第114話:魔王、動く──三馬鹿も動く
魔国ヴァルゼリア。
絢爛豪華な王宮の一室で、魔王ザルグは大きなソファに寝転がり、
まるで昼寝でもするかのようにくつろいでいた。
そこへ、転移光とともにアミバが現れる。
「親方様、失礼いたします」
ザルグは片目だけ開けた。
「……どうした」
アミバは膝をつき、報告を始める。
「はっ。ビショップが謀反です。
捕らえていたバックスを攫い、そのまま逃走しました」
ザルグは一瞬沈黙し──
次の瞬間、喉の奥で笑い始めた。
「……クックック……面白い女だな……」
アミバはさらに続ける。
「……魔王様、それともう一つ。
聖魔法使いが出現しました」
ザルグの笑みが止まる。
「……そうか……」
「どうされます?」
ザルグはゆっくりと身体を起こし、アミバを見据えた。
「アミバ。あの三人を連れて見てこい。
不用意に近づくな。絶対にやり合うな。
最悪の場合──あの城ごと破壊せよ」
アミバは深く頭を下げた。
「はっ!」
王宮外に転移すると
アミバは空中に転移魔法陣を展開し、
三つの影を強制的に転移させた。
「うわっ!」「なんだ!」「ぐーぐー!」
デルタ、G、クラッシュ──通称“三馬鹿”が床に転がる。
アミバは怒鳴った。
「三馬鹿! 魔王様からの勅命だ!
レヴィアス城に向かうぞ! 聖魔法使い出現だ!
絶対死ぬな!」
デルタ「死ぬなって言われても!」
G「聖魔法ってヤバいやつじゃん!」
クラッシュ「ぐーぐー!(寝てる)」
アミバは頭を抱えた。
「……頼むから真面目にやれ……!」
こうして、魔王直属の“問題児部隊”が動き出した。
レヴィアス城へ向けて──。




