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5-7 狭間の世界で


「確かに似てるとは思ったけど、それでも信じられないな」


 彼はそういった。当然といえば当然の反応だ。AIだとも思えないらしいが、それでもまだ自分だと信じ切れてはいないようだ。


「今度合わせようか?」


 自分はそう提案する。彼は、会えるのであれば会ってみたいと言っていた。自分はタイミングが合えばまた連絡する、とだけ伝えて、その場をさって家まで帰って行った。


 凪ちゃんはたまにこっちの世界にきてくれる。たまにこっちの世界から向こうに行くこともできるが、日常的な連絡手段を持っていないというのも現状だ。彼女もある程度の時間があれば帰ってしまうし、僕が向こうの世界に行ったとしても短時間で戻されてしまう。


 自分はその点についてなんとかならないかと思いを馳せていた。すると、突然家の外から音がきえ,静寂が訪れる。自分は一瞬で時空のおっさん世界にきたと理解した。


 数秒後家のインターフォンがなる。基本的に時空のおっさんは大学や通学中など外で会うことが多く、家で会ったのは久しぶりな気がする。彼は僕の姿を見ると、胸ポケットに入っていたスマートフォンを取り出し、どこかに電話をかけていた。


「P-3J-225案件です。いったんアルファのゲートが閉じていることを確認して、その後にP-3J-225ベータにつながるようにしてください。アルファとベータのゲートが同時に開かないように気をつけてください。その後、そこにタキオン(?)が通らないようにしてください」


 数字やアルファベットはうろ覚えだが、確かこのようなことを言っていたと思う。事務連絡的なことをどこかに向かって話したのち、彼は話した。


「いつも申し訳ございません」


 僕は、自分が迷い込んでしまったせいで対応させてこっちも申し訳ないと伝えた。彼は、あなたは何もしていないのだから謝る必要はないと伝えた。自分はふと、瀬尾のことについて思い出して聞いてみた。


「瀬尾は自分のグループのリーダー的存在の人間で、日本周辺の地域をこの地域を主に管理しています。時間的に今言えるのはこれだけですので、他に聞きたいことがあれば次にここに迷い込んでしまったときに聞いてください」


 彼はそういった。内心はもう少し詳しいことを聞きたかったが、自分はすぐに元の世界に戻された。外からの音が正常に戻っていた。


 僕は先ほどあったことを忘れないように即座にメモを取った。瀬尾は自分が夢で見た存在ではなく、実在する可能性が高そうだ。そう考えると第二時空研究所も、この世界ではないどこかに存在するのかもしれない。次にあったら話を聞きたい。自分はそう思うようになっていた。


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