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10-11 昔の記憶

 ただ自分はその答えを知っている。女子の自分は今の自分以上に活発だ。


 なんらかの形でこの世界と凪ちゃんの世界には相互で影響を与えているのではないかと考える。最も、それは検証しようもないことだ。ここまで自分の身にあったことを両親には1つも話していない。もっとも、幼少期から会っている時空のおっさんそのものは両親も認知している。映画のインタビューも、2回目の件については伝えていないが、1回目についてはすでに伝えてある。しかし、瀬尾やパラレルワールドの件については伝えてない。


 通りがかった店員に、両親はとりあえず生ビールを3人分注文していた。お通しとして、ごぼうやレンコンなどの野菜を調理したものが運ばれてきた。


 僕はそれを食べながら両親の話を聞いていた。


「そういえば、時空のおっさん映画の話はどうなったの?」


 父は僕に聞いてくる。自分は実は2回目のインタビューがあったということを伝えた。2回目のインタビューでは、自分の実体験と会うような話にしてほしいと言うことを伝えた。


「そもそも時空のおっさんの話についてどう思った? ちっちゃい頃だと思うから、自分でも今1つ記憶にない経験もあると思うんだけど」


 自分は両親に聞いてみる。1回家族で遊園地だったか動物園だったかに行ったとき、勝手にどこかいった自分を追いかけたら目の前で消えたことがあったと教えてくれた。焦った父親は迷子センターに向かった(母親は引き続きその付近を探していた)が、程なくしていなくなった場所で発見された。その時に僕が「お兄ちゃんに助けてもらった」的なことを言ったらしい。母親はその「お兄ちゃん」をそこのスタッフだと思って感謝を伝えにいこうとしたが、探しても見つからなかったということだ。


 自分の中で時空のおっさんにあった最古の記憶は幼稚園で遊園地に行った頃だった。年中だったか年少だったと思う。それより後か前かはわからないが、少なくとも自分の記憶にはない出来事だ。


「それって何歳の頃?」


 父親は、明確には覚えていないが4歳か5歳だと思うと言っていた。幼稚園旅行とどっちが先かも聞いてみたが覚えていないようだ。


 そんな話をしていると店員が生ビールを注文した。僕たちは乾杯した。


「あの時は終わったと思ったね」


 母はそう言った。今となっては笑い話かもしれないが、当時は怖いだろう。


 自分がいなくなったらどう思うか聞いてみたい。仮定っぽく聞いたがもう確定している未来だ。目の前の両親を見ていると言い出すべきなのかなと考えてしまう。言い出せないまま話が進んでいく。


「大学はどう?」

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