126話 虚界族の魔印
アミバの黒い球体が広がった瞬間、
バックスは顔色を変えて叫んだ。
「ヤバイ!!
……アミバが“魔印”を展開した!
アメリア!!逃げろ!!」
しかし叫びは間に合わず、
アメリアの身体は黒い球体に吸い込まれるように飲み込まれた。
クラリッサは震える声で呟く。
「アミバ……? 魔印……?」
バックスは歯を食いしばりながら説明した。
「アミバ……あのリーダー格の魔族だ。
魔の国のNo.2……」
クラリッサ
「魔印って何なの!!?」
バックス
「アミバは“虚界族”の首領の娘だ。
魔族統一の時、ザルグを最も苦しめた女魔族……
魔印を展開すると、一定時間は誰も出てこれなくなる。
そして──必ず“虚界族だけ”が出てくる……」
クラリッサの顔が真っ青になる。
「じゃあ……アメリアは……!」
その時、エレンが完全に回復し、ゆっくりと起き上がった。
「それって……アメリアさんが負けるってこと?」
クラリッサは叫んだ。
「アメリア!!!!!!」
エアバインドで飛び出そうとするクラリッサを、
バックスが後ろから抱き止める。
「馬鹿野郎!!
あれに近づいたらダメだ!!」
クラリッサ
「……でも……でも……!」
バックスは苦しげに、しかし強く言った。
「……今はアメリアに賭けるしかねぇ……
あいつは……簡単に負ける女じゃねぇよ」
クラリッサは唇を噛みしめ、
黒い球体を見つめた。
その少し離れた影の中で──
ビショップとトリニティがひそかに会話していた。
トリニティ
「ビショップさま……解析終わりました」
ビショップ
「……どうなんだ?」
トリニティ
「はい。あのエレンというガキ……
聖魔法使いですが、自身ではろくに魔法が使えません」
ビショップ
「……つまり聖魔力はあるが、使えない。
使うには“他の魔法使いに魔力供給するしかない”ってことか?」
トリニティ
「はい。なので──
あのガキを“分断”します…さすれば脅威は無くなります」
ビショップの口元がゆっくりと歪む。
「……このままじゃ親方様に怒られます…皆殺しにしましょう」




