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温泉

「ここの温泉は、強アルカリ温泉なんだ。あまり長い間はいるなよ」

班長が、私たちに言ってから、男湯の方へ入って行った。

「強アルカリ温泉って、美人の湯でしたっけ」

私が池下さんに聞いた。

「そうそう。美人の湯ね。お肌つるつるになるっていうね」

池下さんは、女性だから、私と同じように女湯に入ってきた。


「忘れてた。ここはね、炭酸泉も湧出(ゆうしゅつ)してるの」

池下さんが、湯船につかっている私に思い出したかのようにして言ってきた。

「炭酸泉ってことは、サイダーみたいにシュワシュワするんですかね」

「飲めばの話ね。ここのは、残念なことに飲めないのよ。飲用泉は無いのよね」

「あらら、残念です」

「でもね、その代わりに、いいお土産があるわよ」

手をぽんと叩いて、池下さんは続けた。

「そうだ、それもアニメのところに載せられないかしらね」

「お土産を、ですか?」

「そうそう。どうかしらね」

「私は良いと思いますよ。市の紹介というのが前提にあるんですから。名産品や特産品の類を入れるというのは、当然じゃないですかね」

「なら、お風呂からあがってみたら、ちょっと見てみましょうか」

池下さんは、私にそういうと、ふぅーと細く長く息を吐いた。

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