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10-13 伝える覚悟


 自分はそろそろ自分の身に起こることを言い出さないといけないが、いきなり言い出してもただの冗談に聞こえてしまうことは避けられないだろう。言い出すためにはまず時空のおっさん世界であったことの話をしなければならないと思った僕は覚悟を決めて、僕と凪ちゃんのツーショットを両親に見せた。


「この右の人、見覚えない?」


 僕はそう両親に聞いてみる。両親は困惑したような顔をしながら「彼女?」と聞いていたが、自分は本当に見覚えないかを聞いていた。


「言われると確かに見覚えがある気がするけど、具体的に誰かと言われるとわかんない。凪に似ているような?」


 両親はそういった。自分は覚悟を決めて放った。


「実はパラレルワールドの自分なんだよね」


 両親は何をいっているのかわからないようだった。自分は改めて説明を始めた。


「何から説明を始めればいいのかな」


 僕はそう考える。どういう説明をしても最終的な結果をすぐには納得してもらえないと考えた自分は、とりあえず経緯をしゃべっていって、その途中で逐次質問を挟んでもらうことにした。


「時空のおっさん映画のインタビューの後、時空のおっさん世界に呼び出されて、これがそのとき貰った道具なんだけど」


 そういって僕は2つの世界を移動できる装置を二人の目の前に出した。自分がそれを押そうとした瞬間、目の前から凪ちゃんが現れた。彼女もどうやら偶然同じタイミング店に来ていたようで、同じくらいのタイミングで装置を使ったらしい。


 両親は何が起こっているのかよく理解できていないようだ。凪ちゃんにちょっとだけこの世界にとどまっていてほしいと伝えた上で、僕はちょっと落ち着いてね、両親にと伝えて事情を話し始めた。


「私は池下凪です。目の前にいるこちらの方のパラレルワールドの存在です」


 両親は何をいっているかわからなかったようだが、目の前に突然現れるという事象から否が応でもそういうことなのかと理解せざるを得なかったようだ。

 

「ツーショット見せたから、パラレルワールドの自分だということは多分理解されていると思う」


 自分は両親を見てそう伝えた。僕は、彼女に妹さんの写真を見せられるか聞いてみた。どうやら母親はたまに第二子がいる夢を見るようで、その夢に出てくる第二子の特徴が千織に似ているらしい。凪ちゃんはスマートフォンを操作し、千織の写真を僕の両親に見せていた。


「見覚えない?」


 僕は両親の反応を見てみる。母親は、この子が夢に出てくる子だといっていた。実在することに驚いているようだ。


「ちょっと私は一旦戻りますが、すぐ戻ってきます」


 凪ちゃんはそういって元の世界に戻ってしまった。

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