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嘲笑する被害者たち〜トクリュウの末端が逮捕されるたび、ネットの底で静かに酒を汲み交わす者たち〜  作者: 風風風


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10/17

インターミッション【そしてクライマックスへ】

非公開の『嘲笑する被害者たち』は、

解説動画やニュースのまとめサイトにも

取り上げられず、ネットの暗がりに

ひっそりと存在し続けていた。


誰が管理しているわけでもない。


ただ、

同じ痛みを抱えた者たちが深夜に集まり、

ニュースで流れるトクリュウの末端――

闇バイトの実行役たちの

無様な逮捕劇を酒の肴にする。


『Z:最近は

「高額即金」の求人に飛びついて、

指示役に身分証の写真を握られ、

後戻りできなくなって

泣く泣く犯行に及んだ……

という供述が増えましたね』


『X:自業自得だろ。

身分証を他人に渡したらどうなるか、

小学生でも分かるわ』


『Q:脅されて仕方なくやりました、

って言えば許されると思ってるところが

浅はかですよね』


『Y:断ったら

家に押しかけられるからやりました〜って

言ってるけど、

警察に駆け込めば保護してもらえるのにね。

要するに、警察に行く勇気もないチキンが、

他人の家に押し入る度胸だけはある

ってのが笑える』


『X:ガハハ! まさにそれな!』


彼らの会話には、一切の迷いも容赦もない。


世間が

「闇バイトに手を出してしまう若者の貧困」や

「巧妙な洗脳手口」などと

ニュースで分析していようが関係ない。


被害を受けた側からすれば、

理由が何であれ

他人の生活を脅かした時点で

全員アウトなのだ。


『Z:……ですが、最近は

警察の摘発スピードも上がっていますね。

指示役まで辿り着くケースも

増えてきたようです』


『Q:末端が捕まるのは

スカッとしますけど、

上の奴らも早く全員捕まればいいのに』


『Y:まあ、上の奴らが捕まるまでの間、

俺たちは下っ端のバカどもが

自滅していくのを

高みの見物させてもらいましょうよ。

今夜も冷えた酒が美味い』


『X:おう!

明日はどんなバカが捕まるかな!』


ルールを破った者が当然の罰を受け、

社会から退場していく姿を冷ややかに見送る。


この祝宴は、彼らにとって

かつて自分たちが受けた

理不尽を耐え抜くための、

唯一の安全装置シェルターだった。


©2026 [風風風]. All rights reserved.

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