9-16 高校時代の思い出
大村はノンアルコールのビールを持っていた。凪ちゃんが持っていた缶を見て本郷は驚いていた。
「すごいね、そこまで飲む人は初めて見たかも」
本郷はそういった。
「レイにも言われた」
凪ちゃんはそう答えていた。凪ちゃん世界のレイはよくは知らないが、こっちの世界のレイは自分以上にアルコールがいけるようだった。そんな彼女から見ても異次元だと言われているようだった。
凪ちゃんは缶を開けていた。僕たちは乾杯!と言って飲み始めた。
「インタビュワーから連絡きてない?」
僕は彼女に話を振ってみる。彼女はきていないと言っていた。
「来たらまた教えてね」
僕は彼女に伝えた。彼女は、わかった、と答えてくれた。
「ものすごい今更だけど、彼氏さん的に男子と一緒にどこか行くのって大丈夫なの?」
本郷はそう言った。言われてみれば今更だが考えてもいなかったことだ。
「前も機会あったときに聞いたことあるんだけど、2人きりじゃなければ大丈夫だって。私的にも同じで、2人きりで出かけるとかじゃなきゃ大丈夫」
彼はなるほどと言っていた。
「それでいうと僕は大丈夫なの?」
僕と凪ちゃんはデートではないが2人で話したことがある。彼女は、きょうだいのようなものだからそれは大丈夫だと言っていた。確かに繋がっている血は同じだ。DNA鑑定を行えば血縁関係にあることは客観的に証明できるだろう。
彼女はそう言いながら缶を飲み進めていた。
「凪ちゃんって高校生の頃何してたの? 女子の中でも身長が高い方じゃない?」
僕はふと思ったことを聞いてみる。彼女は高1の頃1年間バレー部をやっていたようだが、メンバーとの空気感が合わなかったようで辞めてしまったらしい。
「小中で水泳と陸上、高校でもジム行ったりはしていたかな。性別違うけど、多分凪よりは体力あると思う。他の男子と比べたら負けるだろうけどね」
僕は運動していないが、男子なので平均的な女性よりは筋肉があると思う。そうは言っても、少しでもトレーニングされていれば負けてしまう程度の体力だ。
自分は運動していればよかったと思うこともあるが、続かないだろうと考えてしまうのもまた事実だ。
「バレーって踊る方?」
大村はそう聞いていた。彼女はバレーボールの方だと言っていた。
「そっちか」
大村はそう相槌を打っていた。
「俺が高校の頃、幼稚園の頃から10年以上バレエやってたという人がいて、男だったからバレーボールの方だと思ってたら踊る方で、それ以降警戒している」
自分は運動神経は弱い方なので、運動をやっている人は尊敬だ。
「英語だとVolleyballとBalletでスペルが全然違うから間違えないけど、日本語だと特に音声では区別できないから混ざるよね。文字で書くならバレーと伸ばすかバレエと最後をエにするかで区別できるけど」
大村はそういった。くだらない話だがこういう話は好きだ。
「でも、今は何も覚えてないな」
凪ちゃんはそうコメントした。今バレーボールをやり直しても0から学び直すことと変わらないだろうということらしい。時が経つにつれて人は驚くほど物事を忘れる。それが防衛本能のようなのかもしれない。
自分はそう言いながらて元のお酒を口にした.




