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10-5 2回目のインタビュー


 実際に印刷するとかなりの量になった。ここまで8万文字以上の文章を書いているので、当然と言えば当然である。どうやら1枚には最大2000文字程度印刷できるらしいが、そこまでびっしりと文字列が詰まっているわけではないので、実際に使用された紙は100枚程度になった。自分は左上をホッチキスで止めたかったが、それが無理そうだったので、10枚程度の文書を10ファイルほどにまとめた。


 客観的に内容だけをみると不思議な小説のようにも思える。それでも、それは自分が実際に体験してきた過去だ。僕はインタビュワーに話したいと思う内容がまとまってきた。


 自分が生きてきたことを何かしらの形で残したい。自分はもう直ぐ終わるが、それでもその想いが叶いそうで少し嬉しかった。


 2日後のインタビュー当日。僕は前回インタビューを受けた会場へと向かっていった。一応、起きたことを紙で印刷しておいて持っていていた。何か聞かれた場合、その場で答えられるようにするためだ。


 オフィス内で前回と同じように受付に案内される。

 

「13時30分からインタビューの予定となっている、なぎ様でお間違い無いでしょうか」


 自分は彼女の確認に対して、問題ありません、と伝えた。一応マイナンバーカードも見せた。彼女はそれを確認してくれて、ありがとうございます、進んでくださいと言ってくれた。僕は前回の記憶と一切の相違のないインタビュー室へと向かっていった。


「なぎさん、お久しぶりです。元気にされていたでしょうか」


 インタビュワーは前回と同じように大量のお菓子とお茶を持ってきてくれていた。僕はその中の1つのお菓子をいただいた。


「あなたがこの世界を去ってしまうのは残念です」


 彼はそう言ってくれた。僕は、向こうの世界で元気でやっていくので安心してくださいと伝えた。


「家族さんには連絡しているのでしょうか?」


 彼はそう質問してくれた。僕は連絡しないつもりだと伝えた。どのようなトーンで伝えれば良いかもわからないし、何を伝えて何を伝えないかという判断も難しいところだ。そもそもうまく説明できる気もしていない。


 インタビュワーはなるほどですと言ってくれた。


「こちらの契約書を書いていただきたいです。契約書を書いてもらっている途中、私は監視しないようにしてきますので、書き終わったらインタビュー室の外にいる私に声をかけてください」


 彼はそういって部屋を出ていった。僕は前回と同じように書類に目を通した。案の定、「ここでしか知り得ない情報を外に漏らさない」「個人情報は内部で機密に処理される」などの当たり障りのない事務的なことしか書かれていなかった。僕はサインを記してインタビュワーに声をかけた。


「ありがとうございます」


 彼はそう言って自分が書いた書類を受け取ってくれた。


「早速質問なのですが、どのくらいストーリーに追加を加えて良いでしょうか? 現状のものから変更はしないとしつつも、映画として面白く見せるために、追加の設定は避けられない可能性がございます」


 彼の質問に対して答える。


「自分の話と辻褄が合っていれば、どのような設定を加えてもらっても構いません」


 自分はそう答えた。

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