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10-15 両親の反応


「伝えたいことわかった?」


 両親は理解はしてくれたようだったが、その一方で感情が飲み込めていないようだ。それでも両親は過度に悲しんだり怒ったり、自分を責めたりはしていない。僕はそんな両親の元に生まれてよかったと心から思えるようになっていた。


「一応、他の選択肢も考えたんだよね?」


 父親はそういった。僕は二つの世界を同時に存在させられるのであれば迷わずにそうしていたことを伝えた。


 両親にそれとなく今の感情について聞いてみる。母親は答えた。


「信じられていないのか、それとも自分が信じたくないのか、どっちなのかはわからないけど、不思議と悲しみはないんだよね。まぁそうかくらいの。人としてどうなのかと言われるとわかんないけど、実感が湧いてないからなのかもしれない」


 父親もおって答える。


「目の前で元気で喋ってるお前が亡くなってると所とか想像できない。したくないから脳がさせないようにブロックさせてるのかもしれないけど」


 両親とも実感では湧いていないらしい。


「3日後」


 僕はそういった。両親はそうかといっていた。いずれにせよ、今一つ実感としては持っていないようだった。


「肉体的には死亡という扱いになるけど、どういう形で死亡という扱いになるかはわからないから、一応直前に場所だけ連絡しておく」


 僕はそ付け加えた。両親は現実の話だとようやく理解し始めたようだが、それにしても何をすればいいのかはわからないらしい。自分の中の感情が整理できなくなり、僕は両親に謝った。


「ごめんなさい」


 自分は両親に伝えた。両親も、お前が悪い話じゃないから謝りすぎるなといってくれた。


「お前が知らん奴に迷惑をかけた時、俺は怒った。それが親の役目だと思ってる。でも今回はお前が悪いわけじゃない」


 父はそういってくれた。確かに自分が何か悪いことをしたせいでこうなったかと言われたらノーだ。


 両親と同じくらいのタイミングで自分が頼んでいたお酒がなくなった。母親は店員を呼ぶ。僕はレモンサワーを頼んだ。


 冷静に考えると通常ではあり得ない出来事だが、両親は妙に事実を事実として受け止めるのが早いようだ。僕がいなくなるという話を聞いた時も、両親は内心は驚いていたかもしれないが、少なくとも表面上にはそれを出してはいなかった印象だ。


「私は凪が息子で良かったと思ってるから、もう1個の世界では幸せになってね」


 母はそういった。父も同じような内容をいっていた。


「こんな話ばかりでもなんだから、違う話にしない?」


 父はそう提案する。自分は母親の会社について聞いてみることにした。

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