王都の年末
(SIDE チヨ・エマーダ)
部活の時に作ったお酒の事を四姫様に報告に来ました。マツお姉様に付き添ってもらっています。
「そうですか、セリカさんと一緒に作ったと言う事ですね。それはホップを使った物ですか?」
「いえ違います。フソウ酒を使った物で、蒸留と言う技法を使っておりフソウ酒よりも酒精の度数が高い物となっています」
「そうですか。それでその作った物はありますか?」
「いえ、作った物は学園長と講師に提出しています」
「そうですか。実物が無ければどんな物か分かりませんね。
今から作る事は出来ますか?」
「蒸留器は有るのですが、お酒が無いので作る事が出来ません」
「ならスタリオンのところから2、3本持ってきましょう」
ミラージュは侍女に言ってお酒を取りに行かせた。
「それにしてもセリカさんは色々と考えるものですね。いったい年間でどれ位作っているのでしょうね。
マツは1年半以上セリカさんと行動をしていますがどう思っていますか?」
「男爵様の知識は広い分野で網羅しています。学園では習わない事も知っています。何処から知識を得るのか不思議です。
しかしそのお陰で私達はアドバイスをいただいております。そして尊敬しています」
「そうね、私もそう思うわ」
3人で話しをしているとドアが急に開いた。
「姫様どう言う事ですか? 俺の酒を持って行くなんて」
「スタリオン来ましたね。説明をしましょう。
セリカさんがフソウ酒から新しいお酒を作りました。ただその物が無いので作ろうとなったので協力を」
「何ですか? お酒からお酒を作るなんて始めて聞きましたよ」
「私もですよ。チヨもう一度説明して下さい」
チヨはもう一度、ミラージュに説明した事を言ってから持って来た試作用の蒸留器を出した。
「これで作ったと言う事ですね。実際にやってみましょう。此処では駄目なので食堂でやりましょうか。
スタリオンはお酒を持って来て下さい」
「分かりました。う〜俺の酒が〜」
スタリオンは泣く泣く酒を取りに行った。
◆
食堂に集まったミラージュ達はチヨが始めた蒸留を見守っていた。
スタリオンは今だに「俺の酒が〜」と言っている。
・
・
「出来ました。試飲をお願いします」
チヨは瓶に出て溜めた物をグラスに入れてミラージュとスタリオンに渡した。
2人は飲んでみた。
「ん、酒精が強くなっていますね。でもフソウ酒の感じは残っていますね」
「これは良い、美味い」
2人は感想を言っていた。
「男爵様はこれにフルーツを搾って物に入れると女性でも飲みやすくなると言っていました」
「ではやってみましょう」
ミラージュは侍女に言って用意させた。
「美味しいですね。とても飲みやすいです。これなら人気も出るでしょう。
年明けにでもセリカさんと話しをしましょう」
「酒精が強いので飲みすぎは注意されました。
講師には悪さをしないように言っていました」
「そうね、口当たりが良いからそうなりますね。
セリカさんも面白い事を言いますね。
まぁこれで進めましょう」
「姫様、私の領地でやらしてもらえないでしょうか」
「いいですけど、全国に広める程の生産力が有るかですね。本国に問い合わせてからにしましょう。場合によっては数カ所になります。
チヨの所はセリカさんとの共同開発者としてのライセンス料が入るようにしないといけませんね。
そうしないと不公平になりそうです」
「ありがとうございます」
「取り敢えずは打ち合わせをして本国からの返事が来てからにしましょう」
新規の事業が始まろうとしていた。
(SIDE ・・・・・)
これだけ噂を流せば東の門から新年の花火をやらざるを得ないだろう。今年は散々だったからな。
新年から良いことがありそうだ。
(SIDE 宰相閣下)
王城に戻った宰相は新年の花火の担当部署に行った。
「少し聞きたいのだが、年明けの花火は現在どの様になっているのだ」
宰相が聞くと担当が答える。
「北の門で第1王女で南の門で第2、3王女がやる予定になっています。
他には申請はありません」
「そうか、第2王女もやるのか?」
「はい、今年になって訓練をしたそうです」
「そうか、良い事だ。それで東の門の噂は入っているか?」
「えぇ入っています。いったい何処から出たのでしょうか?」
「なんとなく出どころはわかる。馬鹿な事をやったものだ。王城内と東の門に打ち上げの予定がない事の張り紙を出しておいてくれ。出来るだけ大きく。
今からやらないと混乱が起きる」
「分かりました、至急やります」
「それと[リフレクション]と[ホーミング改]、[強化]、[硬化]を付与して、地面と一体化をしておいてくれ。見た奴が何かをしてくるかも知れん」
「はい」
これでどうにかなれば良いが、まだ不安だな。
ー・ー・ー・ー・ー
(SIDE ・・・・・)
部下の執事から報告があり、門の所に{東の門では花火の打ち上げはありません。噂に惑わされないで下さい}と書いてある看板が立っていると。
どう言う事だ。門のところにあんな立て看板があったら花火が出来無いではないか。
執事達に言ってあの看板を燃やさせよう。
ー・ー・ー・ー・ー
あれから2日経ったが報告がないな。どうなっているのだ。
執事を呼ぶと何時もの執事が来なかった。
何故居ないか聞くと治療院で治療中とだと言った。
何があったのだ?
詳しく聞くと看板を壊す為に[ファイヤーボール]を撃ったが跳ね返って自分に当たりそのまま倒れて治療院に入った。
思わず「何だそれはー」と言ってしまった。
このままでは東だけ花火がない。
後2日しかない、どうする
◆
その頃セリカは何か嫌な予感がしてルバス邸の全方位に[結界]を張るこ事にした。
「確か[結界]にホ○ホイがついていた小説があったよね。真似しちゃおうかな。
外周の塀は[リフレクション]と[ホーミング改]を付与しておこう。
全部をイメージして発動!!」
魔法が発動されて、門が開いている時以外は鉄壁の守りになった。
「これで安心だね」
この日の夜もぐっすり眠れた。
ー・ー・ー・ー・ー
朝になり着替えて、玄関から外に出ると[結界]に10人程くっついていて、門から外を見ると7、8人倒れていたので[バインド]をしてロックをした。
そして直ぐに叔父様を呼びに行ってから外に連れ出し現状を見てもらった。
叔父様は直ぐに王城に連絡をして王都の警備隊に来てもらい、先ずは門の外で[バインド]されている人達を連行してもらい、それから[結界]を解除してホ○ホイにくっついていた人達を連行してもらった。
少しそれから叔父様の所に閣下から連絡があり、何やら話しているようだった。
何か有れば言って来るでしょう。
◆
「可怪しい、全く連絡がない。どう言う事だ。
あいつらだったらどうにかするだろう」
執務室に来ると、執事が急いでこちらに来た。
「公爵様、至急登城せよと連絡が来ました」
「何だ? 行けばわかるだろう」
直ぐに用意をして王城に向った。
◆
王城に着くと直ぐに部屋に案内された。
暫く待つとドアが開き、陛下と宰相閣下が入って来た。
「良く来た。何故呼ばれたかわかっているよな」
陛下が低い声でで言った。
「いえ」
公爵が返答した。
「残念だよ公爵。やった事を言えば多少は目を瞑ったが言わないならこちらにも考えがある。
お前は男爵に降爵、領地の入れ替え、財産の3/4の没収してそこから賠償金を支払う」
「そんな、何とかならないのですか?」
「もう遅いのだよ。やった事を反省するんだな。
帰っていいぞ」
そう言って陛下は部屋から退出した。
宰相は東の公爵の所に行き、言葉を発した。
「ルバス邸に進入しようとした輩は全て捕縛して全部喋ったぞ。証拠も押収した。本当に残念だよ元気でな」
そう言って部屋から出た。
東の公爵は膝から崩れ落ちた。
◆
ルバス邸では全員が集まり今回の事を叔父様の方から話しがあった。
今回の首謀者は東の公爵で、犯行を行なった理由として今年の花火をやってもらえず、新年も無いので噂を広めてやらざるを得ないように持って行こうとして失敗して、強硬手段で私を誘拐してやらせようとしたらしい。
「馬鹿ですね。普通に依頼を出せば良かっただけの話ではないですか」
私はそう言ってしまった。
「そうだな、やるやらないにしても声をかけてくるのが通常のやり方だな。
取り敢えず終わった事だ。
セリカはいつの間にあんな事をしたんだ」
「何か嫌な予感がしたので自己防衛の為にやりました。でもホ○ホイにくっついていた人達には笑わせてもらいました」
「そうだな俺も見たときに吹き出しそうになった」
2人して思いだして笑っていた。
まぁ私達に危害が無かったから良しとしよう。
後は新年の花火を見てパーティーだ。
何か美味しい物はあるかな?
ご覧いただきありがとうございます。




