9-15 肌寒さ
結構食べた割には1人3500円とかなり安めに感じる。自分は凪ちゃんの分のお金を払って外に出た。本郷と大村はトイレに行くようで、自分は凪ちゃんと一緒に店の外に出た。
「レイは凪の言ってることを理解してるから、逆に理解しきれてない2人の話を聞くのは新鮮だったかな」
凪ちゃんはそういった。確かに2人に比べると、レイは自分の話を理解しているように感じる。しかし、普通理解できないものだろうとも思っている。レイが特殊なだけだろうという感覚だ。
「まぁ、信じられない方が普通だと思うよ」
僕は凪ちゃんにそう伝えながら建物の入り口まで歩く。外に出ると真冬の寒い空気が肌にあたった。気温は1桁言っていればいい方レベルの寒さだ。凪ちゃんは妙に震えていないのが気になった。自分は聞いてみる。
「寒くないの?」
冷静に考えると凪ちゃんはあまり厚着をしていない印象を受ける。もちろん着込んではいるが、人によっては結構寒くないのかなと思ってもおかしくないくらいではあった。
「私昔から寒いのに強いから、平均的な人より薄着でいいっていうのはあるかもしれない」
凪ちゃんはそういった。
「小学校の頃、1年中半袖だった男子いたんだけど、それを思い出す」
僕はふと小学校の頃のクラスの人を思い出した。
「それ私もそうだったな」
凪ちゃんはそう言った。寒さを感じはするがそれが好きというタイプなようだ。
いつも夏になると、冬が寒いことが想像できなくなる。逆に、冬になると夏が暑いことが想像できない。それが半年という短い期間で入れ替わることが知識としてはわかっていても、20回このサイクルを体験しているが、夏は暑いなと思い、冬は寒いなと思う。
そんなことを考えていると2人が戻ってきた。
「この後どうする?」
本郷は聞く。
「終電は逃さないようにしたいから、遅くても日が変わるくらいまでには解散したいかな」
僕はそういった。凪ちゃんも同じことを思っているようだった。今は21時なので、後3時間ほどだ。
「そもそもこの辺に時間を潰せる場所あるの?」
大村はそう言っていた。自分はこの辺についてあまり理解していない。凪ちゃんもそこまでちゃんと理解しているわけではないようだ。
「もう解散にする?」
本郷的にも解散なら解散でいいようだ。凪ちゃんがコンビニでお酒でも買って広場で飲みながら何か話さない?と提案した。本郷と大村もそれに賛成したようで、僕たちは近くにあったファミリーマートで缶のお酒を買うことにした。
「大丈夫なの?」
自分は凪ちゃんに聞いてみる。自分は結構酔いが回っているのが現状だ。凪ちゃんも酔ってはいるようだが、まだ大丈夫なようだった。
「すごいね」
自分は5%のお酒を手に取ったが、凪ちゃんはコンビニで9%の缶チューハイのロング缶を持っていた。自分はそれのお金を払って店の外に出た。




