閑話 進級と頑張る北の辺境伯
(SIDE ミウラ)
2年に進級して殿下とローレルがAクラスに来た。
セリカちゃんとフソウ国からの留学生がいない為その分上に上がって来たと言っていたが本当の所はどうなんだろう。まぁ2人共頑張っては居たからね。
昼食後に殿下とローレルとで話しをしました。
「春の休暇はどうだったの?」
「ずっと特産品の方をやっていました。魔導具も出来て来たのでドライフルーツは増産してます」
「魔導具はセリカちゃんの所で作ったの?」
「領内の工房で作ってもらいました。セリカさんの所は見積もりだけで製品自体(設計料込)と運送費を入れても安かったのだけど、領内の産業を潰す分けには行かないから見積もりを見せて安くしてもらったわ。それでも1.5倍はするけどね。ミウラはどうなの?」
「家はやっと認知され出したよ。まだ近場用しかないけど、他にないか領内を見たけど無いのよ」
「気が付かないだけかもよ」
「うっそうかも。殿下はどうですか?」
「西の孤児院で寺子屋を始めたわ。まだ週に1度だけど、魔法を教え始めたの」
「読み書き、計算はやってないのですか?」
「そっちはまだね。近くの子供も来る様にしているわ。私と上姉様で教えているの」
「特産品の方はどうなのですか?」
ローレルが殿下に聞いていた。
「それが全然上手くいってないの。甘味は孤児院の子供達が始めているから他の物を探しているのだけど・・・」
「その甘味はセリカちゃんが絡んでいるの?」
「バッチリ絡んでいるわ」
詳しく聞くと孤児院の子供達が中々働けなかったのでセリカちゃんが屋台を作ってから、甘味の作り方を教えたそうだ。ホーデン領からも菓子職人が来て教えていると言っていた。
視察から帰って来た上王妃殿下が時々買いに行くそうだ。
「セリカちゃんも色々と手を出してるね。今頃フソウ国でやらかしているかも。皇女様も結構悪ノリしてくるからな〜。2人共面白そうな事は直ぐに手を出すからね」
「フソウ国の皇女と私達との違いは何でしょうか?」
殿下が聞いてくる。
「2人は共通の目標を持っていて、なおかつお互いに高めあうことが出来る。
話しをしてもそこから応用している。
私達はセリカちゃんから教わるだけで、何かを与える事が出来無い。
領を栄えさせる目標は同じだけど全ては後追いになっていて、私達の知識が足りなさすぎる。
これは知っているかわかりませんがフソウ国の皇族は国に対して貢献もしくは結果を出さないと放出されます。
皇女殿下は貿易と外交で結果を出そうとしました。
結果としてはセリカちゃんと出会った事で当分は大丈夫だと思いますよ。これからもフソウ国とホーデン領の友好は続くでしょうね。
第1王女殿下が皇女殿下と話しをしたりするけどセリカちゃんの様な事はしてないから友好としては浅いよね。
まぁ国の成り立ちが違うからしょうがないけどね。
それとセリカちゃんとは意見が言い合える様にならないとね。私も含めてだけど」
「時間ですね。授業の準備をしましょう」
ローレルが言ってきたので話しを終了したのですが殿下は考え込んでいた。
(SIDE 北の辺境伯)
昨年の学園祭に北の海産物を販売して大盛況だった。これはホーデン家のセリカ嬢による発案だった。
表向きは北の幸が食べたいだが、実は冷凍庫を使っての実験だった。
この実験は成功して学園祭での出店、王都に海産物の出荷元の男爵とその周辺の領の協力でパイロットショップを開く事が出来た。
今はまだ物珍しさから買っていってもらっているが、この先の心配もあるが内陸に海産物を届けられる様になるのは喜ばしい事だ。
一番最初に男爵から話しがあった時には思わず冷凍庫を載せた荷馬車を見に行ってしまった。
学園祭では宰相閣下よりセリカ嬢を紹介してもらい、実際に話すととても頭の良い娘で回転も早く先を見通している。
まぁセリカ嬢には情けない姿を見せてしまったが。
学園祭の後は男爵と一緒にホーデン領に向かったのだが、西の公爵の領都から鉄道に乗った。
上王陛下から以前鉄道を敷いて欲しいと言われていたので実際に乗ってみるととても快適で短時間で到着した。遠回りをしてるとはいえ1/3の時間で済んでしまう。旅客だけではなく、貨物も走っていると言っていた。
これだったら消費期限の短い物でも遠くに運べる。
ホーデン領に着き打ち合わせを始めると鉄道に関して色々と言われてしまった。
冷凍庫やスクリュー式と呼ばれる新しい船の推進方法はどうにか話は出来た。
途中で頭を冷やす為に男爵に任せて宿に戻った。
男爵が戻って来て、領主に教わって来た食堂に行くと海産物のメニューがとても多かった。
店員に話を聞くとフソウ国の商品や新しい調味料、今まで使われていなかった食材を使っているそうだ。
ほぼセリカ嬢の開発した物と言っていた。いったい何種類のレシピ登録があるのだろうか。
食事をしながら男爵にあの後の事を聞くと「大丈夫」ですよと言われた。
スクリュー式は見積もりを送ってくれると言っており、鉄道に関しては北部方面の実状を調べてから路線図を考えた方が良いと言っており、場合によっては西や東の公爵領の領都に繋げた方が良いとも言っていた。
鉄道はとりあえず戻ってからだな。
翌日には近くの漁港に行き、スクリュー式の船を持っている漁師に話を聞いた。
スクリュー式になってから風で左右されずに速度も出るので漁場に早く行けて漁獲量も増えたそうだが、ただ定期的なメンテナンスが必要になったと言っていた。
一旦王都に戻り、男爵の2男に会いパイロットショップの話をしてから、北の公爵に会いに行き、鉄道の事を聞くと「お前に任すよ」と言われたので路線図を描いてから相談に伺いますと言って領地に戻った。
暫くしたらスクリュー式の見積もりが来て男爵は先ず3隻分を導入して様子をみると言っていた。
パイロットショップは男爵を中心として王都に店を出す事になり、荷馬車用冷凍庫をとりあえず最低限の台数を購入して運送会社に貸し出しをした。
需要が増えて行けば追加だな。
食堂のメニューはホーデン家の協力を得てどうにかなり、ホーデン家と北の辺境伯家、男爵家でのレシピ公開で1部のメニューではパイロットショップでの販売となる。
これからの新メニューは北部での開発予定だ。現在募集をかけている。
オープンした時には大勢のお客が来てくれた。食堂も多くの人が利用していた。
男爵の2男がテイクアウトを提案してきたのも採用したら行列が出来ていた。今回からは肉類もあるのでメニューが増えている。
セリカ嬢も料理部の部員達と来てくれていた。
上王の側妃様もお忍びで来ていただき、カニを召し上がっていただき喜んでいただいた。
これで北部の活性化に繋がれば嬉しい。
後は鉄道を考えないといけないな。
男爵と一緒に考えるか。セリカ嬢にぶっ飛ばされない様にしないとな。
ご覧いただきありがとうございます。




