9-1 初対面
2023年2月2日。今日は3人の試験が終わる日だ(僕は前もって終わっていた)。僕の世界の大村と本郷に、凪ちゃんを紹介して話を聞いてもらう予定だ。僕は凪ちゃんに前もって指定された場所に来て欲しいと伝えていた。19時に武蔵小杉駅の居酒屋に集合だ。僕は20分早めに待ち合わせ場所に到着した。本郷と大村は同じ電車に乗っているようで、55分に着くらしい。
45分になると凪ちゃんがやってきた。僕はあと10分ほどで彼らが来ることを伝える。僕は今回は店の前で待機し、最初に会ってもらおうと思っていると伝えた。
「テストお疲れ様」
凪ちゃんはそう言ってくれた。僕は実は前もって終わっていたことを伝えた。それは凪ちゃんも同じようだったようで、改めてお疲れ様でしたと伝えた。
「前のお礼じゃないけど、今日のお金は僕が持つから」
僕はそう伝えた。凪ちゃんと喋っていると何か落ち着く。そんなことを考えていると、本郷と大村がやってきた。彼らは僕の方を見ていた。凪ちゃんは、初めまして、よろしくお願いしますと伝えた。
凪ちゃんは財布の中から学生証を取り出していた。そこには彼女の顔写真と共に「池下凪」という名前が写っている。
「同姓同名ってこと?」
本郷はそう聞いてきた。僕は、その理解で問題ないが、詳しくは後で説明すると伝えて店の中へと入っていった。
「池下さんは池下のことは知っているようですが、僕たちのことを知っているのでしょうか?」
本郷は敬語で話す。大村も気になってましたと言っていた。彼女は、初めて知りましたと言っていた。
僕は店員に案内されて店の席に座る。4人が座れる個室っぽい席だった。自分は凪ちゃんの横に座った。
「改めまして自己紹介します。私はこの人と同じ名前の池下凪といいます。彼から説明受けてないですか?」
そういえば自分は話していなかったことを伝える。パラレルワールドの自分だということを伝えた。本郷と大村は自分が言ったことを理解してくれていたかはわからないが、少なくとも凪ちゃんに対して笑うような態度はとっていなかった。
「信じられないと思いますが、私はパラレルワールドの彼です」
彼らは当然信じられないと言っていた。周りに誰もいないのをいいことにして、自分は装置を取り出してボタンを押した。すると周りが無言の空間になる。そして、5秒後に再びボタンを押した。僕の周りに喧騒が戻ってきた。
「どういうこと?」
目の前から僕が消えて現れたところを見た彼らは驚いているようだった。




