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リアル=オンライン  作者: 原田まるるん
1章
13/23

シロとの戦い

気がついたら累計PV3000、累計ユニーク1000突破!

ブックマークも20超えててびっくり、本当にありがとうございますヘ(≧▽≦ヘ)♪

「……」

 シロは相変わらず黙り込んだまま虚ろな目でラティアを捉え、今度は左手に3枚の護符を持ち、ラティアめがけて1直線に放った。


「くっ……!」 

 足元は大量の本と本棚のせいで高低差が生まれ、身動きがとてもとりづらい状態になっている。

 だがもちろんタダでやられるラティアではなく、本の山を飛び越える事で右へ移動し、全ての護符を頬にかする程度で避けた。

 瞬間、ラティアが元いた場所からゴンっと鈍い音が聞こえ、反射的にラティアは首を横に向けて何が起きたのかを確認する。


 ラティアが護符を避けなかった位置の壁には人2人分の大きな穴が壁を抉るように作られていた。もしもあれがラティア自身に直撃していたとしたら、果たして無事で済んでいたのだろうか?

 ラティアはただただシロの強さに驚き、冷や汗をかき続ける事しか出来なかった。


「危ない、って! ……くっ、ボクへの攻撃を止めて! これは【命令】だよ!!」

 

 ラティアは崩れた本の山を壁にして、|ペットシステム(RO)のコマンドの1つである【命令】をシロに行った。

 通常ペットは何もしなくても自動的に行動をしてくれるのだが、ROのペットシステムに存在するコマンドの1つ【命令】を使う事によって、ペットを自分の思う通りに行動をさせる事が出来る。

 ラティアはこれを使ってシロの攻撃を止めさせようと考えたのだが、現実(リアル)ではこれが通用しないのか、シロは不敵な笑みを浮かべるだけだった。


「シロお願い! 元に戻って!」


 ラティアが喋る間もシロの攻撃は止まらない。

 左手の護符を放つ間に右手で護符を何処からともなく取り出し、左手の護符を放ち終えると右手の護符を左手に持ち変えて放つ、という一連の動作を高速で行う。


 ラティアは次々と護符が飛んでくる度、シロの護符から背を守る本棚や本の山を転々と移動して攻撃を凌ぎつつ、どうすればシロの暴走を止められるか頭をフル回転させた。


くぅっ……!ゲームの頃にドーピング剤を使用し過ぎて、強くなりすぎたのが仇になるなんて……!例えボクが手加減をしてシロを攻撃したとしても、ボクのステータス的にシロのHPを一撃で0にしてしまいそうだ。


「こんなっ! 事なら、ラティアを育てすぎるんじゃっ、なかったなっ! ……っとと」


 ついに自分の身代わりとなる壁が無くなり始め、部屋中が見るも無惨な光景に変わり出した頃――ラティアはある事に気が付いた。


(……ちょっと待って。ステータスは(・・・・・)圧倒的にボクの方が上、なんだよね? じゃあ、どうしてこんなに苦戦をしてるの?)


 そう、シロのステータスは高いものでも1万5000。これだけで職業レベルをカンストしたCレベル(キャラクターレベル)100のキャラクターと同等の力であり、そこら辺にいるキャラクターには(・・)負ける事は無いだろう。だが、対してラティアのステータスは全てが(・・・)60万を超えている。

 こう言っちゃなんだが、ラティアは規格外とか化け物だなんて言葉では収まらない。神の領域に足を踏み入れていると言ってもいいだろう。


 そんなラティアがシロから攻撃を受け、ましてやダメージを負う事などあり得ないのだ。本来ならシロが攻撃を加えようとしても、ラティアは平然とそれを避けて反撃まで出来るはず。


 これじゃあまるで、ボクが手加減をして戦っているような……。

 あっ、……もしかして!


(……数値(ステータス)通りに力が出せていないんだ! ……いや違う。数値(ステータス)通りの力で行動出来るっていう考えが間違いだったんだ!)


 腕力が高ければ高いほど、強い力が出せるようになる(・・・・・)

 俊敏性が高ければ高いほど、速く動けるようになる(・・・・・)

 ROであれば、常に数値通(・・・)りの行動が(・・・・・)出来る(・・・)からこそ、ステータスが高ければ高いほど強いキャラクターとされていた。……当たり前だ、腕力100のキャラクターが敵を攻撃した時と、腕力1のキャラクターが敵を攻撃するのとでは敵に与えるダメージ量が全く違うからだ。


 だが、腕力100のキャラクターがわざと手を抜き(・・・・)、腕力1程度しか力を出していなかったら?


 同様にボクも、なんらかの理由で全力を出せていないのだとしたら?


(……そうだとしたら、ボクがシロに苦戦をしているのも納得が出来る。現にさっき護符がほっぺをかすっただけで、ボクはHPを3000も削られているじゃないか!)


 でも、ボクは手を抜いているつもりは全くない。本気でシロの攻撃を避けて、必死にこの場をなんとかしようと考えてるのに……! 

 

「ぐっ!?」

 考え事のし過ぎで、ボクはシロへの注意を怠っていたみいだ。

 気付いた時には大量の護符に全身を張り付かれていて、ボクの意識が徐々に霞んでいく。……確かにこのままだと、本当にヤバイかもしれない。


 ラティア HP:541320/674450

 

 ああ、やっぱりHPが結構持ってかれてる……。でも、ボクが全力を出せてないと分かったからには安心した。

 ここからはボクも攻めにいくからね。


「くっ……うりゃあ!」

 ボクは護符の直撃を食らいながらも、シロへ拳が届く位置に移動する。護符は熱いやら痛いやらで、ボクの全身から感覚が無くなりそうになるし、意識も飛ぶかもしれない。


 でも、歯を食いしばって耐えるんだ!


「……!」


 逃げ惑うだけだったボクが、護符の雨あられを突破して攻めに来るとは予想をしていなかったらしい。シロはボクの右半身から放たれる拳を思いきり鳩尾で受け止めた。


「うっ……」

「ごめんねシロ……目を覚まして!」


 シロは護符から手を離してお腹を押さえ、その場にうずくまってしまった。よほど鳩尾を殴られたことが苦しかったらしく、わなわなと肩を震わせて……その場に倒れた。


「シロ!? 大丈夫だよね、死んでないよねっ!? HPは……うん、1000残ってる……良かった……」


 やっぱり身内を殴るのは気が引けるんだよ。それが仲の良いシロなら尚更辛くて……もっと他に方法はなかったのかと、意識を奪う魔法を使えば良かったのではないかと、そうボクは後悔した。


 ボクは倒れたシロを優しく介抱して、シロが目を醒ますまではこのままでいようと思った。

《本日のゲーム脳MVP》

ラティア「HPは……うん、1000残ってる……良かった……」

A.良くないです。お前の血は何色ダァァァァァ!!

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