洗濯機を試験しよう
朝食の後に寮の洗濯場に来て、事務局で言われた区画を使い洗濯機を設置した。
この洗濯機は前世の洗濯乾燥機を元に魔導具化した物で、魔導モーターが出来てから構想はしていたのだが後回しにしてしまった。
イメージはH社のB○の10kgで今回は縦型で汚れ落ちを優先しまして、一応全自動と洗い時間や濯ぎの回数、乾燥時間等の設定変更、洗濯のみ、乾燥のみが出来る様にしました。
「設置はこれで良いけど排水がこっちに持って行けば良いのね。給水は魔石からだから良いとして、これでOKだね。じゃぁ動かしてみますか」
汚れ物を入れてから洗剤を入れてONさせる。
洗剤はまだ作ってないので石鹸を削っておいた。
「終わるまで乾燥を入れて90分位かな? 動いている時の状態も見ないとね」
一応スタートからの残り時間を表示はさせてはいますよ。
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「状態を見てるだけだと結構暇だよね。異常は今の所なさそうだね。おっ脱水が始まってたね。音が変わった」
また暫く状態の確認をしていると、寺子屋メンバーが来た。
「師匠〜、今度は何を作ったのですか?」
伯爵家女子が聞いて来た。
「全自動洗濯乾燥機で服等を洗う所から乾燥迄出来る魔導具」
「[クリーン]では駄目なのですか?」
殿下が聞いて来た。
「[クリーン]は全ての人が使える訳ではないのと、1枚1枚人がついてやらないといけないのけど、洗濯乾燥機なら纏めて洗えて1人でも出来る。終わる迄の間に別の事が出来るのと水仕事、作業人数が減ります」
「?」
殿下は想像出来無い様だ。
「殿下は一度王宮や王城での仕事を体験した方が良いですね。そうすればわかりますよ。そうする事によって知識を入れて魔法等に応用できますよ」
「では鉄道に載せるのですか」
また殿下が聞いて来た。
「今の所載せる予定は無いですよ。場所を取られるではないですか? その分人が乗れなくなり利益が無くなります。
乗務員が各部屋に入り、[クリーン]をしたりして部屋のチェックを行います。洗濯機使用だと乾燥迄終わったらまた部屋に行く事になり二度手間になりますので鉄道には乗せません。ただ5日以上走る列車ならお客様用に数台載せても良いかもしれません。盗難の危険が無ければの話ですが。
話は変わりますが、家の屋敷のメイドは早く入れて下さいと言っていましたよ。水仕事は大変ですから」
”ピーピーピー”
洗濯機から終了のアラームがなった。
「終わった様ですね。洗濯物の状態を見ましょうか」
セリカは洗濯機の蓋を上げてから籠に入れて洗濯物の汚れ落ちや乾燥具合を見る。
「良いですね。乾燥の方も上手く行った様です。
次回はもっと汚れたのをやりましょうかね。
後柔軟剤が欲しいかな。洗濯用の洗剤も作っても良いかも」
「何でセリカちゃんはそんなにポンポン出て来るの?」
ミウラちゃんが言って来た。
「必要と言うかこうだったら良いなとしか言えないよ。
柔軟剤は洗濯した服のゴワゴワ感を無くして肌ざわりが良くなるし、洗剤だって専用なら汚れ落ちがもっと良くなるからね。パレットさんにお願いしようかな?
それとジェミニさんとケターダさんにお願いが有るのだけど、良いかな?」
「変な事ではないなら」
ジェミニさんが言った。
「変な事じゃないよ。除雪用の魔導具を作ったから試験をして欲しい」
「男爵様がやらないのですか?」
「私また1ヶ月位休むからその間に雪が降って、積もったら使って試験して欲しい。
それで使ってのレポートを書いて下さい。魔導具師を目指すなら必要な事ですよ。試験をして検証して、どこがどの様に良かったとか、此処はこの様にしたら使い易くなるとかを書いて下さい。直せるなら構造をみてもらっても構いません。
それと農業用も作ってホーデン領で試験予定です。多分ですけど農家の方に実際に使ってもらうと思います」
「やります。リンダ師匠が作った魔導具をちゃんと見て勉強したいです」
「私もやります」
ケターダさんとジェミニさんが返事をした。
「それではお願いしようかな。ついでに仕様書も書いてみると良いよ」
「「はい」」
「セリカさんは何故1ヶ月も休むのですか?」
殿下が不思議そうに聞いて来た。
「新方式の船の長距離航行試験をやるのでフソウ国迄行って来ます。後積荷のやり方も変えたので検証もしないとね」
「もしかして褒賞でもらった船ですか?」
エマーダさんが聞いて来た。
「そうですよ。今はホーデン領沖で試験航行をしてます。フソウ国へは3日程短縮予定です」
「そんなにも日数が短縮出来るのですか?」
「はい、風に左右されないのと帆船よりも速度が出ますので。これによって輸送費も安くなりそうです」
「どうして安くなるのですか?」
殿下がまた聞いて来た。
「単純に話しますと人件費と船の使用費の3日分の費用を浮かす事ができます。それとそこの船からは荷物の積み方を従来からコンテナ方式に変えているので、より荷物が積める事になっていますので、その分も関係してきますね」
「良く分からないのですが?」
「もっと簡単に話しますと、荷馬車10台で10日かかっていたのが1台で7日で済む様になってと考えて下さい」
「まだ良く分からないのですが?」
「殿下、此の辺り話は領主の子で有れば知っていないといけない物です。では宿題にしましょう。
王城の通商部で有れば、より詳しく教えてくれるはずですので聞いてみて下さい。
まだこれから試験の続きをするので、話しは此処迄です。はい皆さん出て行って下さい」
一度全員を洗濯場から出したのですが、フソウ国組の2人とジェミニさんが「静かにしているので見学をさせて欲しい」と言って来たので、OKして今からやる事だけを説明してから動作確認の続きを始めました。
◆
セリカに追い出されたメンバー達は食堂で話していた。但し3人を除いて。
「セリカさんの言っていた事が全然分からなかったのだけど・・・皆はわかったの?」
殿下が皆に聞いて、皆は頷いていた。
「私と男爵家の所は鉄道でさとう大根の出荷が有るのでわかります。前までは何台もの荷馬車で途中宿泊しながらホーデン領迄運んでいたのが鉄道になって経費が削減出来ましたから」
伯爵家女子が殿下に言った。
「ミウラもわかるの?」
「わかりますよ。学園に入学した時にセリカちゃんと話した時から勉強しましたよ」
「覚えてますよ、あの時は最後の方は経済の話になったのですよね」
「ローレルは?」
「私もわかりましたよ。特産品をやる様になってからですけど」
「私だけなの?」
「まぁ頑張って勉強して下さい。でも分かってないとこれから困りますよ。特に特産品をやるならなおさらです」
4人は話しを続けた。
◆
全ての試験が終わったセリカは3人から質問を受け、答えてから事務局に行き、暫く置かしてもらえる様にしてもらって、使いたい人には使ってもらう事にした。
一応色落ちや生地によっては縮む事を言っておいた。
その後リンダに電話をして試験合格を言って、量産をスタートさせる。
勿論父親のダイナにも報告をした。
「洗濯機の試験も終わったから船に専念出来るね。
そうだお父さんに皇女様と[ゲート]で行って良いか聞いておこう。後香辛料も用意しておかないと」
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