閑話 ホーデン領と頑張る北の辺境伯Ⅱ
「ユータ、現状はどうだ」
リンダが尋ねた。
「モーターは載せ終えていて空回転では軸振れは無いです。コンテナを載せる部分は甲板に穴を開けています」
「そうか順調そうだな」
「何かあったのですか?」
「セリカお嬢様からの新しい魔導具の発注が来たんだよ。相変わらず直ぐ思いつくよ」
「結構な量があるのですか?」
「いや、2種類を各2台でお菓子作り用だ。カゼットが欲しがるかもしれん」
「セリカお嬢様はそんなにも作っているのですか?」
「面白そうな物ばかり考えて来るよ。こっちも楽しいけどな。それでも少なくなった方だぞ。まぁこっちは順調だな。カゼットにも連絡を入れておくか」
◆
リンダから連絡を受けたカゼットはと言うと。
「またセリカお嬢様がやらかしたの〜」
「オーナーどうしましたか?」
「あぁアンリちゃん、セリカお嬢様がまた新しい甘味を思いついたらしくて、リンダの所に魔導具の発注があったそうよ」
「へ〜、どんな魔導具何ですか?」
カゼットはリンダからの魔導具をアンリに説明した。
「オーナー、出来たら連れて行ってもらえますか?
使ってみたいです」
「わかったわ、リンダに言っておくよ」
「やったー」
アンリは物凄く喜んでいた。
◆
ホーデン家の執務室ではカリーナが悩んでいた。
「カリーナどうした?」
「あっお父さん、西の路線図なんですけど3つ迄に絞ったのですが、どれも決定打に欠けるのです。
一応赤字にはなりません」
「そうか、その3つの路線のメリットとデメリットを書いておいてくれ。閣下に連絡して決めてもらうよ。
その方が後々良さそうだ。もし何か有れば支線を作るしかないだろう」
「そうですね、面倒なのは閣下に投げましょう」
「カリーナ、最近セリカに似て来たぞ」
「それは褒めているのですか」
ダイナは顔を背けた。
「書いたら見せます」
何時ものホーデン家であった。
ーーーーーーー
北の辺境伯は北方面の北側の領主達と鉄道の事を話し合っていた。
「色々と検討したけど西に繋げないと大赤字だぞ。
東側は人が少なすぎる。それに貨物もそれ程必要無い。男爵の所からワシの所に来て、中央の伯爵領に、そこから西側の伯爵領に行ってから西方面の侯爵領を通って西の公爵領でないと赤字になってしまう」
「最悪西側の伯爵領から2侯爵領を通って公爵領に支線を作るしかないですね。
その場合は伯爵領から侯爵領は上下共に週1〜2便で侯爵領から公爵領までを上下共に1日1〜2便ですね。
男爵領から西の公爵領迄は上下共に1日1〜2又は3便ですね」
「支線無しだと健全な運営が出来て、支線有りだとギリギリになると言う事だな」
「ギリギリ迄は行きませんがおおよそその認識で合っています」
「これで公爵様の所に持って行くか。頭が痛くなるな」
ー・ー・ー・ー・ー
北の辺境伯と男爵は北の公爵と面会して鉄道の事を話していた。
「これでは公爵領に来るのが少なくならないか?」
「中央北と西側に関しては西の公爵領で、週1〜2便が北の公爵領になります。これでもこちらに集め様としたのですが、赤字もしくはギリギリの経営になってしまうのです。それで本線は西の公爵領で敷くと健全な経営ができます。北部方面は西側に人口が多い為にどうしてもこの様になります。それで西側の伯爵領から公爵領迄の支線を敷いて此方にも来れる様に考えはしましたが伯爵領と侯爵領迄の男爵領や子爵領は人口が思ったよりも少ないのです。それでも経営はギリギリよりも少し良い程度です。後は貨物次第の所もあります」
「どうしても此方には全部来れないと言うことか」
「赤字になった際には公爵様にも補填して頂ければ可能です。それに全線開通迄は赤字やギリギリの経営になるでしょう」
「南部の方はどうなっているのだ?」
「ホーデンからキズスと西の公爵領から塩の子爵領迄は旅客、貨物については黒字ですが他は貨物をメインにしてギリギリだそうです」
「そうか、工事予定はどう考えている?」
「一応西の公爵領からスタートして伯爵領迄を1期として行い、そこからはまだ決めておりません。先に支線を敷くか、本線を敷くか迷っております」
「支線が先だろうな。公爵領と侯爵領である程度黒字を出しておかなければ他が続けられないだろう。
ワシも出資はするよ。北部方面はホーデン家の様な所は無いからな。工事、運営はお前さん達に任す。
ワシよりも実状に詳しいからな。何か有れば手も貸そう。
それと話しは変わるが北でも塩は出来無いのか?
南部で塩を海から作っていると以前聞いてな」
男爵がホーデン領に行った時の事を話した。
「あの鉄道はその為のものだったのか。作るとすれば北部のみの販売か、もしくは輸出。貴族同士の繋がりを考えればそうなるな。もう少し考えるか。
取り敢えずはその路線図で進めてくれ」
◆
公爵との話が終わり、食堂に入り一休みしていた。
「今日の公爵様何か違いましたね」
「あぁあの人は普段やる気の無い事をしているんだ。
その代わり必要と思われる事はキッチリやるぞ。
まぁ取り敢えずは一歩進んだな」
「そうですね。後息子からですが、ホーデン家は西の延長工事に入るそうです。その時にフソウ国からの技術者が研修や実習に来ると手紙に書いてありました」
「いい手だな。北部も混ぜてもらうか」
「ダイナと連絡をとっておきますよ」
「頼む。ちゃんとやらないとセリカ嬢にぶっ飛ばされるからな」
2人は楽しく食事をとり、この先の事を話しあった。
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