだ。


 採取した実は、丁度熟れ頃なのを直ぐに食べることが、ラミアにとって効率の良いエネルギー摂取で、過分に採って保存するというのは良くないらしい。 採ってから時間が経つとエネルギーが下がってしまうということで、急いで沢山採ってもあまり意味がないからだそうだ。

 つまりノルマの量を採るのが一番良いということ。

 今まではそのノルマの量を採るのに一日掛かっていたが、前日のちょっとした工夫だけで、大幅な時間短縮が出来た訳だ。


 ゆっくりとした作業でも時間は余り、僕はその余った時間に、セカンとディフィーにせがまれて、いくつかの薬草を教えたり、自分が食べる用のベリーを採ったりした。

 人間にとって嬉しいイチゴの類は、実の量に対して種の量が少ないから、ラミアにとっては魅力がないらしい。 ぶどうも僕は実が大きく種が小さい種類が嬉しいが、ラミアは実が小さくとも種が大きい種類を喜ぶ。


 少し気分に余裕ができたのか、僕はふと、

 「僕はこうして外に出れるから自分が食べて嬉しいモノも得られるけど、仲間たちは無理だろうなぁ」

と考えた。

 あの大きな部屋で僕だけ離された時から、この時まで、僕は一瞬たりとも仲間のことを考えなかったことに気づいた。

 きっと彼らも僕のことを考える余裕はないだろうな、もしかすると居なくなった事さえ気付いていないかもしれないと思った。

 そう考えると、ちょっと寂しいような、悲しいような気がしたけど、僕だって今の今まで全く考えていなかったのだ。 彼らを世話しているのは、ナーリアたちよりも迫力があるラミアたちだ。 とてもじゃないけど自分のことで精一杯だろうと、すぐに思った。


 この日、僕が見つけて一番嬉しかったのは、山芋だ。 丁度簡単に掘れる斜面に蔓を見つけ、試しに少し掘ってみたら簡単にかなりの大きさの芋が手に入った。


 「人間はそんな根っこの太くなったモノなんて食べるのかい?」

 セーブがからかい半分の調子で聞いてきた。


 「ラミアには分からないかもしれないけど、人間にとっては美味いんだ。 それにこの芋を食べると精がつくって言われているんだぞ」


 僕がちょっと「精がつく」を強調して言うと、ディフィーが敏感に反応して言葉を返してきた。

 「それなら、私たちは食べないけど、大いに食べて欲しいわ」


 僕の食事は少し豪華になりそうだ。

 ラミアの食べる木ノ実や果実の外側の果肉の部分だけだと、腹は膨れるけど、変化がなくて飽きてきちゃうんだよね、どうしても。 味としても物足りない。


 「僕が持ってた荷物の中には調味料も入っていたのだけど、それがないのが残念かな。 塩があるだけでも違うんだけどな。」


 僕がそう残念がるとナーリアが

 「それならあなたの荷物を休みの日にでも探してみたら。 武器とか防具でないから、きっと返してくれるわよ。 どうせ私たちは使わないから」

と言ってきた。


 「それに塩なら岩塩はある。」

 そうなの、レンス。 なんだか食生活に希望が少し見えてきたな。


 その晩、夕食を終えると、セカンが他の四人に言った。

 「今度は私の番。 少し実験したいから、みんなは手を出さないでくれるかな」


 他のメンバーを見回して、サーブが答えた。

 「うん、セカンの番だからな。 どんな実験をするのか知らないが、セカンの希望を優先しよう」


 「うん、ありがとう。」


 セカンは僕に座っている様に言い、自分も僕の前にきて座って高さを合わせると、僕にキスしてきた。

 軽いキスではなく、舌を僕の口の中に差し込み、ラミアの人より長い舌は僕の口の中をそこいら中舐め回した。 最初苦しいかと思ったが、そんな事はなく、舐め回されるのがとても気持ちよかった。 そして興奮した。


 口を離し、ちょっと不安げな表情でセカンが聞いてきた。

 「どう、アレク?

  口移しに水をあげた時には気持ち悪かったって言ってたけど、今は?

  口の中舐められて気持ち悪かった?」


 「そんなことないぞ、セカン。 とても気持ちよかったし、興奮してきた。」


 「良かった。 それじゃあ今度はアレクが私に触れたりしてみて」


 セカンはそう言うと、体の位置を少し上げ、僕の丁度顔の位置に胸を持ってきた。

 僕はセカンの言葉に従って、セカンに触れた。 顔の前に胸を持ってきたということは、きっと胸を触れということなのだろうと思い、胸に集中する。 嫌がられも、怒られもしなかったから正解だったのだろう。


 セカンは最初は動かずに位置をキープすることに気を使っているみたいだったが、その内に僕の頭を手で抱え、

 「うん、私もとても気持ちいい」

と言いながら、僕の動きによって、頭を抱えた手に力を入れたり、体を震わせたりしている。


 しばらくそんな感じだったら、また僕の鼻を匂いが襲ってきた。

 セカンの匂いが下から昇ってきて、僕の鼻の奥をくすぐるのだ。 ナーリアの匂いとは違うと認識できたのだが、セカンの匂いもとても興奮してしまう。

 ほんの少しだけ朝よりは冷静さを保てていた僕は、これはラミアが人間の男を誘引するフェロモンなのだろうか。 いや、人間の女性でも同じなのかな。 その判断は僕にはできないぞ、なんて考えた。

 実際のところは、僕はまた朝の様に理性を失ってしまうような衝動が止まらない感じになってきたので、それを押さえるために、無理矢理理性を保とうと、何か考え事をしようと抵抗しただけだ。


 セカンはそんな僕に気が付くと、僕の頭を離し、もう少し身体の高さを上げ、僕の目の前に自らの尻尾の付け根の位置を持ってきた。 匂いを強く感じさせようとしたのだろう。


 僕はたまらず朝と同様にセカンのお尻を抱きしめて顔を近づけようとした。 しかし、セカンに頭を手で押さえられてしまった。


 「ダメ、朝のナーリアと同じことはしない」


 そう言われても、僕も自分の動きをもう止められないのだが、肩を抑えられているからというだけでなく、お尻の辺りだともう尻尾の力が伝わるのだろうか、引き寄せようとしたのに動かなかった。


 セカンは、そんな僕の動きに合わせることなく、今度は逆に体の位置を下げていった。 顔がまたほぼ僕と同じくらいの位置になったので、もう一度キスしようとしているのだろうかと思ったのだが、セカンはなんだか決然とした顔をしていた。

 次の瞬間、僕は自分の下半身の感覚に、えっ、と驚いた。 これって。

 その瞬間物凄い快感が僕の腰から頭のてっぺんまで登ってきて、即座に放出し始めてしまったのだが、できなかった。

 セカンが身体をブルブル震わせながらも力を入れて締めつけ、その上片手で僕の下半身の根元を掴んで、握りしめて堰き止めているのだ。

 セカンは眉を寄せて、食いしばるような顔をして言った。


 「言って、・・・、言って、・・・。 私だけ言われてない。 私だけ気持ち悪いって言われた。 『気持ち良い』って言ってぇ〜!!」


 「セカン、気持ち良いよ。 今までで一番気持ち良い!」


 セカンはにっこりと満足そう笑うと、手を離し、身体を思いっきりガクガクと震わせた。 僕は、またしても匂いのせいか、それともちょっと堰き止められたせいか、爆発するように放出してしまった。 ほんの少しだけ、良いのだろうか、という考えが頭を掠めたのだけど、自分の体の反応を抑えることなんて、この状態で出来る訳がない。


 僕はしばらく放心していたみたいだが、気が付くとセカンを思いっきり抱きしめていた。

 「ふう」僕は息を吐くと、何となく恥ずかしい気持ちで、抱きしめていた力を抜いた。


 あれっ、なんだかおかしい。力を抜いたら、セカンの身体が崩れ落ちる。


 「はあ、アレクは大丈夫なようね。 ラミアの方が気を失っちゃうって」

 ナーリアが状況説明してくれた。


 「とりあえず四人で移動させよう。 これだけすれば気がついた時移動させられていても文句は言わないだろう」

 サーブの言葉で四人がセカンを持ち上げて隅に移動させた。


 「それにしてもセカンすごかったわね」


 「セカン、自分だけ気持ち悪かったって言われて、気にしてたのね」


 「あれは、口移しの水を誰かが飲ましてみるっていう、それこそ実験のせいだろ」


 「それでも、自分だけ気持ち悪いって言われたのはショックだったのよ」


 僕はまた色々と頭の中がパニックだった。

 またしても、ラミアの匂いで、完全に理性を無くしてしまったような気がする。 それに、あれって、そういうことだよな。

 僕は上擦った声で言った。

 「えーと、セカンは大丈夫なのか?」


 ナーリアがセカンの顔を一応覗き込んでから答えてくれた。

 「別に問題ないんじゃない。 普通に寝息立てているよ。

  安心したのと、満足したのとで、終わったら気が抜けただけだと思うよ」


 何だか言葉が軽い。 僕は真剣に色々考えてしまって、頭の中がグルグルしているのだが。

 「いや、なんて言うか。 セカン、少し変じゃなかったか?」


 「うん、だから、自分だけ『気持ち悪い』って言われたから、それがショックで、今度こそアレクに『気持ち良い』って言わせたいって、少し暴走しちゃったのよ」


 「いや、だからそれは、さっきサーブも言ってたけど、それは実験のせいであって、セカンが気持ち悪いということじゃ無いよ。

  それで、それがショックで暴走したと言っても、あそこまでしてしまって良かったかのかな」

 

 そんな僕を不思議そうな顔をして見ていたディフィーが言った。

 「あ、分かった。 うん、人間だと、そういう風に思っちゃうのか。

  アレク、安心して。 ラミアは人間とは違って、生殖というか、妊娠して子孫を残すかどうかは、自分の意思でコントロール出来るのよ。

  だからさっきのセカンのは、単純にエネルギー摂取の方法の一つでしかないわ。

  ま、それでもこの方法は、余程気に入った男に対してしかしない方法だけどね。

  セカンは自分だけ『気持ち悪かった』と言われたのを気にして、少し意地になって、その方法をやってみたんじゃない。 それで『気持ち良い』って言われたから満足したのよ」


 「ん、何? 言っていることが、良く解らないよ」

 ナーリアが聞き返した。


 ディフィーが説明しようとする前に、あまり何事にも口を出さないレンスが答えた。

 「人間の女は、妊娠する・しないを自分の意思でコントロールすることはできない。 だから、アレクはそういった可能性もあることを考えてしまって、凄く焦った」


 「そういうことなの。 ラミアはそんなことないから、そんなことを人間の男は考えるなんて、思ってもみなかったよ。

  でも、セカンも初めてだよね。 コントロールを間違えてないよね」


 「そんなことあり得る訳ないでしょ、ナーリア。

  自分で考えてみなよ。 子どもを作ろうと考えて、それを意識的にやらなければ、ラミアではあり得ないのは、自分の感覚としてわかるでしょ」


 ナーリアはディフィーにそう言われて、何だか自分の体を確かめているような雰囲気をしたと思ったら、「そりゃそうね」という感じで納得したような顔をした。


 「まあ、でも今日はもう寝よう。 どうせアレクもこれ以上は何もできないだろうし、考えられそうにないからな」


 サーブがいつになく素早く僕の右手を取ると眠る体勢をとりにきた。

 それに目敏く気づいたレンスが左手を確保した。


 遅れたディフィーが頭を膝枕しようとしたが、

 「今日はそれはダメ。」と窘たしなめられて渋々ナーリアと脚にまわった。


 僕は、そんなみんなの会話を聞いて、落ち着きを取り戻すどころか、余計に頭の中はパニックになっている。

 最初にパニクったのも、ディフィーの言った理由だけじゃ無いし、後の会話のラミアについての知識というか、情報も、僕の全く知らなかったことだし、色々考えないといけない、とも思っている。

 だけど、今は4人のラミアたちが、今まで以上に僕の手足に体を擦り付けてきていて、そっちに気を取られてしまって仕方ない。

 僕の少し鋭くなった嗅覚は、さっきのセカンだけじゃなくて、今、手足に体を擦り付けているラミアからも、匂いがしているのを感じるんだよね。


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