第115話:黒魔土竜、地を割る
レヴィアス城・最下層──
薄暗い牢獄エリアに怒号が響き渡っていた。
ビショップはバックスを肩に担ぎ、
次々と魔族兵を殴り倒しながら突き進む。
「どけ、この野郎!!」
拳が振るわれるたび、魔族兵が壁に叩きつけられる。
(……なんだ……上からもバックスの気配がする……
急がないと……)
だが、角を曲がった瞬間、増援が雪崩れ込むように現れた。
ビショップは一瞬で四方を囲まれる。
(……上に行かなくては……)
魔族兵たちは武器を構え、叫んだ。
「観念してください! ビショップ様!!
これ以上の抵抗は無意味です!」
ビショップは肩のバックスを支え直し、
深く息を吸い込んだ。
「……最大魔力……帝!威!武!」
魔族兵が慌てて叫ぶ。
「ビショップ様!
この城には魔獣はいません!
テイム魔法は無意味です! 諦めてください!」
だが──その瞬間。
石畳の床が、地鳴りとともに揺れ始めた。
「なっ……!?」
床が割れ、黒い影がせり上がる。
巨大な顎。
分厚い鱗。
地を喰らう魔獣──
黒魔土竜が姿を現した。
魔族兵たちは恐怖で後ずさる。
「な、なんで魔獣が……!?」
ビショップは迷いなく、その口へ飛び込んだ。
「行くぞ、相棒!!」
黒魔土竜はビショップとバックスを丸呑みにすると、
そのまま天井へ向かって突進した。
石壁を砕き、天井を突き破り──
轟音とともに姿を消した。
残された魔族兵たちは、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。




