127話 廃魔晄炉への転移
トリニティがマジャホへ低く報告した。
「マジャホ様、あのガキと土竜を廃魔晄炉に転移させます」
マジャホは口元を歪める。
「……廃魔晄炉か。あそこなら“空を飛ぶ”以外、脱出は不可能……」
トリニティは続けた。
「残りはビショップと小娘とバックスのみです」
「そうか……バンパイア化しない限り、魔獣は結界内に入れない。つまりテイマーのビショップは無力。残りは駆け出し魔法使いの小娘と、以前勝っているバックス……」
「はい。勝ち確です…ビショップが土竜から離れたら転移させます」
泣き叫ぶクラリッサに、ビショップが駆け寄っていた。
「クラリッサ! 落ち着け!」
影の中でマジャホが小声で囁く。
「今た…。ビショップが土竜から離れた……」
トリニティが影を操り、詠唱する。
「シャドウゲート!」
血魔土竜とエレンの足元に黒い影が広がり、
二人は一瞬で飲み込まれた。
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廃魔晄炉・入口
黒い空間から吐き出されるように、
血魔土竜とエレンが高所から落下する。
「ギャァァァ!!」
血魔土竜は咄嗟に口を開き、
落下するエレンを丸ごと回収した。
そのまま巨大な影が落下し──
廃魔晄炉・最底部へ激突した。
金属の軋む音が響き渡り、
魔力が枯れた巨大な空洞に、
二人の姿が沈んでいく。




