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『試合しゅうりょ~ッ! 勝ったのは、ブロッサムメイツ! 苦境逆境なんのその、最後はドール同士の連携が光る逆転劇でしたー! 観客の皆さん、今一度勝者に拍手を~!』
割れんばかりの拍手が会場を包み込む。どうやら、レベヂィーノエ・オーゼロの目論見どおり、会場を沸かせることには成功したようだ。もっとも、結末までは予想と同じにはいかなかったようだが。
『いやー、途中でマスターから何やら不穏な発言があったようですけれど、バト子ちゃんはAIなのでよっく分かりませーん! あ、皆さんは品行方正、公明正大なバトルを心掛けてくださいね~バト子ちゃんとのお約束ですよ~!』
「むらくもぉ~! ごべんね~!!!」
「アルテミス~! 私が悪かったわ~!!!」
「うわっ! ちょっ! 止めて離して鼻水がついちゃうでしょ!」
「真理~! 私もごめんなさい~!」
バトル前のいざこざは何処へやら、すっかり仲直りした様子のブロッサムメイツ。
「すっかり元通りです。ね、ヴェルグ」
「ヴェルグちゃんとマスターはいつも仲良し」
美空とフレイスヴェルグは、少々やり過ぎなくらいに感じる叢雲と吹雪のスキンシップ?を眺めつつ勝利の余韻に浸っていた。
* * *
「うんうん、仲良きことは美しき哉デス」
「今回もヒヤヒヤさせられましたねぇ……先生」
観客席では、いつもどおり先生と生徒会長の成実直子が妙に疲れた顔でいた。
「急に仲間割れしだしたと思ったら、同じくらい急に仲直りしちゃうしで……ほんと、心臓に悪いわ……」
「ま、ま、落ち着くデス生徒会長。ブロッサムメイツはあれしきの工作活動でどうこうなるようなヤワなチームじゃないデスよ。ふふん!」
「なんで先生がドヤ顔してるんですか……それに、ほら。あれでもヤワなチームじゃないと?」
「んぇ? あっ、あいつら……!」
* * *
「だから! ごめんって言ってるでしょ!」
「だから! それはもういいって言ってるでしょうが!」
「んもぅ! 叢雲の……!」
「何よ! 吹雪の……!」
「へっぽこドール!」
「へっぽこマスター!」
「あわわわ、ふ、二人共ケンカはやめてくださーい!」
「はぁ、あのポンコツ二人には何を言っても無駄のよう。お守りをするヴェルグちゃんも大変」
「うぐぐ……あんなチームに負けるなんて……!」
「……はぁ……疲れました……リノア、マリア……早く帰りましょう……」
「ふんだ! カラオケ! カラオケ行くよ! 今日はもう反省会だよ!」
「……私は……家に……帰りたい……のですが……」
「駄目だよモア! こうなったらてってー的にストレス発散しないと駄目なんだから!」
「……ええ……?」
「それと、次はもっと用意周到に作戦を仕掛けないと! もっともっと、悪辣で相手チームの関係性がズタズタになるようなやつ! マリア、次こそ失敗したらほんとに怒るからね!」
「う、うっさいし! 今回は相手が悪かっただけだったし!」
レベヂィーノエ・オーゼロ。普通に戦えば国内でもトップクラスに強い彼女たちだが、悪どい手段を使うのは止められないらしい。
「はぁーん! オデットちゃんオデットちゃーん!」
「止めてくださいオディール。離れて。痛い痛い」
「…………」
「次にバトる時はぜーったいにオデットちゃんから離れないからねー♪ 二人はもう一心同体! 決定事項!」
「…………」
「なんですかシュエット。妙な目で見てないで助けなさい助けて」
「…………」
「チュッチュッ♡ 好き好きオデットちゃーん!」
「はぁ……もう好きにしてください……」
* * *
「まったく、ブッキーたら……危なっかしいバトルするわね……」
選手控室でモニターを見つめる八雲秋華。その隣では彼女のドール・陽炎が静かに佇んでいた。
「……マスター」
「ん、分かってる。そろそろ私たちの出番、でしょ」
コクンと頷く陽炎を抱きかかえ、秋華は他の二人に目配せする。
「んー? あれ、もう試合終わったのー?」
「それでは、そろそろ参りましょうか」
「行くよ。舞、風さん」
準決勝戦、第二試合。
チーム・黒風白雨の試合が始まる。




