記念撮影
いつのまにかできていた、シミのはずだったオレ…
しかし、とあるヤカラ隊にみつかってしまった。
シミをみつけるのがうまいクリーニング屋さん並みだ。
…
それは、放課後のとある日…
「おい、ちょっとつらかせや」
と、三人組のおとこに呼ばれた。
ここじゃ目立ってしまうので、仕方なく大人しくつらをかしてやるとこにした。
素直なオレは、おりこうさんなシミだ。
たぶん、この悪そうな見た目のヤカラ隊は、瑠実那さんファンだろう。
ひとけのないところまで、四人で歩いた。
なんのお散歩会?って一瞬思った。
しかし、三人が立ち止まったところで、お散歩会が終了した。
そして、
「おまえさ、瑠実那さんのまわりチョロチョロしてて目障りなんだよねぇ」
って言ったあと、こぶしが飛んできた。
ほお、やっぱりかと当たり前にこぶしをキャッチした。
そして、こぶしを押しかえすとヤツが転んだ。
一瞬
(え?)
みたいな顔をする三人。
その顔があまりにマヌケで、思わずフッと笑ってしまった。
その顔をみて、もう一人がオレに挑んできた。
また、こぶしのプレゼントだった。
そう何度もこぶし挨拶は、いらない。
こぶしがオレに届くまえに、返却するかのように、オレは腹にあしをプレゼントしてやった。
グフっ
変な声をだすおとこ。
最後の一人に目を向けると、やっぱり一瞬固まっていた。
しかし、我にかえったかのようにオレに立ち向かってきた。
お友達意識が強い三人目。
こぶしを押し返された二人のためにと、こぶしアタックからのあし蹴りアタックしてきた。
元気な人です。
しかし、こぶしアタックをすんなり避けて、あし蹴りするつもりだったあしを、キャッチして、軽くストレッチ感覚で捻ってやったら…
おとこが転んた。
…
これは、なんの遊びかな?
でも、まだまだ遊びたりないヤツら。
また一番はじめのおとこが、オレに向かってきた。
こぶしが飛んできた瞬間、とっさにつかみ今度は、押しかえすまえにこぶしをつかまえて、デコピンしてやった。
オデコじゃなくて、こめかみに。
眉間にシワがよっていたので、シワ伸ばしをお手伝いしてあげるオレって、優しいな。
とにかくオレと遊びたい三人は、何度もオレに向かってくる。
そして、跳ね返される。
ハアハアと、息切れをおこし疲れたみたいだ。
みな、試合を全力で頑張ったみたいに地面に大の字になって転がった。
いい試合だったとは、言えない。
しかし、三人ともよく頑張ったよ。
「もう、オレ帰るな。」
って、三人に言い残して、後をさった。
次の日、オレをみるなり三人は走って逃げていった。
走るのは、得意みたいだ。
そんな、シミみたいなオレは、とにかく静かに暮らしたい。
ただそれだけなのです。
シミは、地味に大人しく本をアイテムにもち、家に帰る。
なんで本って、こんなにも脳みそを喜ばせてくれるのだろう。
ありがたいかぎりです。
脳みそを喜ばせていると、瑠実那さんから連絡がきた。
なんと、来月とあるお店でオレたちの大好きな、シャぺるんバクたんたんのイベントがおこなわれるというんだ‼︎
もちろん行く‼︎となった‼︎
推し友だちがいると、突如素敵な情報がやってくるので、ありがたい。
しかも、あの瑠実那さんからなのだから、もう…神が神すぎるよってくらい神だ。
そのイベントの日は、あっという間にやってきた。
いつのまに⁉︎ってくらいのあっという間だった。
瑠実那さんの私服は、この前もみたけど…
今回の私服は、やっぱりシャぺるんバクたんたんのイベントってこともあり、この前とは少し違う。
しかし‼︎どんな服装もバッチリ似合ってしまうのだから、やっぱり素敵だと感じる。
やっぱりさ、素敵だなって感じるのは、皆も一緒なだけあって、イベント会場で声をかけられる瑠実那さん。
特別に、一日一組だけ限定でなりきり衣装でお写真撮れます会があって、見事選ばれていた。
「おお〜、凄いじゃん‼︎」
って拍手していたんだけど…
「あなたも一緒に撮影するんですよ」
と、お着替え場所に案内されるオレ。
…
ええええぇ…
そして、そこでとある秘密が一個バレてしまうこととなる。
いや、二個…
まぁ、この秘密は…大したことないし、まぁいっかなぁと軽く考えていた。
衣装に着替えて、瑠実那さんとご対面した。
「おぉー、やっぱり美しいよ」
思わず声に出していた。
「蓮夜くんも素敵だよ」
って瑠実那さんが褒めてくれた。
「ですよねー。お二人ともとてもよくお似合いですよね。あと彼氏さんめっちゃ、からだすごくいいですよね‼︎ね‼︎」
と、オレのからだをほめてくださった衣装担当の女性。
いがいと、この衣装…
胸元があいてるから、からだのつくりがみえてしまう。
それよりもだ‼︎
髪の毛をいい感じに爽やかにされて、ピアスがモロ見えになってしまったのだ…
まぁ、おでこ全開じゃないのがせめてもの救いだ。
「えっ…蓮夜くんってピアス…あけてるんだ?」
…
バレては、仕方ない。
「あー…うん。」
「わたしも…実はわたしもなんだ」
と、キラキラピアスを披露してくださる瑠実那さん。
…うん、ほんとうは初めておじゃましたとき、部屋のテーブルにピアス置いてあったから、知ってたんだよね。
「知ってたよ」
「えっ?風吹いてうっかり…みえちゃってた?」
「部屋に…あったから。そうなのかとは…」
「あー、なるほどね!おそろだね」
「うん」
おそろで、挙句に同じ推しがいて…最高すぎるっ‼︎
これは、あれだな…
帰ったら、草むしりでもしないとバチが当たるな。
当たりたくないのは、バチだ。
当たりたいものは、いつも当たらない。
でも、バチってやつは…結構当たるんだよなぁ。
世の中は、うまくできている…のか?
とにかく、瑠実那さんとのツーショット写真をゲットという、最高のアイテムを入手するのだから、草むしりだけじゃすまないだろう。
茶碗洗いもするか。
いや、それだけじゃすまないよな…
風呂洗いもするか?
そんなんでいけるんだったら、みんなそれくらいするだろう。
なら、洗濯もするか。
なんか、洗ってばっかりだな…
もう、この際…心のせんたくもするか…?
ただ、こればっかりは…どうやってあらうのかわからない。
…
なにかを洗う洗わないなんて、考えている間に、ツーショット写真が完成した。
これはもう…
一生の宝物です。
そして、大好きな推しかつを瑠実那さんと一緒にできて、これもまた一生の思い出です。
ほんとに幸せバンザイな一日でした。
なんなら、行きも帰りも一緒だし…
お腹も空いてきた。
ってことで、ご飯も一緒に行くことになった。
これはもう…デートです。
推しかつからのデート…
秘密も共有…
まだ秘密は、あるけれど…
とにかく幸せというぬるま湯にどっぷりと浸かるオレなのであります。
続く。




