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11-2 終わりに

 時間は18時。空はまだほの明るいがいつ暗くなってもおかしくなさそうだ。私は体を起き上がらせた。


 私は髪の毛を整え、去年の夏買ったスカートについた砂を払った。私は息を深く吸い込んだ。カバンの中には自分が書いた文章を印刷した紙が入っている。視界がクリアになっていくのを感じた。男子として生きていた記憶と女子として生きていた記憶がはっきりとした形で繋がったような感覚だ。私はここまできた方向と逆の方向に歩き出した。


 私はとりあえず家に帰った。私ともう一人の凪がかいた文章が目の前に置かれている。かなり不思議な体験だった。私はレイに伝えた。


「とりあえず全部終わったっぽいから、もう大丈夫!」


 そして時空のおっさん映画を作ってくれたインタビュワーにも追加で連絡を取った。


「一応時空のおっさん周りの話がひと段落つきました」


 私はそのまま実家に向かった。両親と千織はいつも通り元気だ。私はもう大丈夫だと伝えた。私は家まで帰って行った。


 現在の私は肉体は女性だ。脳内で2つの人格が同居しているという感覚はない。もう1つの記憶という形で、普通の記憶と同じような感じで残っている。しかし、自分の中に2つの記憶があることに驚きや混乱はない。そういうものだったと思えている程度だ。


 私は自分が男子として生きてきた記憶を忘れないように、PCに箇条書きで書き留めておいた。


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 2025年2月28日。もう1人の自分がこっちの世界を選んでくれたあの日から2年の月日が経つ。あの日以来、謎の記憶が入り込んできたり、時空のおっさんに出会うことは無くなった。


 もう1つの記憶をはっきりと忘れたわけではないが、明瞭に覚えているというわけでもない。今となっては夢の世界の出来事、くらいの記憶感だ。とはいっても、向こうの世界の自分が書いてくれた文章がかなり残っている。それを読めば思い出すことは可能だ。


 向こうの世界の自分には申し訳なかったと思っている。自分はもう戻ることのない世界を想像して、自分がどうなっていたのかと考えていた。


 家のインターホンが鳴り響く。覗き穴から外を見てみると彼がいた。私は彼を家に招き入れた。


 今日は付き合って4年の記念日だ。自分は修士課程への進学が決定した。彼氏は学部で卒業し、AI系のベンチャー企業に入社するらしい。自分と同じタイミングで同じ大学に進学したレイは、今年から大学院生アイドルとして活動するとのことだ。今年で活動10年目になるらしい。


 彼はアニバーサリーケーキを持ってきてくれていた。彼はそれを私の机の上に置いて、部屋にある椅子に腰掛けていた。

本編はここで終わりとなります。次回以降は番外編となります。

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