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聖女無双  作者: 水無月 黒
第三章 飛蝗

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69/96

検証中

 会議が終わった後、優太達は外へと出てきていた。魔物除けの結界を試す為である。

 エルハーベスタから提供されたのは、郊外にある広い空き地。普段は軍が演習に使用している場所だそうだ。

 「魔法の発動体にはこれを使うと良いサ。ある程度魔力を貯める効果があるヨ。」

 優太はアッカーマン教授から短剣のような形をした発動体を受け取ると、そのまま地面に突き立てた。

 「『対魔物結界(アンチモンスターバリアー)』!」

 優太はそのまま気合を込めて魔法を発動した。

 簡易封屍結界と異なり、魔法の発動体を中心に球形に展開する結界であった。相手が空を飛ぶ昆虫型のモンスターであることを考えればこの方が都合が良いだろう。

 「おおっ!!」

 ギャラリーが湧きたつ。優太の張った結界は、半径一キロメートルを超えていた。『死者の谷』の大結界よりも小さいが、あちらは地脈の魔力を利用したものである。聖女とは言え、一人の人間の手による結界としては最大級のものだろう。

 「さすがは聖女様だネ。これほどの結界を張れるとは思わなかったヨ。」

 「でも、これだと一時間くらいしか持たないぞ。」

 感心するアッカーマン教授に、優太は魔法を使ってみた所感を述べる。

 「まあ、そこも含めて検証だネ。大きさを変えて幾つか結界を張ってみてくれないかイ。」

 アッカーマン教授の要望に従って、さらにいくつかの結界を張って見せる優太。聖女の魔力は底が知れなかった。


 一通り結界を張り終えると、優太達は暇になった。

 結界の傍では、アッカーマン教授とその助手達が何やら色々と調べていた。ついでに、賢者ラウルの一行もそこに加わっていた。

 まだ何か追加で頼まれるかもしれないので、優太は近くで待機していた。

 「そういえば、今回は人手がいるんだったな。久しぶりにあいつも呼ぶか。」

 優太がそう呟くと、優太のすぐ前の地面に光り輝く魔法陣が現れた。

 ――聖獣召喚陣

 それは魔法ではない。聖女と魂の契約で結ばれた聖獣が顕現する、その前兆現象である。

 「何やってるんだ……、おおっ、ユニコーン!?」

 優太が何やら始めたことに気付き、様子を見に来た大介が突如現れた聖獣に驚く。

 「そういえば、聖獣と契約したって言ってたっけ、こいつがそうなのか?」

 大介も、優太が聖獣と契約したことは聞いていたが、実物を見るのは初めてであった。

 「そうだ、これが俺の相棒の聖獣ユニコーン。名前はオパール。」

 「……『リボンの騎士』かよ! 色々と間違っているぞ!!」

 「おっ、よく知ってるね、古い作品なのに。しかもあれ、少女漫画だぞ。」

 「手塚治虫全集はオレの愛読書(バイブル)だ!」

 まあ、優太のネーミングセンスが酷いことは脇に置くとして、聖獣ユニコーンは有能だ。

 その背に聖女を乗せれは、そこいらの名馬よりも速く長く走ることができる。

 戦闘力もそれなりに高く、雑魚モンスターなど軽く蹴散らす聖女の護衛となる。

 聖女の魔法の補助を行うことができ、魔法の効果を高めたり、難しい魔法の制御を一部肩代わりしたりもできる。

 ユニコーン単体でもいくつかの魔法を使用することができ、簡単な回復魔法ならば聖女の代わりに行うことができる。

 「で、そんなに優秀な相棒なのに、今まで呼ばなかったのはどうしてだ?」

 「いや、こいつに乗るより自分で走った方が速いし、護衛も必要ないし、手伝ってもらうほど大変な魔法を使う機会もなかったし……」

 優太が優秀過ぎたのが理由であった。決して作者が忘れていたとか、そういうことではない。

 「扱い酷いな、おい。」

 思わずユニコーンに同情する大介。

 「今回は人手は多ければ多いほどいいらしいんで呼んでみた。」

 実際、今回は強力な助っ人になるだろう。優太と手分けして飛蝗の撃退から怪我人の治療までこなし、高い機動力も持つのだ。

 「それに、修行して新たな力を手に入れたらしいからな。」

 このユニコーン、あまりに優太からのお呼びがかからないため、必死になって修行していたらしい。相方が優秀過ぎるというのも考え物である。

 「それじゃあ、新たな力とやらのお披露目といこうか。修行の成果、見せてくれ!」

 「ヒヒーン!」

 優太の言葉に、ユニコーンは一声高く嘶くと、魔法を発動した。

 「これは、帯電しているのか?」

 ユニコーンは全身に雷のような光を纏っていた。そして――

 「うわっ、速い!」

 ユニコーンは、瞬きするほどの一瞬で百メートルほど一気に進んで見せた。一筋の光となって進むその姿は、まるで稲妻である。

 「雷光の(ライトニング)ユニコーンといったところか。たいしたものだ。これなら雷撃で飛蝗を焼くこともできるだろうし、かなりの戦力になるな。」

 「でも、あれに乗ったら感電するんじゃないのか?」

 「俺は乗らないから大丈夫。」

 優太よりも速くなったのに、やはり騎乗には利用されないユニコーンであった。


ユニコーンの名前ネタは、序章でユニコーンを出した時から考えていました。

ただ、突っ込めるのが大介だけなので、伏たままになっていました。

本当はインターミッションに入れておきたかったのですが、この小ネタだけで一話作れませんでした。

今回、どうにか本編にユニコーンの活躍の余地ができたので、ついでなので名前ネタも混ぜておきました。

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