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10-5 あの日の質問


「僕の話そのものを映画としてそのまま放映して面白いかと言われると自分ではわかりません。どのようなものになったにせよ、自分はそれを確認できないですが……。向こうの世界でも同じような映画が作成されていたら見ます」


 僕はそう付け足した。彼は、ありがとうございます、と言ってくれた。


「もし仮に実際に放映される場合、あなたの氏名や個人的な情報についてはどのくらい出して良いでしょうか?」


 僕は、名前そのものは出しても良いと伝えた。そして、自分の出身の最寄り駅を伝え、その程度の情報であれば使って良いと伝えた。一方、具体的な家の場所については控えてほしいということも話した。


「ありがとうございます」


 彼は感謝してくれた。僕も感謝を伝える。


「僕は自分の人生が終わるかもしれないというタイミングから、『何かしらの形で自分が生きてきた証拠を残したい』という思いが強くなってきていました。それがこのような形で叶うのであればとても嬉しいです」


 インタビュワーは微笑んでくれた。僕は追加で伝える。


「送った文章についてですが、名前は仮名かめいに書き換えてありますので使用してもらって構いません」


 彼は、承知しましたと言ってくれた。彼に送るとき、「レイ」などの氏名をそれっぽい名前に差し替えておいていた。


「ありがとうございます。前回の『時空のおっさん』は時空のおっさんそのものの謎や正体をテーマにした舞台でしたが、現状の構成案だと、そのような『謎そのもの』をテーマにした話とは異なり、その謎に巻き込まれた少年、すなわちあなたですね、の周りの人間関係や選択がテーマになっていくと思います。そのような方針で良いでしょうか?」


 僕は、問題ありません、と伝えた。自分の書いた話と一致していれば問題ない。できるだけ一致していてほしいが、仮に一致していなくても問題ないかもしれないレベルだ。


 前作の『時空のおっさん』は素晴らしい作品だった。彼ならば僕が経験してきた話を元に素晴らしい作品を作ってくれるはずだと信じていた。


「他に、何かしら伝えておきたいことなどはありますか?」


 彼は聞いてくれた。僕は、特に何もないと伝えた。自分の人生が文章としてまとまったものの全てだとは思わないが、少なくとも一部ではある。どうしても文章では伝えられないこともあるだろうが、自分が伝えたかったことは伝えたつもりだ。口頭で何かしら補足をしたいと後から思うかもしれないが、少なくとも現状では以上となる。


「逆に、何かしら聞いておきたいことはありますか?」


 インタビュワーは追加で質問してくれた。僕はあの時の質問をもう1度聞いてみる。


「正直、僕の話を信じていますか? 前回と同じように、素直な意見が聞きたいです」


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