殿下の新作と甘味用の魔導具
陛下達との話を終えた第3王女はそのまま王宮の料理長の所に行き、学園祭の事を話した。
「甘味の開発ですか?」
料理長が言うと第3王女が返事をした。
「そう、出店のメニューにして出来ればそのまま王都の特産品として出したいの。先ず1品をやればやりやすくなると思うの。
ローレルだって出来たのだから私にも出来ると思うの、だから協力して欲しい。
それにこれは私の自信になる事だから」
「それでどういった物をお考えですか?」
「まだ1からは出来無いから今まで教えてもらった物を改良した物にする」
「わかりました。では始めましょうか」
第3王女と料理長は先ずベースとなる物を選定し始めた。
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料理部では学園祭のメニュー決めをやっていた。
「前回はホーデンさんから3つの提案が有りましたが、他の人はどうですか?」
部長が部員に聞いていたが殿下が手を挙げいた。
「部長、良いですか?」
「どうぞ」
部長が殿下を指名した。
「私はミルクバーのジャム入りと脱脂粉乳を使ったクッキーを2種類を作りたいです。試食用として少しですが持って来ました」
「ありがとうございます。他にはありますか?」
部長がそう言うと先輩達がクレープとフライドポテトをやりたいと言ってメニューは決まりました。
その後は殿下が作って来た甘味の試食会となり、全員で食べました。
私もミルクバーからいただきました。
「殿下、とても美味しいです。特に紅茶が入ったミルククッキーは最後に香りが残って良いですね。お茶会とかに合いそうです」
「本当ですか? でも嬉しいです。セリカさんに教わった改良ですけど」
「それでも新しい味が出来た事は誇っても良いですよ」
殿下はとても嬉しそうでした。私も早く作らないとね。
◆
その日の晩にリンダさんから出来たと連絡があり、屋敷に届けてもらう様にしたのですが、試験動作確認の時にアンリさんが使用してカゼットさんにおねだりをしていたそうです。
リンダさんの連絡の後にお父さんに「明日行くよ」とメールをしておきました。
ー・ー・ー・ー・ー
翌日の放課後にタウンハウスに行こうとしたら殿下に捕まってしまったのですが、家の用事と言って逃げました。教える訳には行かないからね。
◆
タウンハウスの中に入り、ピアノのあるホールからお父さんの執務室に繋げ様と思います。
「そうだ、お姉ちゃんの後ろに出る様にして驚かそう」
お父さんの執務室を思いだしてイメージをして発動させます。
「[ゲート]お父さんの執務室でお姉ちゃんの後ろ」
そう言うと、お姉ちゃんの後ろに[ゲート]が開き、忍びの様に音をたてずにくぐり、お姉ちゃんの真後ろに立ってからお姉ちゃんの両目を手で塞いだ。
「だ〜れだ」と言ったら、お姉ちゃんから肘打ちを食らい手を離した。
「痛い、地味に痛い」
お姉ちゃんがこちらを向いて言って来た。
「あらセリカだったの? 刺客だと思ったわ」
「お姉ちゃんは誰と戦っているのですか〜」
「今日セリカが来るのは知っていたから、何かしてくるだろうとは思っていたのよ」
「うぅ〜バレてる」
「貴方のお姉ちゃんだからね。お母さんだったらふっ飛ばされていたわよ」
「お母さんにはやりません。お父さんにします」
「その方が良いわね。それで魔導具は預かっているけど、お母さんにはバレてるいるわよ。そろそろ来る頃ね」
その時、活き良いよくドアが開いた。
「セリカ帰って来てるのね。直ぐに作って!!」
「はい」
お姉ちゃんから魔導具をもらってキッチンに向かった。
◆
「ユーナさん良いですか?」
と言ってキッチンに入って行った。
「お嬢帰ってたのか?」
「うん、魔導具を取りにね。それで使い道がお母さんにバレて作りに来た。2種類あるのだけど1つは時間がかかるから1つだけ」
「何が必要だ?」
「ホットケーキの素とカスタードクリームと白いクリーム」
「カスタードクリーム?」
「そっちは私が作るよ。素の方をお願い」
さて始めましょうか。
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「これで材料の準備はできたね。たい焼き器の準備も終わっているから、後は焼くだけだね」
魔導具をONさせて温まって来たら型のついたフライパンに材料を入れて、少し固まってきたらクリームを片側に乗せてから、反対側を折り返して乗せます。
数回ひっくり返せば出来上がり。
「さて上手く出来ているかな。綺麗に型から取れれば良いけど」
上になっている方を元に戻すと上手く型から外れたので、出来たのをトングで取り、お皿に乗せた。
「上手く出来たよ。焼き加減も良いね。形も綺麗だ」
「これはフソウ国の今川焼か?」
「まぁ似たような物だよ。焼きながら試食しようか」
「そうだな」
そう言ってユーナさんが1つ取って食べる前に焼いた物を見ていた。
「これは猫か? 随分と可愛らしいな。食べるのが勿体ないよ」
「飾っといても良いよ。私は食べるけど」
そう言うとユーナさんも食べた。
「面白い味のクリームだな。今度パンにでも入れてみようかな?」
「アンコを入れたパンとセットで出せばお母さんも喜ぶよ」
「良しやってみよう」
試食も終わり、メイド用の分も焼き上げてからそのまま帰った。
「不味い、門限ギリギリだよ」
◆
焼いたのはユーナがリビングに持って行った。
「セリカはいないの?」
「寮の門限があるそうで急いで帰りました」
「それでユーナは作り方を覚えたの?」
「覚えましたけど道具が無いので」
「そう、カリーナ発注しといて」
「えっ私ですか? わかりました、やっておきます」
ルシーダは甘味を持って、形を見ている。
「可愛らしいわね。相変わらずセリカは面白い事をするわ」
そう言って食べ始めた。
「あら美味しいわね、このクリームは新作ね。もっと食べたいわ。ユーナもう無いの?」
「もう有りません」
「そうなの? セリカを呼び戻しましょう」
(お母さんが無茶を言い出したよ。お父さんに止めてもらわないと)
カリーナは心の中でそう思った。
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