9-11 個人的な事実
2日後に決断を行った後、猶予があるのであればインタビュワーに実際にあってこれまでの経緯を全て話したい。彼も僕の話を無条件で信じてくれるわけではないと思うが、それでも話を聞いてもらいたいと思うようになっていた。
自分は運ばれてきた飲み物を飲む。連続でアルコールが含まれる飲み物を飲んでいるため、自分はチェイサー(お酒とお酒の間に飲むソフトドリンク)としてのお冷を注文した。店員はすぐに大量の水が入ったピッチャーと4人分のコップを持ってきてくれた。自分はコップ半分くらいの水を注ぎ、それを一気に摂取した。水は凍っているのではないかと錯覚するほど冷たく、今まで入ってきていたはずのアルコールに由来する酔いが一瞬で消えた気がした。
なぜかお酒を飲む気が起きない。それは凪ちゃんも同じようで、運ばれてきたものを食べながら映画のことについて話していた。すると本郷が僕を見てコメントした。
「凪って思ったより冷静だよね」
彼曰く、自分がそういった経験をしていれば間違いなく選択を受け入れられない、というか受け入れたくないといっていた。大村は僕がキレているところを見たことがないといっていた。自分は2人に向けていった。
「正直、自分の話が客観的には荒唐無稽に聞こえることは百も承知だし、なんなら自分でもそう思っているんだよね。いろんな人に『釣り(インターネット上で注目を集めるための嘘の書き込み)乙』と言われて、内心で言えば悲しいけど、それでも釣りっぽく聞こえてしまうことは否定できないと思っている。逆に、自分の話が無条件で正しいと思っては欲しくないというか、疑問に思ったことは反証してほしいみたいな」
2人はなんとなく言いたいことはわかったといっていた。凪ちゃんも同じように考えているようで、納得できる話ではないことは自覚しているようだった。
「オカルトスレの中にも、完全に無から創作したような釣りもあるし、客観的な事実がどうかは別として、筆者的には事実だと思ってるの2パターンがあるのね。後者は乖離的障害的なイメージかもしれない。それで言うと、僕的にも自分の話が事実として真実かどうかってことは言っちゃえばどうでもいいんだけど、少なくとも自分が事実だと思っていると言うのは本当なのよ。別に疑ってもいいけど内心的は僕の話を、僕が認識している範囲で事実を伝えていることは信じてほしい」
自分はいつになく思ったことをストレートにぶつけた。2人は結構びっくりしているようだった。本当の事実はある意味どうでも良いのかもしれないが、認識としてそのような考えを持っていることは疑いようもない事実だ。
もう1度コップに水を注ぐ。自分はもう1回お酒が飲みたくなってきた。




