助けたけどどうしようかな
漂流救助者の事をお父さんに相談した。
「家の領に来てもらって、ギルドで職の斡旋をしてもらえれば良いだろう。
それにしても国で率先して奴隷貿易をやっているのか。
王国は犯罪者の奴隷はあるが、強制的に国民を奴隷にはしないからな。
奴隷の送り先のナーシ帝国と言うのはきっと強国なんだろうな。それに周辺国は属国扱いなのだろう」
「そうかもしれません。攻撃魔法がチートならぶっ潰したいくらいです」
「気持ちはわかるけどそう言うな。それで後はどうするのだ?」
「鑑定して健康状態の確認と魔法とスキルの確認ですね。出来れば魔法の初期訓練して寺子屋に通わせたいと思っています。南アキ国では何もしていませんから。それから私の様な転生者の確認も必要ですね」
「寺子屋はパレットに聞けば良いだろう。転生者か。ユキやレイ達がそうだったな。彼らの能力には助けられているからな。
その辺りはセリカに任すよ。その方が良いような気がする」
「わかりました。何か有ればまた相談させて下さい」
そう言ってお父さんの客室を出た。
叔父様が居なくて良かった。
◆
救助者は今は食堂にいると聞いたので、そちらに向かった。
食堂に入ると救助者達はお粥を食べていた。
「セリカさん、どうでしたか?」
皇女様に声をかけられた。
「ホーデン領で受け入れは可能です。この後に[鑑定]をして診断と魔法適正の確認ですね。
それが終わったら船を移ってもらいましょう。こちらは客室が有りませんから」
食事の後に全員の診断と魔法適正を確認すると転生者が3名いた。後で色々と聞かないと。
奴隷契約は全員仮契約だった。
診断内容、魔法適正、スキルは紙に書いて各自に渡した。犯罪者が居なくて良かった。
大人が9人(男性4人、女性5人)15歳以上
小人が7名(男性3人、女性4人)15歳未満
先程話を聞いた役人の方に来てもらいこれからの事の話しをしました。
「先ず船を移ってもらいます。この船には客室がいっぱいなので寝泊まり出来無いのです。
それとこれからの事ですが、南アキ国の7つ西に有るエンジプト王国でそこのホーデン領に行きます。そこは私の父が領主をしている領になります。仕事はいっぱい有りますから心配しないで下さい。
最後ですが、奴隷契約の事です。仮の契約なら解除する事が出来ます。
実は3年前に同じ様に漂流者を5名救助しました。
その5名は奴隷契約を解除してホーデン領で働いております」
「本当ですか!! お願いします。それに生きている人がいたのですね。良かった」
「貴方はどうしますか? 役人ですので国に帰りますか?」
どうするかを聞くと国には戻らないと言っていた。
貧乏貴族の4男で、ある貴族に政略結婚で婿入していたのだが、その貴族は領民を家畜の様に扱い贅沢な暮らしをして何時も衝突をしていたと話してくれた。
一応家族には戻らなっかったら死んだと思ってくれと言ってあるそうだ。
元々側室の子で4男だったので成人したら平民になる予定だったらしい。
とりあえずは話しは終わったので船を移動してもらいましょう。
この人は暫く纏め役と言う事で。
◆
皇女様と船長に話しをしてから、私は1隻の船に行き私達の乗っている船に横付けしてもらいました。
また戻り救助者に言いました。
「この船は客室がいっぱいなので、横付けしている船に移動してもらいます。
移動した後に奴隷契約の解除しますので甲板にいて下さい。その後客室を使って休んで下さい。
役人の方が纏め役となっていますので何か有れば言って下さい。それでは移動をお願いします」
◆
全員が船の移動をして奴隷契約の解除をすると皆は喜んでいた。抱き合う人もいれば、喜びで泣いている人もいた。
そしてある3人を呼んでもらった。
◆
来てもらった3人を引き連れて離れた所で話しを始めた。男性が1人、女性が2人。
「来てもらったのは貴方達が転生者と言う事です。
2人が日本人で、1人が北欧の人です。
聞いておきますけど自覚はあったのかな?
私も日本からの転生者で、これから行く所にも5人の日本からの転生者がいますので、困った事が有れば聞くと良いでしょう。
その内4人は前回の南アキ国の奴隷でしたが解放してこれから向かう所で楽しんでおり働いています。
貴方達も魔法適正とスキルを見てこの後どうするかを考えて欲しい。相談にも乗るし魔法の使い方は教えるよ。とりあえず今日は休んで疲れたでしょ」
そう言って自分の船に戻った。
◆
「どうでしたか?」
皇女様が声をかけて来ました。
「奴隷契約の解除をして、今日は休んでもらいました。
16人増えたから食料が足りないかもしれませんね」
「そうですね、多少は多く持って来ていますが余裕が無いかもしれません」
「明日から釣り大会かな?」
「今度は私も参加しましょう。あの大きいのを釣ってみたいです」
皇女様と楽しく話していると夕食の時間になり、私は救助者の方に[バーニア]を使って食事を運んだ。
◆
食事を持って行くと甲板で遊んでいた子供達がやって来た。
「お姉ちゃん凄い、どうやったらお空に飛べるの? 私も飛べる様になるの?」
「魔法を覚えたら飛べる様になるよ。その前に魔法の使い方を覚えないとね」
頭を撫でながら言ったら「頑張って覚えるよ」と言ってくれた。魔法を好きになってくれると良いな。
◆
夕食後は転生者の3人の事を考えていた。
○ ユータ 20歳 奴隷解除 転生者(日本人)
元造船メーカー勤務
魔法属性 火風水無
スキル 物作り、修理、造船
○ ルナ 18歳 奴隷解除 転生者(日本人)
元小学校教員 教頭
魔法属性 風水光聖無
スキル 教育者、指導力、カウセリング、事務
礼儀作法
○ アイリス 7歳 奴隷解除 転生者(北欧)
元医師、病院勤務
魔法属性 火風水光聖無
スキル 医療、薬剤、薬師、錬金術、鑑定
備考 両親に売られてしまった。
「どうしようかな? ユータさんがリンダさんの所で、ルナさんが寺子屋で、アイリスちゃんは一時研究室かな? 先ず魔法を使える様にしないとね。
明日から全員で訓練をしてみるかな」
「セリカ、何をブツブツ言っているのかしら? 甘味が食べたいから出してちょうだい」
「お母さん、寝る前に食べると良く有りませんよ」
「そんな事無いわよ」
「船に乗っている間は運動とかはしないから余計に丸くなりますよ」
「ふ~んそう言う事を言うのね」
「では1つだけにしましょう」
「3個が良いわ」
「お母さんのお腹が丸くなってしまう」
そう言うとお母さんの手が私のほっぺを摘んだ。
「ひはひへふう」
「まぁセリカの言う事はわかったわ。2個で」
「はひ」
返事をすると手が離れたので、甘味を2個を出してからほっぺをさすった。
本当はあんまり痛くないけどね。ただの親子の戯れですよ。
お母さんは甘味を食べて満足そうな顔をしているから良いか。
それとお母さんが寝たらお腹に「大きくな〜れ」と魔法をかけておこうかな。
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