番外編 1-2 出会い
引き続き説明を続けていく。12時前くらいに研究室見学に来てくれたメンバーの一人が、私に声をかけてくれた。私よりも背が高い、好青年という言葉が似合う感じの男性だった。
「凪さんですか?」
私は声をかけてくれたことで、彼がHくんだと確信を持つことができた。
「Hくんですか?」
私は彼に声をかけた。彼は、そうだと言っていた。彼とは昼ごはんを食べることになっている。私たちは研究室を抜けて大学の前にある、四川料理の店へと向かっていった。その途中で、私は彼に話を聞いてみた。
「どういう研究に興味を持っているんですか?」
彼は少し考えたのち、答えた。
「ちゃんと考えているわけではないのですが、漠然とAI系の研究がしたいなと思っています」
私は、彼に素直な質問をぶつけてみた。
「AIについて、現状どのくらいわかっていますか?」
彼は尋ねる。
「やっぱり、研究室に入る段階で、AIについてなんとなくわかっておいた方がいいですか?」
私は、詳細は入った後に学ぶので、現状無理に知識をつける必要はないと伝えた。それでも、AIに対する知識が重要であることは変わりないので、気になるなら調べても損はないことを伝えた。
「現状、画像認識系だと、画像を数値として扱って、隣り合うピクセルの情報を重み付け計算する手法しか知らないです」
彼はそういった。私としては、そのくらいの知識があれば十分だと思う。私が研究室に入った時は、そのことさえも理解していなかった記憶がある。
そんな話をしていると店にたどり着いた。私は担々麺のパクチー抜きを注文する。彼は油淋鶏定食を注文するようだった。私たちは椅子に腰掛け、ウォーターサーバーからお冷を持ってきた。
「そういえば、同じ高校なんですよね。大阪先生は元気ですか?」
私と彼は高校にいた時期が被っていない。彼は、自分の時は元気でしたといってくれた。
「私の名前だけ知ってるんでしたっけ」
追加で気になったことも聞いてみる。彼は話してくれた。
「はい、授業中に池下先輩の話はよく出ていたので、名前だけ一方的に認知していましたね。理数系の直観が鋭い人だという話を聞かされていました。正確にフルネームまで聞いていたわけではないですが」
彼はそういってくれた。
「時空のおっさん映画のモデルになったらしいという話を聞きましたが、それは事実なのですか?」
彼はそう質問した。私は、話すと長くなるので、ここじゃなくてちゃんと時間が取れるタイミングで1から説明したいということを伝えた。彼も、わかりました、といってくれた。
数分後、注文していたものが同時に届く。私たちは同時に食べ始めた。




