第二話~僕の人生~
~前回のあらすじ~
僕が倒れていた場所を見にいくのとついでに狩りに連れていかれる、村の近くまで帰ってきたときにあろうことかこの世界の虎に出会ってしまった。
とっさに後方に向かって走る。
(やばいなこれ、あの肉体派3人組に会えたら・・・)
木の陰に隠れる、サーベルタイガーは僕のことを、においを辿りながら探している。ばれるのも時間の問題だ。
本当にやばい、頭の中で最善の策を考える。
(やっぱり、大声を出してドルダさん達を呼ぶべきか、でももし近くにいなかったら・・・そもそもドルダさん達でも倒せないんじゃ・・。)
最悪の場合ばかり考えてしまう。徐々に日も落ちていく。そしてとうとう走馬燈が流れ始めた、マジシャンを目指してずっと頑張ってきた人生。辛いことばかりだったげど楽しかった。
(いや、僕はこんなとこでは終われない、まだ僕のマジシャンとしての物語は全然進んでない!)
ふと思い出す、普段マジックで使っているものを。昨日使ったからまだポケットに入っていた。
(よしこれなら・・・・いける。)
「うわあああぁぁぁーーー!!!」
まず、大声で叫ぶ・・・。サーベルタイガーが僕の声に反応して、こっちに向かって飛び掛かってくる。
「キーン。ボオゥ・・。よしうまくいった。」
そう、僕はポッケトにライターを入れっぱなしにしていた。なおかつこのライターはデュポンライターといって、開閉時に甲高い音が鳴るライターだ。
動物は急な音に弱い、驚いて身を引いた瞬間に鼻の頭を燃やしてやった。サーベルタイガーはなんとか逃げてくれた。
「はぁーはぁ・・はぁーはぁ。」
「おい、希大丈夫か。」
俺の大声に気づいたのかラムダさん達が来てくれた。そこからラムダさんがおんぶして村まで送ってくれたみたいだ。疲れ切っておんぶしてもらった時点ではもう寝てしまっていた。
目が覚めるとエスカが横にいた。そんな時間がたっていないのにものすごく懐かしい気分になった。
「おはよう希、なんかデジャブだね、この感じ。」
「あぁ、おはようエスカ。」
(もしあの時ライターがなかったら・・、すぐにあの虎にばれていたら、僕は確実に死んでいた。)
昨日のことを考えたら鳥肌が止まらなかった。そして情けないことに涙が止まらなかった。
「起きたか希、って大丈夫かよ・・。怖かったよな、すまねぇ。」
ドルダさんが心配してくる。でもラムダさんは悪くない、一番ビビッてていたはずの僕が一番油断していたのだから。
「ご、ごめんなさい。でも・・・もう大丈夫です。」
なんだかんだいってエスカとドルダさんにはお世話になっている。ここに泊めてもらってご飯とかも食べさせてもらっている。
「そうか、よかった。そうだ希、今日後ろの山のてっぺんに住んでる、ナノじぃにあってきたらどうだ?。」
「ナノじぃ?」
「そうこの村の村長であり、才能を見つける占い師でもある。」
その人に会えば僕が、この世界に来てしまった理由も分かるかもしれない。でも山の頂上か、まだやっぱ恐い。
「大丈夫だ、道もちゃんとあるし、今回はエスカもついて行かせる。」
「でも、次あの虎に会ったら・・僕は誰彼構わず逃げてしまうかもしれない・・。」
もし、もしもの事でも恐い、ここまでビビっていることに自分が驚いている。
「そうならねぇために行くんだよ。希大丈夫だ、おまえには素質がある。あの虎はデントっていって、あったら最後一瞬で殺されると、噂されるくらいやばい奴だ。でもその虎からおまえは生きて帰ってきたんだ。それに今回はあのエスカがいるから。」
「あのは余計なんだけどお父さん!!」
二人のやり取りを見てると、なんか落ち着いてきた。
「よし、行きます。ありがとうドルダさん、エスカ。」
そうだよ僕のマジシャンとしての人生もこの世界での道もまだ進み始めたばかりじゃないか。
僕とエスカはドルダさんに見送られ、ナノじぃのいるところまで進み始める。




