学園祭は何をやろうⅡ
(SIDE ジェミニ)
セリカさんに言われてしまった。確かに入部してから何も作っていない。
その日は眠れなかった。
翌日の部活の時に、またケターダさんに話を聞いてもらった。
「男爵様の言う通りですね。私もそう思いますよ。
今作っている魔導具だって男爵様と話しをしている時に出て来たものですよ。
趣味を聞かれたのでお菓子作りが好きと答えたのです。その時にハンドミキサーが有れば混ぜるのに楽になると、餅つき器が有ればお餅が楽に、簡単に出来ると言われたので作ってみる事にしたのです。
先日の除雪の事も4人で検証しましたよ。耕す刃の部分を色々と変えてやりましたよ。
実に面白かったです。魔力量のある人は短時間で耕せますね。魔力量の少ない人には魔導モーターを使えば簡単に耕せます。
ジェミニさんも色々と考える前に試して、結果が出てから考えれば良いのでは? その方が前に進めますよ」
「考えてみます」
「その「考えてみます」と言うのは止めた方が良いと思いますよ。その場で止まった様に感じますので意識的に「試してみます」とかの前向きな言葉にした方が良いと思いますよ。気分的にも変わるはずです。
私は男爵様に会えた事には感謝していますよ。今では尊敬出来る人の1人です」
御礼を言って席に戻った。
ケターダさんが言った事を先ずやってみよう。
何か変わるかもしれないから。
ー・ー・ー・ー・ー
週末になって料理部では学園祭の出店時のメニュー決めとなった。
「何をやるか考えて来たかな?」
部長が問いかけたが誰も何も言わない。
「ホーデンさんはどうかな?」
「はい、ホットケーキの素を使った焼き菓子を2つとさつまいもを使った物を1つを。
さつまいもはホーデン領のお祭でも人気のある物です」
「3つもありがとう。出来れば後2、3つ欲しいわね。残りは他の皆で考えましょう。休日明けにまた聞きます。発表出来る様に」
このまま解散となったので寮に戻って仕様書の続きとお父さんとリンダさんに連絡を入れておかないと。
◆
部屋に戻り、仕様書を書き始め様とすると殿下が私を訪ねて来た。
「どうしましたか?」
私が尋ねると殿下が答えました。
「どうして私と一緒にやってもらえないのですか?」
「殿下はそろそろ実績を出す時期に来ています。今まで私はそのお手伝いをしていたつもりですが、今の所結果は出ていないようです。
王都のみで作られている野菜、揚げ鶏、北の牧場のお肉、最後にミルクをお教えいたしました。そこから何かしましたか? 王宮の料理長と一緒にやって何か出来ましたか? 王都の特産品を作りたいと以前に聞きましたが、何かを始めていますか? 私と一緒にやって、ただやるだけではやっていないのと一緒ですよ。
料理長に丸投げして終わりですか?
私は殿下が先頭になってやらないと意味はないと思っています。
先日、皇女様との違いは何ですか?と聞いて来ましたが、その答えの先を言いますね。
皇女様は私の魔法等を教わったり、見た後は自分の物にして応用しているのです。光属性魔法で言えば、船同士の連絡に使っていたり、花火魔法も離れた所にいる人達への連絡に使われていました。
皇女様はこの様に国民の先頭に立ってやっています。殿下は教わるだけで何も無い。
ローレルさんは私の話を聞いて、直ぐに行動して数ヶ月後には特産品として成功して実績を積んでいます。私はこの話を聞いてとても嬉しかったですよ。
殿下も料理長と言う味方がいるのですから、先ず1つ作って下さい。それが殿下の自信に繋がります。
これが今回一緒にやらない理由です。
私は殿下が作った何かを見たいです」
「もし私が何かを作ったら、また一緒にやってくれますか?」
「はい、一緒にやりましょう。私は殿下と一緒に作るのは楽しいですよ」
「わかりました」
そう言って殿下は部屋を出て行った。
(SIDE 第3王女)
セリカさんに言われて凄く悔しかった。そしてとても嬉しかった。私の事も考えてくれていたんだと。
今日の事を陛下、上お姉様、宰相に話した。
「セリカ嬢はそこまで考えていたのか。それに皇女も花火魔法をその様に使うとは。あの2人は面白いな、私も負けていられないな」
「陛下が競ってどうするのですか?」
「そう言うな、魔法に関してはフソウ国に抜かれそうだな。イメージの魔法を早急にやらないとだな」
「そうですね。魔法以外でも鉄道を始めるそうです。ホーデン領には実習の為の人が来ています。
我が国は北方面が動き出してはいます」
「宰相の方はどうなんだ?」
「ホーデン家が準備を進めています。路線図が出来ればスタート出来ますね」
「4年前倒しで始めるのか。まぁ鉄道はまた今度だ。
今は第3王女の事だ。
それで第3王女はどうするのだ?」
「先ず始めてみようと思います」
「その方が良いな。味見は上王妃殿下が喜んでやってくれると思うぞ。それにそこまで考えてくれる友人は中々いないからな」
「はい」
「私ももっと仲良くなっておくべきだったかな?」
第1王女がボソッと言った。
話しを終えた第3王女は王宮の料理長の所に向かった。
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殿下が帰った後は、仕様書を書き上げてからお父さんとリンダさんに連絡を入れてから仕様書をリンダさんの所に送りました。
「これで準備はOKだね。殿下は大丈夫かな? まぁ楽しみにしておこう」
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