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そのぬいぐるみ、僕が作りました。
「え、いや、ちゃうて!」
カイは大いに慌てる。
「子供っぽいとかそんなん言うつもりちゃうねん!
か、かわいいって思ってくれたんかなって、
そ、その、それ、
ぼ、僕が作ったから……」
「まあ、ゲルツェン先生が?」
アストリッドはキュッとぬいぐるみを抱き締めた。
「なんて可愛らしいんでしょう!」
カイは、あまりにも無邪気なアストリッドの笑顔に目を奪われた。
そして、例えようもなく胸が締め付けられた。
十九歳の、
隣国の元公爵令嬢の、
血で血を洗う十七年戦争の中心にいたこの女性が、
子供らしく無邪気に、ぬいぐるみで遊ぶことなどあったのだろうか。
今ですら、素顔と過去を隠し、息をひそめて生きて……
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【本編・完結済み】
『元公爵令嬢の小さな宿屋―年下の町医者が、客でもないのに今日も会いに来ます』
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